あらすじ
オカルトスポット探険サークルの学生六人は京都山間部の黒いレンガ屋敷ファイアフライ館に肝試しに来た。ここは十年前、作曲家の加賀螢司が演奏家六人を殺した場所だ。そして半年前、一人の女子メンバーが未逮捕の殺人鬼ジョージに惨殺されている。そんな中での四日間の合宿。ふざけ合う仲間たち。嵐の山荘での第一の殺人は、すぐに起こった。
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Posted by ブクログ
叙述トリックが詰まった内容。読み進めていくと若干の違和感に気づくが最後の方でトリックが分かりもう一度読んでいくことで詳しく分かっていく。最後のエピローグでは、ファイアフライ館で過ごした5日間が嘘のように終わってしまう儚さ、学生たちがもういない現実が寂しくさえも感じるぐらい内容に入り込んでしまいとても面白かった。
Posted by ブクログ
こういうパターンもあるのかぁ!!
読者はわかってるのに作中の人物が騙されてる。
それに気づかず読者が騙される。
新たなアイディアが見たくてこれからも叙述トリック物読み漁ります!
Posted by ブクログ
設定が良い。
クローズドサークルと大学生の組み合わせは良い。理由もなくそれだけで良い。
終わり方も好き。
いいと思ったものが、全部だめになることだってある。
むしろ、だめになったものというのは最初はいいものだったに違いない。
かつてよかったけれど、だめになったもの。だめになった瞬間。だめになる経緯。だめになる直前。あーあ。
Posted by ブクログ
仕掛けが面白かった!
千鶴が女性だと知ってるのは語り手だけなんだろうな、というのは他のメンバーが何も気にせず体に触れたりしてるからそうなのかなという予感があり。
長崎が途中から影薄すぎていないものみたいな扱いになってるからたぶん犯人なんだろうと思ってたけどまさか最初から語り手が諫早じゃなく長崎だったとは全く気付かず。やられた~という感じ。それを知った上で頭から読み返したら「体脂肪率は怖くて知らない。」という台詞も確かに自分で言うことはあってもあまり他人には使わないなぁなど色々気付きがあって面白い。
あと登場人物のイニシャルの文字が千鶴以外全て苗字と名前で一緒なのは最初に気付いたので、これがどう物語に絡んで来るんだろう…!?とわくわくしていたが思ったより関係なかった 笑
「松浦将之」という偽名を使っていたという伏線だったのかな。
始まりから終わり方まで綾辻行人の館シリーズと雰囲気が似すぎていて絶対意識してるなと思ったが調べたらやっぱりそうだった。
個人的には館シリーズに引けを取らないくらい楽しめました。島原と千鶴の一回生コンビ可愛かった。
Posted by ブクログ
館×クローズドサークルという本格ミステリーの様相のようで叙述トリックという仕掛けは何となく分かったものの、ファイアフライ館の不気味な仕掛けやクラシックと螢、そしてファイアフライ館の因果などがストーリーを引き立てていて面白かった。ラストは麻耶雄嵩節炸裂といった終わり方だった。それにしても土砂崩れで七人の遺体が発見されたという記述があったけど、生き残った一人は誰だったんだろう…?
Posted by ブクログ
仕掛けられてるトリックに感心する。
普通の叙述トリックではなく逆になってる。
トリックが明かされると倒叙ミステリーの様になる。自分でも何を言ってるか分からんけど。
読んでいる分にはややこしくないけど、読み終わるとややこしい。
読後に色々語りたくなる。その意味では今敏のパーフェクトブルーみたいな。
最序盤から語り手を長崎に固定してしまってた事が悔やまれる。
語り手が曖昧なのが不満で、最初の数十ページを何度も読んで長崎で落ち着いてしまった。
あわよくば終盤の風呂場のシーンで驚愕できたかもしれないのに。
ベットに横になり優しく囁きかけるシーンの違和感が半端ないので多分無理だったけど。
タカタカタを全部口に出して読んだせいか、最終盤は恐ろしくなってしまった。からのエピローグがもう怖い。
解説を大胆要約すると、
『トリックのための登場人物、行動、描写は、人工性の極みのような小説だが、その中で会話し泣き笑うのは生きている「人間」で、そんな齟齬に魅惑的な戦慄が宿ってる。』
と書いてあるが、がっつり戦慄けた。
Posted by ブクログ
麻耶雄嵩作品にしては正統派な印象。
読者に仕掛ける叙述トリックと作品内のキャラクターに仕掛ける逆叙述トリック。
誰が生き残ったんだろう。
Posted by ブクログ
長崎が全然出てこないと思っていたんですが、ずっと長崎のターンだったんですね笑
完全に叙述トリックにハマっていました。
そして最後のオチもふぇっ?!となりました笑
若干読みにくさはありましたがもう一度読み返したくなる作品です。
最後生き残ったのは誰なんだ!
