あらすじ
縁結びの達人も、自分の恋には無頓着……!?放蕩侯爵が始めた花嫁探しが、社交界に波瀾を起こす!
ある日、社交界一の結婚仲介人として知られるベリンダのもとに、トゥルブリッジ侯爵が訪ねてきた。侯爵のことは噂でしか知らないが、常に女性をはべらせる、ベリンダがこの世で何より嫌いな“放蕩者”らしい。身構えるベリンダに侯爵は、自身の困窮した経済状況を明かし、「裕福な花嫁を探してほしい」と切り出した。お金目当ての結婚だなんて! 彼にはどんな女性も紹介したくないわ――だが半ば強引に説得され、ベリンダは渋々花嫁探しを手伝うことに。そればかりか侯爵は、なぜか誘惑めいた不埒な眼差しをベリンダに向け……。■MIRA文庫に人気ヒストリカル作家ローラ・リー・ガーク、初登場です! この物語、実は作家仲間エリザベス・ボイルのちょっとした助言(?)がきっかけで生まれたのだとか。ヒロインは英国社交界で“凄腕の結婚仲介人”と噂されるべリンダ。アメリカ生まれの彼女は、英国紳士と、アメリカからやってきたレディたちとをくっつける縁結びを行っています。それもひとえに「自分と同郷の子たちが不幸な結婚生活で傷つかないように」したいから。なのにある日「花嫁を探してほしい!」とやってきたトゥルブリッジ侯爵は、女遊びに目がないと噂のトンデモナイ男! もちろん侯爵の花嫁探しは一筋縄ではいかず、やがて社交界に波瀾を巻き起こし…。RITA賞受賞経験もある実力派がお届けする、ゴージャスで小粋な社交界ロマンスです♪
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Posted by ブクログ
教養もある元伯爵夫人が持ち前の人脈と誠実な人柄を武器として、「結婚仲介人」を仕事としている。そのフェザーストーン伯爵夫人の元に、名うてのプレイボーイである侯爵が花嫁捜しにやってきた。
彼は「持参金を持った令嬢」とすぐにでも結婚したいのだという。
愛ではなく金のために結婚するのだと広言してはばからないイケメン侯爵に、伯爵夫人ベリンダは激しい嫌悪感を覚えるが、、、
実はベリンダが覚えたのは嫌悪感だけではなく、当の侯爵ニコラスも同じで、共にひとめで惹かれ合ったということになります。
結局、ラストで二人は結ばれ、他人の金を当てにせず、自らビール醸造業で身を立てようとするニコラスに、ベリンダも愛情だけでなく敬意を抱くようになります。
ニコラスは幼いときから父親であるランズダウン公爵の過干渉を受けてきて、夢も理想もすべて打ち砕かれてきました。放蕩者の仮面を被るのは、父親への精一杯の反抗だとベリンダは見抜きます。
一方、ベリンダはアメリカ人の資産家令嬢で、かつて侯爵と同様、金目当ての夫に言葉巧みに誘惑され結婚したという過去があります。そのため、二コラスを亡くなった夫と同類の女性の敵のような男だと見なすのですが―。
無垢なアメリカ人令嬢たちを財産目当てのニコラスの毒牙にかけてはならない―と、彼の結婚をことごとく邪魔する中に、自分の心の中にそれだけではないニコラスへの思慕が混ざっていることに気づき、、、
スートリーそのものはこみ入っているわけではありません。単純明快で、これだけの―四百ページを越える分量を費やす必要があるのかとの疑問もよぎります。
ただ、その分、ページを費やしているだけ、ゴールに至るまでの二人の心の有りようや変化がとても丹念に描かれているともいえます。
結局、ニコラスはベリンダの前夫のような男ではなかったわけですが、男気があって優しい人柄は個人的にもとても好感のある男性のように思えました。
へリンダも最初は不幸な結婚をして早々と寡婦になったわけですから、今度こそは幸せになって欲しいと思います。
起伏があまりない反面、好感のもてるキャラたちに惹かれ結末の知りたさに読み続け、かなり読むのに時間がかかってしまいました。
Posted by ブクログ
アメリカ女性の結婚仲介人をしているヒロインと信託資金を打ち切られたので結婚せざるを得なくなったヒーロー。
いきなり最初からヒロインへの欲望を感じるヒーロー。ヒーローへのちょっとした意地悪やズバズバ言うヒロインが楽しかった。最初はヒロインに結婚相手を探してもらう為だったけど、誰かを紹介されるにつれヒロインじゃなきゃダメだと思い始める。そこからヒロインに正論をグサリと言われ、ヒロインから尊敬されるような人間になろうとするヒーローが良い。
遊び呆けてないでもうちょっと計画的に生きてこればねーとも思うけど(笑)
ヒロインの亡き夫がナチュラルクズだったからエピローグでヒーローと幸せな姿が見たかったな。