あらすじ
この街は壁に囲まれている。 札幌を襲った天災から十六年、復興という名の再開発事業のせいで、街は高い壁の中にすっぽり収まっていた。 風変わりなその街で育った十五歳の少年・駆は外の世界への憧れを抑えきれずにいた。怖いもの知らずの彼は、街一番の秀才・勇夢と幼なじみの夏月を巻き込み、無謀すぎる脱出作戦を立てるのだが……。 そんな夏の日、放課後の屋上に“過去へ駆ける少女”が落っこちてきて―― !? 悩める彼らの運命が動き始める! 一人の少女が巡る三つの暦。 高い壁に秘められた小さな星のナゾを紐解く、青春ロスタイムストーリー。
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Posted by ブクログ
古本屋でタイトル買いしました。
某楽曲とタイトルが似てるなー、と思って。
こういう世界観はとても好みで、一つ目の話は夏の雰囲気が特に漂っててすごい引き込まれました。
ただ、この話が最後まで続くのかと思ったら章ごとに主点と時代が変わって少し残念。
読み終わった後は、このような話特有のしつこい余韻というか、解決しない感がやっぱりありましたね。SF感が生み出された最後の章は私的には蛇足に思いました。確かに最後の設定のおかげでこよみの能力とか行き先ととかが曖昧な理由がカバーできましたけどね。
カノンみたいにこよみがプログラムを凌ぐ存在になったりして、最後に一言言ってくれたらだいぶ印象変わったかも。
詩的な表現とか、文章の書き方は好きだったので☆4。
あと一つは上で言ったように最後でイメージを崩されたからかな。
Posted by ブクログ
こよみとは何者なのか?
最初主人公は駆かと思ったら、そういう訳ではなく…。
過去にしか進めない少女「こよみ」と最終章のデータ「こよみ」は同一人物(人物?)なのか?
そもそも次元自体が別のお話なのか?
こよみは最後、誰にあのデータを伝えたのか…。
色んな謎を残したままで終わりましたが「分からなくてイライラする!」って言うような終わり方ではなかったなーと。
色々な謎が残っているからこそ、その後を私たちが考えられたり、もう一度読みたくなるような作品だなと感じました。
Posted by ブクログ
SFとも言えるし、タイムトラベルものとも言えるし、終末ものとも言える。パターンとしては割と好き。
全体としてのループ感を重視しすぎなのか、お話のメインであるこよみの印象が少し薄いのが残念。最後の章は少し蛇足に感じました。あれよりかは、こよみが最後にたどり着くところが見たかった気がします。