【感想・ネタバレ】トヨタの自分で考える力のレビュー

あらすじ

改善から問題解決、整理、発想、マーケティング、マネジメントまで、トヨタ「秘伝の思考法」を公開! 世界一の現場で徹底される38の口グセと5つの思考の型から、成果をあげるための考え方のコツを、元トヨタマンがストーリー形式で教える。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 のっけから自分の話をします。

 プライド激高、学歴チョイ高、仕事力低、というサラリーマンでした(今はやや改善したと思っています)。2回目の転職を40歳で経験しましたが、当時の上司が7つ下の子でした。その子に目茶目茶しごかれました。彼の仕事力は半端なく、自分にも他人にも厳しい人でした。

 私は家族もいるし、子供もいるし、もうここで失敗できないなあと午前1時くらいに仕事が終わらずオフィスで呻吟しているときに、この本を買いました。もうとにかく、どうすれば自分のミスがなくなるのか、どうすればもっと効率的になれるか、どうすれば人に意見したときにすんなり受け入れてもらえるのか、とかそういう事ばかり考えていました。

 今、彼のおかげもあり順調に仕事をしていますが、改めてこの本を読むとまだまだ自分は足りないなあと思い知らされます。例えば改善志向。私も仕事で日々効率化を考え実行はしていますが、「モノを探すのは無駄な動作」(P.27)とか結構あることを思い出しましたし、「何でもかんでも手あたり次第に改善するのではなく、順序」(P.64)も大切である点、即ち、自分の周りから始まり、それを周囲に広め、果ては業務の在り方全体をも改善するという視野の広がり、こういうのも心に響きました。私は、基本ノウハウをため込んでいるのですが、こう考えていました。俺の改善法を周りに教えたって誰も聞かないし、給料も上がらねえしとか。器が小さくてごめんなさい笑。明日からちょっとみんなにシェアしてみます。


 で、この本は主に若手から中堅向けの本です。30前後くらいまでの人を対象にしていると思います。仕事のやり方、思考法、プロセス等、言わばトヨタ方式の考え方が物語形式で語られます。物語形式と言いましたが、小説の形になっています。IT企業の営業部が舞台で、そこで起こる事件をトヨタからやってきた役員がヒントを与えて、社員が問題をクリアし成長していくというものです。面白いので一日二日で読み終わると思いますが、語られている内容は体得するのが簡単ではないものです。

 実際には会社の物事やフローなどを変えるとなると政治とか、タイミングとか、組織とか、より対人的スキルが必要になるかと思いますが、若手が自分をより向上させようとするためには非常に良い入門書だと思います。他方私のように中年以降の方にもおすすめです。自分のやり方を当然のごとく思っていたりするものですが結構できていないものです(私だけですか!?)。そうした気づきを与えてくれる良書だと思います。

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2021年03月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

トヨタの考え方が小説形式で書かれているので読みやすいです。おもに若手や営業向けのストーリーとなっています。
ただ、スポットライトをあびている主人公が際立つクズで感情移入ができませんでした。そして取り巻くキャラクターも考えが幼稚でわざわざ小説形式にしなくても、と思うこともたびたびありました。
とは言いつつも、小説形式だからこそイメージがしやすいので時間があれば読んでもいいのではないでしょうか。
急ぎで読みたいのであれば本書の終盤に書いてある付録を読めば全容がわかります
ここからは私のメモ代わりとして気になった部分のみを抜粋します。

■ムダな動作を減らす
例えばモノを「探す」行為はムダな動作なのでモノを「取る」レベルまで落とし込んで時間を生み出す必要がある。ムダな動作をするほどムダな時間が生まれてしまうのでそこを極力減らす。

■知恵を加える
人間の脳は困るほど知恵が出るので、困ることを避けずに積極的に受け入れる必要がある。そしてその知恵を足して初めて仕事は完成する。

■代案もないのに反対をしない
反対意見には必ず代替案を用意しなければ議論は進まなくなる。

■課題のない報告は一切受け付けない
数字の羅列だけでなくどんな課題があり、そしてもっと上手くやるにはどうしたらいいかを考える。

■多能工になれ
自分の役割を勝手に決めるのではなく多能工として視野を広げるべき。
そして横展開をすることで周知すべき。積極的に発表や共有することで他部署にも広がり組織全体が強くなっていく。
ただし、横展開はその動きを阻害する問題として「常識」などが要因になることがある。今までの常識に支配されている限り限定されたものに終わってしまい拡大できなくなる。そんなときは抵抗する部署や人に対して「やればできるんだ」「やったほうがいいんだ」というマインドを植え付けることが必要である。

■5回のWHY
適当に分かったというのではなく、真因に迫って本質的な解決を図る。この真因探しを邪魔するのが責任の押し付け合いがある。

■巧遅より拙速
つたなくとも速く動けということ。完璧を目指すより終わらせろ。

■人間関係は口より耳でつくれ
一方的に話してばかりでなく話を聞けということ。正解は教えないけれども相談すれば必ず一緒に考えようと伝えるべき。

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2016年08月28日

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