あらすじ
ソウル、ピョンヤン、南北朝鮮の子ども時代、「植民地」での敗戦体験。明日をも知れぬ引揚げの恐怖、ロシア人兵士との闇取引、自宅の没収、病の母をリヤカーに乗せた逃亡生活。若き鬱屈と共に歌はあった。今こそ声をあげて歌いたい。魂に響く、昭和の歌謡史!
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Posted by ブクログ
お母さんの死について書いてある箇所が、ギュウっとなった。夢見た新天地で、骨と皮だけの小さな体になっていく…「人生って」と思わずつぶやいちゃうけど、後に言葉が続かない。
五木さんの本は初めてだったけど、読みやすく、これからチャレンジしたいと思いました。
戦争中にも、人々が歌を歌っていたのが、まずびっくりで。声も発せられない、聞こえるのは悲鳴や怒声や泣き声だけの時代と思っていたから。
生きるって、無感情ではできないことなのかも。
異国の地で、父親が日本刀をコレクションしていたとか、写真の中の若かりし母親はモダンガールだったとか、子どもながらに親の気持ちを察する様子に、私は共感しました。
戦争中の人々の心と、戦争なんて全く知らない私の心とに通じるものがあるなんて不思議。
言葉はやっぱり古いから、歌詞だけ見てても心動かされないけど、その歌を拠り所にしていた人の気持ちは、現代っ子も現代っ子なりに経験しているもので…
今の私の仕事って、常に新しい(新しく見える)価値観を見つけなきゃいけなくて、それが苦痛なんだと最近気づいた。
コピーを考える時も、常に普遍的なこと言おうとしちゃって、やるべきことが違うと呆れられてばっか。
でも、私は、時代を超えても通じ合える心理・真理の方に興味があるんだなぁ。それに出会えたときが一番うれしいし、心が動くから。
今、コミュニケーション・デザイン!と叫ばれてるのは、でも、そうじゃないみたいなんだよね。私の技量と思考不足な面はあるかもしれませんが。