Posted by ブクログ
麻耶作品の語り手はあてにならない!と警戒して読んでいたはずなのに…
最初からあからさまにおかしいところもヒントもあったけど、やっぱり言われるまで気づかなかった…
館の壮大なしかけはわりと好き。だけど、エピローグで全てが無に還る…もう狂気も動機もどうでもよくなってしまう…
Posted by ブクログ
オカルトスポット探検サークル「アキリーズ・クラブ」の学生6人が,同サークルのOBが所有している黒いレンガ屋敷ファイアフライ館にやってきた。この屋敷は,10年前,作曲家の加賀螢司が演奏家6人を殺害した場所だった。
また,アキリーズ・クラブのメンバーの一人,対馬つぐみは,「ジョージ」と呼ばれる殺人鬼に惨殺されていた。
アキリーズ・クラブのメンバー6人と同サークルのOBであり,ファイアフライ館のオーナーである佐世保左内が宿泊した嵐の夜,オーナーの佐世保が何者かに惨殺される…というストーリー。
探偵役を務めるのは,アキリーズ・クラブの4回生,平戸久志と1回生,島原駿策。平戸は,アキリーズ・クラブのメンバー以外の外部犯人説を主張し,島原は,アキリーズ・クラブのメンバーに犯人がいるのではないかと疑う。
この作品には,二つのトリックが仕掛けられている。一つ目のトリックは,物語の視点を誤認させるというもの。長崎直弥が盗聴をしていること,会話のタイミングなどの叙述を駆使し,アキリーズ・クラブの2回生である長崎直弥の視点を,あたかも,同2回生の諫早郁夫の視点で描かれていると誤認させるように記述している。
物語の途中で,ジョージという殺人鬼の正体が佐世保左内であることが分かる。そして,佐世保の共犯者がアキリーズ・クラブに存在していることが分かる。読者には,物語の視点が諫早郁夫であると誤認させているので,読者は,諫早が共犯者とは思い難い。しかし,諫早が共犯者だったという真相が暴かれる。これがサプライズの一つ。
もう一つの叙述トリックは性別誤認トリック。性別誤認トリックといえば,本来は女性である人物を,叙述トリックにより,読者に男性と誤認させるというものが有名である。しかし,本作は,登場人物表に「松浦千鶴」という名前と「S女子大学1回生」と明記し,長崎の視点において「紅一点」などと女性であることが明らかであるように描く。そして,物語の登場人物の会話などでは,松浦千鶴の性別は明らかにしない。こうすることで,松浦が,読者と長崎以外の人物には男性だと誤認させていたという事実を伏せているのである。これは,読者に性別を誤認させるというトリックを知っているほどサプライズが大きい。物語の登場人物内の「つまり真犯人は,松浦が女である事実を知っていたのです。」,「何だって!」という会話を読んだとき,見事に引っかかってしまったので,完全に「え?」と思ってしまった。
物語の設定や性別誤認トリックなど,綾辻行人の館シリーズを思わせる。物語の語り手の誤認トリックと性別誤認トリックをベースは見事だが,物語全体は突拍子がないストーリーで,嫌いな人は嫌いな作品だろう。麻耶雄嵩らしいといえばそれまでだが。
個人的には好みの作風。★4で。
Posted by ブクログ
諫早視点で読み進めていたが長崎視点だったとは。文中で長崎の名前を見ることが少なかったのは、長崎視点だったからなのか、、加賀事件と同じ顛末になったが、蛍のメロディはそこまでに気をおかしくさせてしまうのか、怖すぎる、、、てか諫早が怖すぎる、、、
諫早と千鶴のベッドでの会話は、長崎が盗聴器を通して聞いている状況だったのか、「先走っちゃダメだよ。千鶴」の文で「添い寝か!?!」と驚いたが、なるほど長崎はベッドで寝ながら聞いていたのね
Posted by ブクログ
色々と隠されている伏線には割と気づけた方だと思うけどそれでもちょっと混乱した
紅一点合宿参加に違和感はあったけどスルーして読み飛ばしてた…
ラストシーンとか映像映えしそうだけど長崎と諫早のミスリードはどうしても無理か…