【感想・ネタバレ】ゴッサムの神々 上のレビュー

あらすじ

新たなる名探偵、登場!1845年、ニューヨーク。バーテンダーのティムは街を襲った大火によって顔にやけどを負い、仕事と全財産を失ってしまう。新たに得た職は、創設まもないニューヨーク市警察の警官だった。慣れない仕事をこなしていたある夜、彼は血まみれの少女とぶつかる。「彼、切り刻まれちゃう」と口走って気絶した彼女の言葉どおり、翌日胴体を十字に切り裂かれた少年の死体が発見される。だがそれは、ニューヨークを震撼させた大事件の始まりにすぎなかった……。不可解な謎がちりばめられた激動の時代を生き抜く人々を鮮烈に活写した、圧巻の傑作ミステリ。MWA最優秀長篇賞最終候補作。

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Posted by ブクログ

 主人公・ティモシーの一人称で語られているが、それがこの物語には確かに一番の方法だと思わせる人物描写。
 マーシーがどうにも捉えどころのない人物に思えるけど、それはティムの目線で彼女を見ているからなんだろうな。
 また兄のヴァレンタインに対する気持ちもとても面白い。ティムはとても公平な人間で好感が持てるのだけど、兄の事となるともう(笑)。
 マーシー側、ヴァル側から見たティムはどんな感じなんだろう。
 ティムと私自身を同化して読んではいないのだけど、「相手から見た自分」はどうなんだろう、と思うのと同じ気持ちになる。
 下巻も楽しみ。

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2014年03月20日

Posted by ブクログ

ニューヨークの黎明期。
創設まもないNY市警察の警官となったなったティムの遭遇した血まみれの少女。
映画『ギャング・オブ・ニューヨーク』の時代をシャーロキアンな女流作家が描く兄弟萌えミステリー。
まぁ、あれですよ。
序盤は序盤なんで煽るだけ煽りますね。
スラングでの言い回しはスゴクカッコイイです。

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2013年09月08日

Posted by ブクログ

ゴッサムとはニューヨークのことで、19世紀に始まったあだ名。
迫力ある歴史ミステリで、面白かったです。

1845年、ニューヨークでバーテンダーをしていたティム・ワイルドは27歳。
中背だがすばしこく、観察力に富んでいた。
地道に金をためていたが、大火事で仕事も財産も失い、兄のヴァルに創設されたばかりの警察に押し込まれ、巡査になることに。

アイルランドで飢饉が起きて、大量の移民が流れ込んでいる時代。
大柄な兄のヴァルは町の暴れん坊だったが、消防団のリーダーでカリスマ性があり、それなりの勢力もあって、警察の別な分署の署長になっていた。
兄弟には深い確執があり、その理由は次第に明らかに。

血にまみれたネグリジェで逃げてきた少女がティムにぶつかり、ティムは下宿にかくまう。
少女バードの証言で、大量の死体が発掘され、大事件に。
ティムは、ニューヨーク警察本部長マッセル(実在の有名人)直属の刑事として、捜査することになる。

牧師の娘マーシーに想いを寄せていたティムだが、顔に大やけどを負ったため、連絡も取らないでいた。
マーシーは慈善のために、どんな貧民街にでも出向く果敢な女性。

混乱期のニューヨークのあまり知られていない事情が描かれます。
ロンドンならディケンズの時代で、ドラマチックになる要素はいくらでも。
デビューして3年の2作目で大化けしたという作品。
熱のこもった内容でした。

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2013年11月23日

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