あらすじ
出る杭は打たれ、才能ある人間が生きづらい国ニッポン。しかし、もはや大きな経済成長は見込めず、仲間と群れることで幸せだった時代が過ぎた今、何より重要なのは才能をいかんなく発揮できる社会づくり。もうみんなと同じ必要はない。各個人が信じる道を自由にゆけばいい。漫画家として各界の傑物たちにインタビューを続けてきた著者が贈る“非属”という新しい生き方。2011年本屋大賞「中2男子に読ませたい!中2賞」受賞作。
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書店員Xこと長江貴士さんの本によく引用されていたので気になり読んでみた。
面白く思ったのは、引きこもりの人にはこの世界が自分に合っていないと感じる才能がある、と言い切っているところ。ダーウィンだって他の偉人だって引きこもりをせずに周りに馴れ合う努力を優先させていたら偉大なことは成し遂げられなかっただろうと。引きこもりをして自分と対話する、本を読んで知識を積み上げる。これは重要なことだと。しかし、親や世間の人は引きこもりをしている人たちに自分たちが信じている正しい世界に引っ張り出してむりやり就職させて「社会復帰」をさせたと喜んでいる、と。これはまさしくその通りだと感じて笑ってしまった。
あと、「怠惰な人ほど真面目にみえる」というのも世の中の核心の言葉だと感じた。自分で考えることをせずに周りに合わせるのを大優先で生きることの危うさ。
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非属。いかに自分が周囲と同調し生きてきたかを痛感した。幸い、うつ病になり、非属への道を歩み始めている。自分の人生、自分の価値観で生きる。ただそれは独りよがりではなく、他と協調し、様々なことに興味を持ち関わりを持つことで磨かれていく。まだまだあと何年生きるか分からないけど、1日1日を大切に、定置網にかかるのではなく、自分の頭で考えて、決めて、挑戦したい。まずは、いろいろやってみる。やってなさすぎ。否定せずに
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予想以上に内容が濃く、明快な主張が繰り広げられた本だ。著者は小学生の時から「やることが多すぎて授業を聞いている暇などなかった」というから、生まれながらの非属の才能の持ち主だ。中学、高校でも、授業を聞かずに漫画を描いたり、謎の未確認動物の研究などをしていたという。
様々な非属の才能の持ち主を紹介している。黒柳徹子は「窓ぎわのトットちゃん」の中で、フタ付きの机を音を立てて開け閉めし、通りかかったチンドン屋を学校に招き入れて1曲披露させたといったトラブルが絶えなかった少女だったことを明かしている。小学校を退学させられたトットちゃんが転校したのは、子どもたちの素質を大きくすることを教育理念とし、黒板に書かれた科目の中から好きなものを選んで勝手に始める授業スタイルの学校だった。
3か月で放校されたエジソンの母は、地下室にさまざまな化学薬品をそろえて、好奇心のおもむくままに物事を調べて実験できるようにした。著者は「もし、トットちゃんやエジソンを教室に閉じ込め、いい子に育てることに成功したら、その損失は本人だけにとどまらないだろう」という。
ダーウィンは23年間かけて進化論を完成させたが、そのほとんどの時間を研究室にこもって費やした。現代社会に増えている引きこもりの人々は「この世界は自分にとって異常だ」と考えている。彼らを社会復帰させようとすることは、自宅にこもっているダーウィンを教会に連れて行き「人間は神がつくった」と信じ込ませようとしているのと同じだと言う。
著者は、引きこもりは楽をとらず自分の感覚を信じるという苦行を選んだ人たちであり、引きこもりをバッシングする人間の方が甘えていると言う。大きな群れの中で、思考停止という甘えた状態にいるからだ。みんなが世界中で買える飲み物を飲んだり、みんなが見るテレビ番組を見たり、ブランド物を買ったりするのは、自らの頭で考えようとしない思考停止の群れとなっている。最近増えてきた郊外型の巨大ショッピングモールに並ぶ、成功した有名店のフランチャイズを、著者は「大きな口を開けて魚の群れが飛び込んで着るのを待ち構えている定置網に見える」という。
本書の内容は、私には至極論理的で、極々自然な主張にしか思えない。歴史を振り返ってみると、幕末に西洋列強の脅威にさらされてから富国強兵・脱亜入欧、国家総動員の戦争を経て資本主義の競争社会へと至る中で、教育の平準化とともに国家や企業への意識が強められてきた。資本主義もグローバリゼーションも西洋の論理で進められてきたものだ。日本はそれに負けんがために同じ土俵に上ることを選び、国民はその枠組みに従うことを求められてきた。現代社会において大衆の論理が大手を振っているのは、いまだにその歴史の流れの中にあるからだろう。
国家や企業にとって便利な一員になる必要はない。みんなの行動に合わせる必要もない。自らの道を行こうとすれば、牽制され、叩かれる社会に生きているのは不幸だが、自分の思い通りに生きる方が楽しい。その方法は、テレビなど外からのリアルタイムな情報を入れないこと、過去・現在の様々な非属の人間たちの生き方にヒントがある。高城剛、荒俣宏、さかなクン...
