【感想・ネタバレ】愛なんかのレビュー

あらすじ

平凡な結婚を控えた公美は、偶然出会った男とのセックスで快楽に目覚め、全てを捨てて彼の元へゆき水商売を始める。一年後、かつての婚約者と再会するが……(「ただ狂おしく」)。仕事にも結婚にも答えを見つけられない女たち。人生という長い旅の幸福な結末を求め、覚悟を決めて歩き出す彼女たちの、孤独と痛みを描ききる、ビターな恋愛小説集。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

『夜が傷つける』

彼と別れようか迷っている女性の話。
もう恋愛感情はないのに、はっきり別れを
言い出さない彼に対して悶々としている。
でも、主人公は、ずっと気づかないフリをする。

『世にも優しい、さよなら』

彼氏に二股されていることを知った主人公は、
遠距離に住む本命の彼女の元に彼氏を返す前に
半年かけて彼氏を最低な男に仕立てあげる。
続きが知りたくなった話。

『私が愛した男』

主人公には、かつて強烈に愛した男がいた。
ライブハウスで知り合ったピアニストに惚れ、
彼に彼女がいることを分かった上で猛アタック。
晴れて結婚することになるが、才能があると信じていた彼にはどこからもオファーがかからず。
近所でピアノの講師をする片手に教え子の母親と
浮気をし、酒を飲み、暴力を振るうようになった男。
それでも、主人公は男から離れられない。

『共犯者』
ダブル不倫?

『偏愛』

ストーカーになった女の話。
最後が怖い。

『霧の海』

主人公が好きだったのは、男ではなく女の方だったとは

『朝な夕な』

「恋は狂うこと」という言葉が印象に残った
不倫はやっぱり、幸せにはなれないな

『長い旅』

色んな恋を繰り返すが、幸せになれない主人公。

『幸福の向こう側』

婚約者がいるのに、他の男に惹かれてしまう主人公。

『恋愛勘定』

バーで繰り広げられる静かな女の闘い。

『悪女のごとく』

悪女道を貫く主人公。
どこかでやっぱり、周りの女性に羨ましがられたいんだろうな。
こんな好き勝手に生きる私羨ましいでしょって。
あんたみたいな平凡でつまんない女たちとは違うのよって。
最後に唯川恵の真髄を見た気がした。

『ただ狂おしく』

唯川恵さんの短編集の中で一番の傑作かもしれない。
今までの唯川作品の主人公だったら、一回くらいは寝るかもしれないけど、やっぱりまた幸せで平凡な日常へと戻っていったはず。
それが全く元の日常に戻るそぶりはみせず、
とことん溺れ、非日常に墜ちていった。
それでも、幸せだと言い切る主人公。
羨ましい、でも絶対にマネできない。
でも一度は体験してみたいような、そんな話。

0
2018年05月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

1999年頃に雑誌に連載した短編小説群。
解説を藤田香織が書いている。書評家。
唯川恵の読書遍歴と直木賞受賞の頃のいきさつを書いている。

「愛なんか」は、色とりどりの主人公。
幸せな終わりではなく、人生の途中という感じの話がちらほら。
我が儘限りを尽くしながら人間性があったり、
人間性に押しつぶされそうになりながら個性を出そうとしたり、
作者の実現しない一面、実現したい一面、選ばなかった道などを表現しているのかもしれない。

ひとそれぞれであることを確認するのに役立つ。

一つづつ、読み終わって違和感はないが、
少し疲れて、すぐ次の話を読みたいとは思わなかった。

人生の重い話題を抱えているような気がした。

0
2013年02月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

女は恋愛に溺れると周りが見えなくなるなあと。
平凡というか特に身を焦がすことなく過ごしてきた自分としては少々憧れるような気もするのであった。

0
2018年09月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 短編集。
 相変わらず、働く女たちの恋愛模様……とゆーような感じかな。
 うん。恋をしなきゃわからないことはいっぱいあるし。恋愛の形は人それぞれ……だけど、この本、僕が今まで読んだどの本よりも、一番毒があるかもしれない……と、思う。
 具体的に「何が」というわけじゃないんだけど……。
 どう考えても、あなたそれじゃぁ、幸せになれないよっ!! っていうのがいくつもある。
 でも、それでも主人公の彼女たちは「幸せ」なのだ、という。
 ……怖いよね。
 でもきっと、その気持ちもとてもよくわかる。
 何が幸せかなんて、他人には決められない。

 この先に待っているのが破滅だと分かっていても、幸せな時も多分、あるのだろう。
 それは、残念ながら、私には否定できるものではない。
 恋をするのが幸せなのか、しない方が幸せなのか、答えなんて何処にもない。

0
2014年02月06日

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