あらすじ
かつて繁栄を誇ったコンスル帝国の最北西に位置する霧岬。そんな霧岬の村に住むデイスは十六歳、村の外に捨てられていたところを姉に拾われ、両親と姉に慈しまれて育った。ある日父と衝突し、怒りにまかせてゴルツ山に登った彼は、土の中に半分埋まった肩留めを拾う。金の透かし彫りに、〈太陽の石〉と呼ばれる鮮緑の宝石。これは自分に属するものだ、一目でデイスは悟った。だが、それがゴルツ山に眠る魔道師を目覚めさせることになるとは……。デビュー作『夜の写本師』で読書界に旋風を起こした、〈オーリエラントの魔道師〉シリーズ第3弾。/解説=金原瑞人
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Posted by ブクログ
乾石智子さんの小説で4番目に読んだ。
9人兄弟が大喧嘩する話。
オーリエラントシリーズを全て読めているわけではないが、魔法を使う迫力が最もすごいように感じた。とにかく派手で、読んでいて面白かった。
内容が飛んでいるので再読したい。
Posted by ブクログ
オーリエラントの魔道師シリーズの第三作。
兄弟間の争いのせいか、
道具や呪文がほとんど必要ない「大地の魔法」のせいか、
その魔法が山を吹き飛ばし、湖を創り出すような強大な魔法のせいか、
まるで神話のようだった。
そんな人間離れした物語のせいか、
このシリーズで初めてアニメ化してほしいと思った。
海に沈みし骸たちが操る船、
呪われしものが現れたお尋ね者の町の酒場、
姉の足元に隠れていた弟が正体を暴かれる場面、
亡くなった魔女の書庫を見つけた本好きのふたり。
実写化もアニメ化もしてほしくなかった「夜の写本師」と、
何が違うのかはよくわからないが、
見てみたいと思った。
ちらりと登場したエズキウムの魔道師をのぞいては。
Posted by ブクログ
魔導士の月から800年後の世界。過去(300年)と現在を行き来しながら壮大な兄弟喧嘩を繰り広げる魔導士イザーカト兄弟の話。というと身も蓋もないが、なぜナハティが闇に堕ちたのか、リンターは何をしようとしているのか、他の兄弟たちはどうなったのか明らかになるにつれ、切なさが増していく。ピュリアンやネアリイ、デイスの成長と関係の変化を好ましく思えば思うほどこの結末は切ない。今回も魔法の表現が独特で圧倒される。最後の闘いの描写は解説でもあったが、全然どんなんだか具体的に想像できないけど、納得せざるをえない凄まじさだった。シリーズの中では一番すきだ。