あらすじ
ヒトはなぜ、宇宙の果てや時間の始まりをイメージできないのか? なぜ涙を流すのか。なぜ火に魅せられるのか。なぜ町中に鳥居を作るのか――。脳は、狩猟時代から進化していない。あの頃の生存と繁殖に必要な能力のままである。だから脳には人間特有のクセが残っているのだ。動物行動学からヒトを見たユニークな論考。
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Posted by ブクログ
サブタイトルの「動物行動学的人間論」に魅かれて読んでみた。前半は特に面白かった。中でも
p37
「それぞれの動物種が生存する環境によって、写し取る部分や、写し取るやり方(どのような波長の光を使うのか、音を使うのか、ニオイを使うのか、そしてそれらを脳内でどのように処理するのか等)は異なっている。」
がとても腑に落ちた。
人間よりも嗅覚がすぐれている犬、紫外線が見えるチョウ…確かに、実在世界の反映の仕方は、それぞれの動物で異なっている。
そして、実在世界をどう認知しているのかは、ヒトの個体それぞれも微妙に違っているわけで、この点は日ごろから常に意識しておきたいと思った。