【感想・ネタバレ】ジヴェルニーの食卓のレビュー

あらすじ

ジヴェルニーに移り住み、青空の下で庭の風景を描き続けたクロード・モネ。その傍には義理の娘、ブランシュがいた。身を持ち崩したパトロン一家を引き取り、制作を続けた彼の目には何が映っていたのか。(「ジヴェルニーの食卓」)新しい美を求め、時代を切り拓いた芸術家の人生が色鮮やかに蘇る。マティス、ピカソ、ドガ、セザンヌら印象派たちの、葛藤と作品への真摯な姿を描いた四つの物語。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

〇マティス
この夏上野で開催されたマティス展に行くことができた。
作中に登場したマグノリアの絵もそこで見ることができた。
体の自由が利かなくなってもベッドに居ながら、車椅子にのりながら、マティスの視線の先にモネの世界が作り出されるのを思い描くとわくわくした。

〇ドガ
ドガの描いたバレリーナの絵はいくつも見たことがあったが、そのリアルな絵の裏にたくさんの蠟で作られた彫刻があったとは。バレリーナたちはお金を持つパトロンの目に留まるために練習を重ね、その中の一握りだけが舞台で喝采を手に入れる。その中でドガの目に留まり彼によって永遠のエトワールの座を手にしたことはモデルになった彼女にとっては喜ばしいことだったのだろうか。

〇セザンヌ
タンギー爺さんと聞けばゴッホの描いた肖像画を思い出す。当時アカデミックに認められず苦しい生活をしていた印象派の画家たちに、画材を提供するなどその憩いの場となっていたのが彼の店だ。セザンヌの静物画は遠近法の観点からいえば奇妙であるらしいが、「リンゴの籠のある静物」を見たとき違和感はなく、むしろ今にも絵の中からリンゴが転がってきそうな臨場感を感じた。タンギー爺さんもそのように感じていたのか。

〇モネ
モネの絵を現実にした夢の庭をもつ「ジヴェルニー」そこで彼とその家族がどのように生きていたのかが描かれる。目に見えたものを写し取り描いたものを、素晴らしい絵と評するのであれば、モネの描く絵はその現実を心によって補填し美化したものだといえよう。その幻想的な庭から漂う香りを胸いっぱいに吸いながら目覚める朝はとても魅力的だろう。ブランシュはモネの描く世界の一部であることが生きがいだったのだろう。

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2026年01月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

マティス、ドガ、セザンヌ、モネの絵を見に行きたくなった。

▪️うつくしい墓
マティスの元で侍女として働いた女性マリアがマティスについて語る。マティスが愛したマグノリアの花。ライバルのピカソ。秘書、家政婦、料理長、絵のモデルも、マティスの絵は周りの人を魅了する。
マティスの絵は奇抜。

▪️エトワー
エドガー・ドガが描き続けた踊り子について語られる。印象派の絵を逸早く評価した画廊デュラン=リュエルはドガが亡くなった後に彼が遺した彫刻のモデルを探すため、彼の友人である画家メアリーを呼ぶ。
幼いバレエの踊り子の裸体を描くドガに疑念、嫌悪感を抱くところが、画家としてのエゴを分かりたい気持ちとそれでもやっぱり良識を持った大人としてどうなの?という気持ちの狭間で揺れる感じが良かった。絵のヌードなんて昔は普通だったのでは?って勝手な印象があったけど、芸術の世界にもちゃんと児童ポルノの概念ってあったんだ…と思った。
踊り子も画家もパトロンを見つけるために泥臭くやっていかないと、綺麗事ばかりは言ってられないんだと、ドガが踊り子をモデルにして一種のパトロン(モデル代も払うし絵が有名になったら踊り子としての知名度も上がる)になっていたのは、少女を助けるためだったのだろうか?
何枚も描いてる踊り子の絵が素敵。

▪️タンギー爺さん
売れない画家のための画材屋。
タンギー爺さんの娘がツケを回収するためにポール・セザンヌに宛てた手紙で構成される。
タンギー爺さん良い奴だな。商売よりも未来ある画家に絵を描いて欲しいって思えるのがすごい。
セザンヌは林檎の絵が有名らしい。見たままを描く印象派とも少し違う、対象をデフォルメして描いた画家。

▪️ジヴェルニーの食卓
モネがジヴェルニーで睡蓮を描く姿を、義理の娘であるブランシュ目線で書かれる。

モネのパトロンであるオシュデ一家とモネ一家が一緒に住んで、オシュデとモネの妻カミーユが亡くなった後に、モネとオシュデ妻アリスが再婚する。その後に、モネの実の息子ジャンと義理の娘ブランシュが結婚する。???複雑すぎる。

アリスが亡くなった後に塞ぎ込んでたモネが、凍結したセーヌ川が解けていく姿を見て、今しかない瞬間を描くんだ、と創作意欲が湧き出る話が芸術家って感じがして良い。

パトロンの政治家クレマンソーとモネの関係性も良い。なんだかんだ言いながら、モネの描く絵が好きでモネを尊重して最大限守ってあげようと動いてくれてるところに好感を持った。

睡蓮の絵がフランス政府に依頼された絵で、完成させるまでに白内障になったり気分が沈んで上手く描けなかったりと紆余曲折ありながら時間をかけて描かれたものだと初めて知った。睡蓮のある庭に日本が影響を与えていることも。

次にパリに行くときはオランジュリー美術館に行きたいなと思った。あとはジヴェルニーにも。光溢れる素敵な景色が広がってるんだろうな。印象派の画家達が見たフランスの景色を巡る旅をしたくなった。

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2026年04月12日

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