あらすじ
優れた企業の優れた経営者が策定した戦略が、失敗するのはなぜか?
個々の戦略・戦術の失敗には、一貫して「組織のあり方」や「意思決定者の認知構造」にその原因を見出すことができる。
特に意思決定者の思惑や目論見(=戦略ストーリー)を超えた「逆説的」な形で現れる失敗は、合理的な戦略を“愚かな”結果に導くことになる。
本書では、豊富な企業事例をもとに、成功と失敗の分水嶺、そして失敗のメカニズムが明かされる。
登場する主な企業は誰もが知る有名企業。読者は、その多くの事例のなかに自分の会社の姿を見出すことになるだろう。
【おもな登場企業】
サッポロビール、サントリー、コカ・コーラ、ベネッセコーポレーション、キヤノン、ゼロックス、アップル、ソニー、東芝、パナソニック、サウスウエスト航空、日本航空、マクドナルド、吉野家、アマゾン、トヨタ、メルセデス・ベンツ、ファーストリテイリング、GE、シャープ、ルイ・ヴィトン、BMW、資生堂、大正製薬、楽天、野村證券、ホンダ、ナイキ、YKK、富士フイルム、日立、IBM、マイクロソフト…。
著者のルディー和子氏は、マーケティング界の第一人者。最新の行動経済学などへの造詣も深く、人文学、社会科学など、幅広い知見を駆使した評論にはファンが多い。
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Posted by ブクログ
今の若者が地元志向で家族や友人との関係を重要視するのは、グローバルな時代にそった賢い選択=地方の再生につなげられる。
ほとんどの企業は価格競争をしていると考えている。ほとんどは仕掛けられたと考えている。自分が値引きしたときの相手の反応を考えていない。
本田宗一郎は、叙勲のとき技術者の正装は白のつなぎ、といってツナギを着ていこうとした。アメリカでツナギを着て社員の前に立ち感動を呼んだ。
人間の脳はストーリー好き。
選択と集中=ドラッカーとジャックウエルチ。
リストラの代わりに使われた。実際には会社の規模を小さくすること。
集中と単純化、で普通の規模の会社に戻ること。
大企業ほど規模の不経済が働く。
大企業病は人間の脳の仕組みに原因がある=変化を嫌い現状を維持したがる。
イノベーションのジレンマ=過去を否定しないところには革新は生まれない。大企業は合理的にダメになり、小さなベンチャー企業にとって代わられる。
選択の本質は、何かを選ばないこと。何をやるか、を考えるとうまくいかない。日本企業には戦略がない、とは捨てる勇気がない、という意味。
JPモルガンは、報酬ギャップが高いほど業績がよくないことを発見した。ドラッカーは、経営者と一般従業員の差を、20対1までと考えた。
大企業は上り詰めたところで新興企業に代わられる確率が高い。
人数は100~150人まで。ダンバー数。それ以上になるとより多くの規則が必要になる。
スティーブジョブス「ネットワーク世代は、アイデアはEメールや、iチャットで生まれると考えがちだが、それはばかげている」
糸井重里事務所「ほぼ日手帳」ポーター賞を受賞した
ダニエルコーエン「快感は成長が加速するときに得られるだけだ。だから大きな幸福感を得るときは、戦争によって破壊された後だ。高度成長時代の幸福感を味わえる」成長がストップすると快感もなくなる。もっともっと、という感覚が、報酬系の快感をもたらす。経済成長の麻薬。
新しい世代は、報酬系の刹那的な幸福感ではなく安定した持続する幸福を求めている。これが内向きになった要因。=地元志向。自己実現できる仕事を見つけられれば多くの人が幸福になれる。
『希望学』『希望のつくり方』など。希望を持つことは現在の幸福とつながっている。