あらすじ
どうして「優秀」と呼ばれる社員、「高学歴」社員が、組織をダメにし、会社を潰してしまうのか? 著者は、そのような組織を滅ぼす「高学歴社員」の特長を、次のように喝破する。何も考えず、ただひたすら「対昨年比」で無理な計画を要求するので、現場が疲弊の極みとなる。半人前の管理職を量産するだけの人事ローテーションで、利益を生み出せぬ「情報弱者」の経営陣ばかり育て上げる。成果主義の誤ったインセンティブ設計で、モラルダウンと不正ばかりが横行する。本来、日本の「現場」は優秀なのに、あまりに「脆弱なマネジメント」にブチ切れて、やがて反乱へと至る……。「あるある」と笑いつつ、やがて背筋が寒くなり、目からウロコが落ちて、そして最後に勇気が湧いてくる「最強の組織論」!
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脆弱なマネジメントに対して
・「脆弱なマネジメント」による優柔不断な経営は、常に現場の頑張りによって支えられている。しかし、負担に耐えかねた現場は反乱を頻繁に起こし、場合によっては暴走が止まらなくなることもある。これは組織における永久運動みたいなものだろう。
・転職とは、「ただ新しい組織に移ること」であって、「組織を抜ける」ことにはならない。
・資格取得も、スキル獲得も、結局は脆弱なマネジメント組織から逃れることにはならない。
準拠する法律や、監督官庁、資格ホルダーたちの組織(ギルド)のしがらみから逃れられない。どんな仕事も、何らかの形でどこかの組織のお世話になっているからだ。
・「世捨て人」として生きられるかどうかは、「無収入生存月数」によって決まる。
無収入生存月数=純資産÷人間的な生活を送れる最低限の月収
ここで算出された月数をこえると、ホームレスとして、生きることを余儀なくされる。
・独立とは、会社の「外注業者」になることである。守ってくれる組織がない分、約束を守ること、相手に迷惑をかけないことなどについて、一層気を使うこととなる。
・組織に残って改革するなら、問題は「自分が誰か」である。「正論」を通すためには、まずは現状の枠組みの中で成果を出し、マネジメントに実力を認めさせないといけない。
・脆弱なマネジメントが完全に機能不全に陥ったとき、現場の反乱がきっかけとなって大きな改革が始まることもある。
・デフレ不況では、正しいことをやっている人ですら潰れてしまう。
マクロ経済の好転は、組織に残って改革を進める人に勇気を与える。
より多くの転職先があるということで、自身の行動をバックアップする。
辞表を胸に、改革に取り組める。
成功するまで続けることができる。
・業界自体、既に終わっていると確信したのなら、早々と見切りをつけ、多業種に転職した方が良い。