【感想・ネタバレ】「絶筆」で人間を読む 画家は最後に何を描いたかのレビュー

あらすじ

あの有名な画家――その最後の作品を知っていますか?
ルネサンス、バロック、印象派……もう、そんな西洋絵画の解説は聞き飽きた。知りたいのは「画家は、何を描いてきたか」、そして「最後に何を描いたか」。彼らにとって、絵を描くことは目的だったのか、それとも手段だったのか―。ボッティチェリからゴヤ、ゴッホまで、15人の画家の「絶筆」の謎に迫る。
*電子版では、絵画はすべてカラーで収載しております。

[内容]
第1部 画家と神──宗教・神話を描く
I ボッティチェリ『誹謗』──官能を呼び起こせし者は、消し去り方も知る
II ラファエロ『キリストの変容』──バロックを先取りして向かった先
III ティツィアーノ『ピエタ』──「幸せな画家」は老衰を知らず
IV エル・グレコ『ラオコーン』──新しすぎた「あのギリシャ人」
V ルーベンス『無題』──「画家の王」が到達した世界
第2部 画家と王──宮廷を描く
I ベラスケス『青いドレスのマルガリータ』──運命を映し出すリアリズム
II ヴァン・ダイク『ウィレム二世とメアリ・ヘンリエッタ』──実物よりも美しく
III ゴヤ『俺はまだ学ぶぞ』──俗欲を求め、心の闇を見る
IV ダヴィッド『ヴィーナスに武器を解かれた軍神マルス』──英雄なくして絵は描けず
V ヴィジェ=ルブラン『婦人の肖像』──天寿を全うした「アントワネットの画家」
第3部 画家と民──市民社会を描く
I ブリューゲル『処刑台の上のかささぎ』──描かれたもの以上の真実
II フェルメール『ヴァージナルの前に座る女』──その画家、最後までミステリアス
III ホガース『ホガース家の六人の使用人』──諷刺画家の心根はあたたかい
IV ミレー『鳥の巣狩り』──農民の現実を描いた革新者
V ゴッホ『カラスのむれとぶ麦畑』──誰にも見えない世界を描く
関連画家年表

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Posted by ブクログ

ネタバレ

当然なのかもしれないが、死の間際まで絶好調だった人は少ない。画家はその作品で隆盛が語られるものだが、やはり死の間際にはなかなか傑作を残せる人は少ない、と感じた。寂しくはあるけれど、人間とはそういうもので、後生があーだこーだいうのは間違っているのかもしれない。
最後のページにある年表が良かった。誰と誰が同時代に生きていたのかが、一目で分かる。ヴァンダイクとベラスケスの対比がとても面白かった。またゴヤの執着、生きることに対してなのか、人間に対してなのか、分からないけれど、とりあえず、執着には凄味を感じる。

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2022年05月09日

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