あらすじ
かつての日本企業は世界にも稀な「経営家族主義」を実践し、厳しい競争を展開しつつ不思議な秩序を保ち急成長を遂げた。これをマネジメント1.0と名づけるなら、次代の「秩序なき競争のみの時代」はマネジメント2.0となる。利益第一主義、成果主義が蔓延し、長い目で見れば「その場しのぎ」としか思えないような手も打ってしまう。その反省から生まれた経営が「マネジメント3.0」である。創業当時の方針に回帰した日立、「敗北宣言」を出し顧客中心マーケットに移行したキリン……。変革を遂げ、社会から必要とされる本当の強みを獲得した企業から、これからの経営を学ぶ。「崇高な理念を持って食えなくなった会社を見たことはないが、崇高な理念を持たないで利益を追いかけ食えなくなった会社はたくさん知っている」と述べる経営コンサルタントが、ハウス食品やNTTデータなどで行なっている「経営塾」「リーダー塾」に基づいて丁寧に解説する。
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Posted by ブクログ
戦後復興から日本では、「家族のようなマネジメント」が行われた。これをマネジメント1.0と呼ぶ。バブルの崩壊とともに、稼いだ金を給与として分け合っていた家族の会社から、弱肉強食で業績を上げたものだけが金を得る成果主義が蔓延していく。「秩序なき競争のみの世界」、これをマネジメント2.0と呼ぶ。そしてこれからは、マネジメント3.0世界が訪れる。マネジメント3.0こそが、「その場しのぎの会社」(マネジメント2.0)からの脱却であり、「変革」「イノベーション」と呼ばれるものである。具体的には、
①日立やハウスなどの老舗企業の変革で必ず起こる『創業回帰』
②ノウハウ、経験ではなく、体系的な知識から生み出される『戦略フロー思考』
③グローバル化を含めた社会貢献を意識し、従業員のプライドが高まる『グローバル化とインテグリティ(品格)』
④ロイヤルカスタマーを見つけ、その声を商品に反映させていく『マーケティング』
⑤買収ではなく、アライアンスや協働と表現できる『M&A』
⑥ハッピーな現場を作り、今の苦しい現場を理解したリーダーや経営者を創る『人材育成』
⑦すべてゼロベースで再構築する『情報システム』