【感想・ネタバレ】拝み屋怪談 逆さ稲荷のレビュー

あらすじ

如何にして拝み屋と成り得たのか。霊を霊と認識していなかった幼少期から拝み屋開業にいたるまで。人ならざるモノと付き合い続けた恐怖の半生記を、取材をもとにした怪異譚と併せて収録する、かつてない怪談実話集!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

冒頭から最後に至るまで全てが1つに繋がっており我を忘れたかのように読みふけっていた。
言葉の選び方がすごく、語彙力向上にも適していると思う。
特に彼の曾祖母から繋がる怖い話しは異様であった。正体が分からないこともぞっとする。
郷内心瞳さんの営む拝み屋、1度は足を運んでみたい。

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2025年11月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

郷里の地で拝み屋を営む私は昔から奇妙な物が見える質の人間だった。普通の人には見えない彼らは、様々な姿で私の眼前に現れる。時々怖い目に合うこともあったが、うまくやっていけていた。あの日、あの夜、あの恐ろしい夢を見るまでは。




長い間本棚で積読の憂き目にあっていた一冊。どの巻のコミカライズかはわからないが、漫画でちらりと読み、面白そうだったのでシリーズの三冊ほどを購入し今更読み始めてみた。この話は一番初めだからなのか、あまり作者の生業である「拝み屋」の仔細は分からず。多くは、作者が幼少期から現代にいたるまでに体験した、あるいは人から聞いた、家族が実際に体験した怪談話だった。しかし、そのどれもが読んでみて不可思議で、どこか懐かしく、ふと自分の子どものころを懐かしむような気分にしてくれる話ばかりだった。もちろん、怖い話もたくさんあったが、作者がそれが怖いもの、幽霊であると解釈しておらず、何でもないことのようにさらっと書かれているので恐怖度はやや薄かった。中盤ぐらいでちょっと物足りなさを感じたというのが正直なところだった。しかし、作者とそして弟が雪の降りしきる巨大な屋敷の悪夢を見たあたりから不穏な気配が漂い始める。その前からじわじわと来てはいたのだが、決定打となったのはその話だった。この話以降、加速度的に不気味で実害を伴う話が増え、作者とその家族を苦しめ始める。その辺りから、もうとにかく先が気になって仕方がなかった。そして、最終的に何が災厄をもたらしていたのかというのを知ったとき、はっとし、ああ、やはり読んでいて時々感じる違和感は間違いじゃなかったのだと思い知った。感じていた違和感の裏打ちをされた瞬間に鳥肌が立った。気味が悪い、何の目的で、そんなことをしたんだと作者の想いと同調し落ち着かない気持ちになってしまい、何度も本を開いては数行読んで、閉じて、開いて、数行読んでを繰り返した。読み終わった後、この本すごい!!すごい面白い!と興奮し、残された謎が知りたくてすぐさま次の本を読み始めてしまった。

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2020年09月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

夏の暑さが終わり秋の涼しさを感じる季節に読みました。なんとも良いタイミングで、風の涼しさや、季節の変わり目に敏感になる感度が、物語に没頭させてくれました。

本書は、一つ一つのエピソードは短編になっているのですが、著者の幼い頃から拝み屋になろうと決心するまで年を追って書かれているため、続けて読むと1人の青年の物語になっている。

ホラー小説としても、私の求めていた世界観だった。
子供の頃のあやふやだけどずっと覚えている不可思議な体験、ただ怖くて泣いた思い出、山などの自然が身近で、読んでいると土から立ち昇る湿気が感じられるような、身近なようで遠い世界。ホラー小説というより、怪異譚、でも良いけどもしれない。

印象に残った情景
初めて恐ろしいものを見た幼い頃の著者が曽祖母に大泣きする。曽祖母は吐き捨てるように「なんとも勘の鋭い子だ」とつぶやいた。 初めから始まりまで

コンビニのアルバイトに転職し、そこで出会った女性に心を開いたころ、2人で異形のものを見る。
自分が見るものは幻覚だと自身を追い詰めていた著者だったが、彼女も同じものを見たことを知り、彼女はお化けだと言った。怖いものは素直に怖いと思えば良いと、著者の心が軽くなった話。 おばけなんかないさ

今までの話に出てくる曽祖母というのは、どの人なんだ? ぞっとするシーン。ここで、著者の幼少期に曽祖母がお前は何を拝んでいるのかわかっているのかと曽祖母が言っていたことを思い出す。 暴かれた影

姓も変わり、名も変わり、進む道も大きく変わった。まるで生きながらの転生だな。 この後、著者はもう今までのようには戻れない、もう普通には暮らせない。と書いているが、著者がはっきりと意思を決めた印象的なシーンで、心が澄み渡っていくような静謐な雰囲気を感じた。 虚しき流れ

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2020年09月22日

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