【感想・ネタバレ】あの日、マーラーがのレビュー

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Posted by ブクログ 2017年10月23日

 「船に乗れ!」が代表作の藤谷治の新作。どの小説も自分も音大志望だった作者の「音楽観」が覗き見られて楽しいです。
 これは3.11当日の夜に錦糸町のトリフォニーホールで演奏されたマーラーの「交響曲第5番」を主題に、4人の観客と1人の演奏家のを描いたオムニバスのような作品。このコンサートは2012年に...続きを読むNHKでドキュメンタリーになったほど有名なもので、「音楽の力」か「不謹慎」かで(演奏家個人にとっても)今でも評価が分かれるようです。
 小説の方は多彩な人物の描写がちょっととっちらかってたり、藤谷治の特徴でもある「描写のバラツキ」があったりしますが、安心して読めます。僕が好きなのはコンサート終了後すぐ、GFに会いに入間まで歩き出す楽団員のパートかな。
 クラシック好きでなくても楽しめます。おすすめ。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2016年03月01日

東日本大震災が起こった日、東京フィルがそれでもコンサートを強行したという事実をもとに、再構成した小説です。
さまざまな立場の人間の群像劇になっており、それらはすべてフィクション。
ただし、だからと言って嘘はないんだと思う。

色々なバックグラウンドを持つ人々、音楽というものに対する知識も感じ方も関わ...続きを読むり方も違う。
未曾有の大災害に対して何を考えたかも違う。

何かドラマティックなことが起こったわけでもないし、
災害に対する音楽の力を強調する作品でもない。

ただ、あの日、東京にいたみんなが多分感じたことを、キャラクタを通じて描いています。
それは、罪悪感であったり、東北の現状を知りながら自分のことしか考えられない身勝手さであったり、非日常への戸惑いであったり。もちろん、それぞれの感じ方で。

そして、そこに音楽がたまたまあったというお話なんだろうと思います。

大きな理由はなく、人間が人間であるために、音楽がそこにあった。それを描きたかったのかなと思いました。

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Posted by ブクログ 2016年02月22日

あの日、本当ならいつものように過ぎて行くはずの日常が、現実とは思えないほど一瞬で消えさった。その3月11日に実際に行われたマーラーの第5番の演奏会をもとにして生まれた物語。
演奏会をめぐる、登場人物それぞれのエピソードが時間を追いながら平行して語られる。今までの人生で抱えてきたもの、震災による混乱、...続きを読む先の見えない不安が入り混じった中での音楽の思考は、マーラーの音楽が彼らに何かしらの光をもたらしたと感じるものだった。
再読する時は、音楽と一緒にぜひ読みたい。

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Posted by ブクログ 2016年01月24日

事実を元にしたフィクションとのことだが、あの日本当に演奏会があったのね~。
錦糸町ということはあのオケかしら・・・

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Posted by ブクログ 2015年10月19日

 311の夜、錦糸町でコンサートが開かれた事実を元にしたフィクション。
 あまりの当たり前の日常さに、「あの日」は普通に過ごすことができなかった自分のことを思い出してしまう。そしてそれでも普通に日常をたんたんと過ごす登場人物たちを読むことで、どこか心が落ち着くところがある。
 311ということで感動...続きを読むを求めて読む人には肩すかしかもしれないけれど、この日常をたんたんと読ませる構成力と描写力はものすごい。
 青年団の舞台を見たときと感覚が似ているような気がする。

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Posted by ブクログ 2023年02月23日

3.11の日の夜に行われたクラシックコンサートの、観客や出演者、関係者の物語。マーラー五番という大曲の、それぞれの捉え方は異なるけれど、底辺はつながっている感じがしました。すず婆さんの、生き方好きです。周りが不幸だと言っても、本人は全く幸せに考え、今が一番充実していると感じている生き方は素晴らしい。...続きを読む堀くんもツーショット撮れて良かったね〜。

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Posted by ブクログ 2017年10月25日

オケについて、マラ5について、フィクションとは思えないほどのリアル感のある描写。複数の登場人物たちがマラ5を通して間接的に繋がる話で、それぞれの関係は希薄なので淡々と進んでいく感じ。フィクション要素(ご都合主義)を増やして、もう少しドラマチックに持っていってもよかったのでは?

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Posted by ブクログ 2015年12月08日

2011年3月11日の大震災の当日,すみだトリフォニーホールでダニエル・ハーディングの指揮でマーラーの交響曲5番のコンサートが開かれた.その事実を下敷きにした小説.
いろいろな背景を持つ男女が,その日にコンサートホールにきて,音楽を聴きながら,あるいは演奏しながら,それぞれ,いろいろなことを考えると...続きを読むいう話.
みんな悩んでいるのはわかるが,ちょっと思索的すぎるのではないか.地震の後だから仕方ないのかな.

読みながら,あの日のことをいろいろ思い出した.ときどきこういう風に思い出すのは大事だな.ほんとうに様々な感情にとらわれた日であった.

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Posted by ブクログ 2015年09月22日

あの日、とは1911年3月11日、あの震災の日のこと。
新日フィル、ダニエル・ハーディングによるマーラー5番の演奏会が予定通り開催された。その事実に基にした小説。
芸術とは、音楽とは、そしてあの日、忘れられないこと、人間のはかなさを、考えさせられた。

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Posted by ブクログ 2015年09月07日

題名につられて買いました。チェロを演奏されるということで、クラッシックに関する描写が精緻なのも頷けます。ただ、それ以外の恋愛・人生に関する描写がやや淡白なのが惜しいところです。もっと枚数が多ければいろいろ深堀りできたのでしょうか。ラストに向けて盛り上がるための描写も、人の心の動きの方でグイグイと引き...続きを読む込んで欲しかった。

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