【感想・ネタバレ】11 elevenのレビュー

あらすじ

百年に一度生まれ、未来を予言するといわれる生き物「くだん」。鬼の面をした怪物が「異形の家族」に見せた世界の真実とは(「五色の舟」)―各メディアでジャンルを超えた絶賛を受け、各種ランキングを席巻した至極の作品集。津原泰水最高傑作短篇との呼び声が高い「五色の舟」を始め、垂涎の11篇を収録。著者による自作解題も併録。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

面白かったー。
短編集、初めて読む作家さん。
SFだったり、ホラーだったり、戦争ものだったり。

最初の「五色の舟」読んで、あまりの面白さに唸ってしまった。
戦中の日本で、疑似家族を形成し見せ物小屋で生活している異形の人達が、「くだん」に関わることで、運命が動き出すお話。
心がどこにあるのか?というテーマ。解説も面白かったなぁ。
世界線を越えるお話。家族愛のお話。
終わり方がとても好きだった。
幸せな世界線にたどり着いたのに、切ないっていう。

切ない繋がりでいえば、「テルミン嬢」も切ない終わりだった。がっつりSFで。

「土の枕」は風変わり戦争もの。
死の最後の瞬間に、本当の名前に固執する老人の姿が目に浮かんでしまって、泣けてきた。

0
2024年12月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

どの短編もそれぞれの個性があって濃厚だが読みやすかった。意味はわからなくてもなんだか頭に残るという作品が多い。たぶん最後の一行が余韻を残しているのだと思う。
書かれている女性たちがリアルな女の姿に思えた。こういう人いるよね、となんとなく思うことが多かった。
全部良かったけれど「五色の舟」「手」「クラーケン」「YYとその身幹」「土の枕」が印象的かな。
中でも「土の枕」は凄いと思ったが、まさかほぼ実話とは!
戦争で混乱しているときならあり得ることなのかもしれない。偽りの身分で騙し通したこと、本当の名前をもう自分以外に知っている人はいないこと、奇妙な虚しさに包まれた。
私は、自分が何者かを決めているのは名前のような気がしていて、だから本当の名を名乗れないまま死ぬのはかなりの苦痛が伴うだろうと想像した。

0
2023年09月12日

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