あらすじ
敗戦の焦土から立ち上がった日本人は、いかにして戦後の日本をつくりあげたのか。東京裁判、安保闘争、高度成長、美智子妃ご成婚、新幹線開通、東京オリンピック、大阪万博、バブル崩壊……。本邦初となる貴重な証言をまじえ、昭和・平成70年間の歩みを超豪華執筆陣が描く。月刊「文藝春秋」2015年1月号の大特集を文庫化。高倉健「最期の手記」も特別収録。
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Posted by ブクログ
昭和のリアルを知る本
一時期「昭和は良かった」というテーマの作品が巷に溢れており、昭和をリアルに生きていない世代からするとあたかもそれが真実のように思ってしまいがちです。
過去を美化するのは人としての常(笑。
いまの世代の人達も、あと何年かしたら「平成は良かった」と新たな世代に言っている事でしょう。
けれどそれは人の中にある「デフォルメされた理想の過去の思い出」であって、史実ではありません。
新しい世代の人が、本当の昭和の空気や事件を知るためには、当時その時その場にいた人達によって語られるコトバが必要です。
そしてこの本は正にそれに合致する貴重な資料となるものだと思います。
「歴史は繰り返す」ものである以上、私達は歴史から学ぶ必要があります。けれど、個人の脚色が着いた「思い出」から「歴史」は学べません。
事実をしっかりと自分の知識とし、「都合の良い思い出」に踊らされる事のないよう、この本が他の方々の手に渡って読まれるといいなと思います。
Posted by ブクログ
文芸春秋の特集記事をベースに再構築した本。今年は70年という節目ということもあり、昭和史、戦後史をたくさん読もうと頑張っているが、本書は読みやすく、各方面での出来事を概括できた。類書は多数あり、多くの内容は既知のものとなってきたが、それでもおもしろい。執筆者がそれぞれ強烈に個性的なのもあるし、短い記事がゆえの密度の濃さが、多くの記事に感じられた。
教科書にしても良いのでは?と思う。学生時代、特に高校までは、歴史はだいたい江戸末期から明治くらいで授業としては終わってしまい、後は選択した受験生が、自学自習、というのがパターンでは。それはまずいので、本書のような本を読んでおけば、受験にかかわらず、良い史観を持てるようになると、強く思う。