あらすじ
陸上部の名物顧問が異動となり、代わりにやってきたのは頼りない美術教師。部長の桝井は、中学最後の駅伝大会に向けてメンバーを募り練習をはじめるが……。元いじめられっ子の設楽、不良の大田、頼みを断れないジロー、プライドの高い渡部、後輩の俊介。寄せ集めの6人は県大会出場を目指して、襷をつなぐ。あと少し、もう少し、みんなと走りたい。涙が止まらない、傑作青春小説。
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Posted by ブクログ
中学生の駅伝を舞台とした青春小説。
襷を繋いでいく章の構成が面白くて一気読みした。
駅伝を走る男子生徒6人+陸上部顧問それぞれの魅力があって、読み終わる頃にはみんなのことが好きになる。
私の中でスポットライトが当たったのは渡部君。
頼み事を断れないジローにたいして、「俺は選んでするべきことを決めている」と言い切った場面は、
まだ中学生なのに判断軸をしっかり持っているなんて素晴らしすぎないか?!
と感心したが、彼の章を読み終えた後だと、ある事情のためどういうふうに自分を見せるか考えて行動しているのだとわかり、このセリフの印象が変わる。おばあちゃんの「中学最後になって、孝一もやっと好きなことができるんだね」というセリフは芯をついている。
とはいえ、彼の行動基準はそれだけではないはず。
物事の本質を見抜く力があり、またその本質から目を逸らさない強さと勇気がある。
周りの雰囲気に呑まれずに、「ジローが100パーセント正しいだろ?」と言う場面も私の中で拍手喝采。彼は社会人になっても、【誰が正しいか】ではなくて、【何が正しいか】で物事をきちんと見ることができる大人になるだろうなと勝手に妄想。
そしてもう一つ特筆したいのは俊介君とのやり取り。俊介君自身も避け続けているある質問をズバリするけど、それって相手が打ち明けてきても受け止めるという覚悟や度量がないと、こんな質問できない。その前に出てきた俊介君の友人修平君との対比になっているなと思った。
なんだかんだ渡部君は、短い言葉ではあるけれど、随所で仲間のこと救ってるよなと。一見わかりにくいけど、優しさトップクラスだと思う。
これは私の勝手な考察だが、両親の離婚により父母どちらにも受け入れてもらえなかった痛みと、今一緒に暮らすおばあちゃんからの愛情、どちらも知っているからこそ、状況を俯瞰して見られるし他人の気持ちや傷ついた可能性に気付けるのでは?愛されてまっすぐ育ってきた人が持ってる優しさとはまた違う、静かな優しさを渡部君は持ってるなと感じた。
Posted by ブクログ
『君が夏を走らせる』をオススメされ、その主人公が今作に出てくる人物だと知って、先にこちらから読み始めました。
駅伝を走る六人それぞれの視点で物語が展開され、どんどんキャラクターたちの解像度が高くなっていきました。一人一人個性的で、最初のイメージと読んだ後ではみんなの印象が良い方に変わって、もっとこの子たちの物語を読みたいと思うくらい好きになっていました。
学校の友達や親友などではない、駅伝という絆ができていて素敵な関係性ができているところに心温まりました。
キャラクターの中でも大田くんは最初のイメージからギャップもあり、好きなキャラクターでした。大田くんは『君が夏を走らせる』で主人公となっているので、また早めに読みたいと思います。
Posted by ブクログ
寄せ集めのメンバーがぶつかり合いながら挑む中学最後の駅伝大会
6人の区間順。
章のタイトルは、「1区」〜「6区」となり、それぞれのランナーの視点を中心に各章は進んでいく。
やっぱり、チームに桝井がいたのが大きいだろう。
物語を読み進めながら、アンカーは桝井以外はありえない!と思っていたくらいだから。
私自信、走るのは嫌いだが。
駅伝を見るのは好きなんだよなぁ。
やっぱり、駅伝って素晴らしいな!
ほんと、胸が熱くなる1冊!
こういう青春小説はたまらなく大好きなんだよなぁ。
本作のスピンオフである
『君が夏を走らせる』(大田)
『その扉をたたく音』(渡部)が出るらしいから、是非、そちらも読んでみたい!