あらすじ
後白河院とその最大の補佐役・平清盛。しかし両者はやがて激しく対立する。清盛暗殺の謀議・鹿ケ谷事件、治承三年の政変、平氏政権樹立――。対立の背景を詳細に検証し、「武士の世」前夜の権力闘争を描きだす。
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Posted by ブクログ
メモ
鳥羽院と崇徳院の仲はそこまで悪くなかったという説。重仁は必ずしも後継者から除外されていない。二条天皇とともに、美福門院の養子。
近衛天皇の死後、重仁と守仁が後継者候補だが雅仁が中継ぎで即位。
今様に染まり帝王教育を受けていないので未熟
平氏も正室の子頼盛が清盛の存在を脅かした。
待賢門院と閑院流(三条・西園寺・徳大寺氏)
池禅尼は重仁の乳母
後白河院と信西、藤原信頼(清盛は両方と縁戚)
二条親政派の藤原経宗(忠実いとこ)、惟方の討伐
信頼、源氏壊滅で平氏が軍事警察権を独占
平治の乱後、急激に昇進するが、まだ権力を持てず上皇、天皇両属
法住寺殿と蓮華王院
関白藤原基実と清盛の連携、六条天皇即位も後白河は院政をできず
基実死後、弟基房を抑えて妻盛子の父清盛が摂関家掌握
白河院の子、摂関家大殿の立場から太政大臣、内大臣
後白河と近い重盛。時子の妹滋子が憲仁を生むと立場は微妙に。
頼盛、時忠ら清盛と違う路線をとる平氏一門も
高倉天皇即位と清盛(出家)、滋子を通した後白河との協調、院政
清盛の子徳子を後白河・重盛の養女として高倉に入内=新王朝
時子の長男宗盛は時子・滋子の妹と結婚、清宗を生む。重盛に対抗
殿下乗合事件は重盛の焦り?
清盛・時子・宗盛・高倉・滋子VS重盛・藤原成親(・後白河)?
清盛は分裂を回避
滋子の死と後白河との溝、鹿ケ谷事件
平氏政権下で後白河の独裁が難しく、藤原成親ら近臣の活動が制限
高倉退位工作、人事分裂、右左近衛大将
後白河の権力失墜、言仁誕生、重盛の死、宗盛の台頭と平氏家人分断
治承3年の政変、摂関交代、院近臣解官、後白河幽閉、知行国独占
高倉院政、安徳即位、厳島詣、以仁王挙兵、福原遷都による新王朝樹立
源頼朝挙兵、平安京還都、高倉の死と後白河院政復活,清盛娘との結婚
清盛の死、後白河に甘い宗盛の父の否定と政権の返上
平家の都落ちと後白河の脱出
一の谷の戦いの鵯越逆落としは多田行綱
平氏の滅亡と平氏王朝の壊滅、後白河復権
血族であってもライバルとなり、彼らの生涯で何度も変わる人間関係がややこしい。清盛と後白河は終生のライバルだなと感じる。ただ、著者の後白河への評価は低い。平氏滅亡時に三種の神器と安徳を道連れにした時子の対応が、後白河王朝の権威を失墜させ、承久の乱の遠因になったという指摘や、性的に徳子を愛していた後白河への徳子の言葉など、妄想的だが考えさせられる部分がある。「平家にあらずんば」と言った時忠の生き残り術は、しぶとくて素晴らしい!