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言いたいことはすごくわかります。
とがれというわけではなく、むやみやたらと同調すな、ただ協調は適度にしようと。
おそらく扱いに困る生徒だっただろうなとは思ったけど、変にいい子になるより、人と違うことしてもいいじゃんってタイプなのでしょう。
無難に生きた人間が歴史を変えることなどあり得ない。力強い言葉だ。
人の行く道を後追いしてて報われるだろうか?
多数決なんて『こうすればオイシイ思いができる』という立場の人達が『どうでもいい』と思っている人達をコントロールして決まる。
【現実に何をすべきか?】と直視できる人間が次に進める。
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非属の才能とは畢竟、群れの論理によってではなく、自分の心の声に従って動く、ということである。なので、非属の才能の持ち主を動かすのは指令ではない。彼を動かすのは理由である。しかも、「~から」という形だけの理由では理由にならない。例えば、「将来良い会社に入れるから、今は受験勉強を頑張りなさい」は理由ではない。そうではなく、「あなたは頭がいいから」だけで十分なのだ。理由は彼の心を動かしてこそ理由になる。
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世の中のほとんどの人は、各々が持つ才能が目に見えるカタチになるまで応援も評価もできない。
だから見えない段階ではどんな素晴らしい才能もどこにも属さないただの異端者として扱われてしまう。
でもどの時代の何かを成し遂げた人も有名人も、どの漫画や映画のヒーロー達もそうだった。
だからもし周りに理解者がいないのならば、勝手にそのヒーロー達を自分の身内だと思って、現実の理解者が現れるまで「心の師」としてしまえ。
この意見はすごく心が救われる人がいるのではないか。
Posted by ブクログ
安易に自分の感覚を殺して、違う意見に迎合しない様を、非属と表現する本書。
但し、非属は関わらないことではない。
本書の終盤、
「重なるところで共感し、重ならない部分で貢献する」
に、全てが集約されていると思う。
結局、筆者も、人を驚かせたいエンターテーなんだ。
Posted by ブクログ
良書で一気読み。
協調しても同調はしない。
古今東西の非属の先輩方の活躍を参考に、非属であることを受け入れ、自信に変えて、無二の存在として生きていこう。という呼びかけと受け止めました。
ひきこもりのところはすべて同意とはいかなかったけれど、おおむね共感。メモを取りたい箇所がたくさん見つかりました。
ライフスキルを学べた新書。
光文社さん、ありがとう。
Posted by ブクログ
引きこもるならとことんテレビやインターネットの情報を遮断するべきとは、その通りだ。知らず知らずのうちにインプットされた世間一般の情報は自分の芽を摘みかねない。
Posted by ブクログ
この本を読んで言っていることは確かにあるけど少し過激だ、と思ってしまった私もこの人生で様々な非属の才能を摘み取られ世論に影響されすぎてしまっているのだと思う。
今まで抱いていた違和感を言い当ててられたような気がして、読んでいて気持ちがスッキリした。
まだ私の中には学歴至上主義、高収入こそ正義、難しい仕事に就くことが正しい、という固定概念に植え付けられ踠いているけど大学生のうちにとっぱらって自分にまだ残っているかもしれない非属の才能に目を向けられるようになりたい。
心から、自分で良いと思ったものを自分から動けるようになりたい。
失敗するとすぐ自分は才能がないからやめてしまおう、と思ってしまうが才能ある人こそ努力を惜しまないことを常に心に留める。
普通ではない、普通の人のように生きるとすごくエネルギーを使い、普通に生きられない自分が凄く嫌いだったけどそんな自分を認めてくれたような気がする。普通なんて虚構は気にせずに、もっと自分の生きたいように生きる。
・ 人生を変えた出会いは大抵直感で決めたもの
・新しいことにチャレンジすれば、結果は必ず失敗
・自分の感覚で決めつつ、自分が常に正しいかどうかわからない自覚を持つ
・自分を認めて欲しければ、まず他人を認める
・非属でいることは自分の世界に出ないことではない
・あなたの話は相手を喜ばせるものか、自分だけを喜ばせるものか
・僕は人間の幸せとは「分かち合うこと」だと思う
Posted by ブクログ
『Bバージン』などで知られる漫画家山田玲司氏による「みんなと同じ」はもうやめようという本。
「みんなと同じ」は良いことではない。人と違うことを恐れずに、群に属さずに生きる。これを著者は「非属の才能」と呼び、そこに本当の才能があるとしている。
帯の「行列なんかに並びたくないあなた。おめでとうございます」に惹かれて買ってしまった。その昔、『Bバージン』は面白いと思わなかったが、この本には共感できた。
とはいえ、「非属の才能」という言葉以外に特に目新しい主張がなかったことも事実。なぜ日本では「非属の才能」を発揮することが難しいのか?もう一歩踏み込んであるともっと面白かったかも。
Posted by ブクログ
同調圧力が大嫌いなのでとても共感できた。
学校も親も社会も、群れに入れない人を「不適応」だと決めつけて、本人のためとか言いながら群れに押し込もうとする。もしくは発達障害とか言って、排除しようとする。確かになと思う。
不適応ではなく、非属の才能なのだと思うだけでどれだけ可能性が開かれるか。
どれだけ解放された人生を送れるか。
この本を読めば、「普通」や「常識」の呪縛から少しは逃れることができるかもしれない。
また、和をもって属さず、は今後人間関係を築く上で大切なスキルになる気がする。
同調するのでなく、共感できるところを探す。
群れは批判しつつも、人と繋がる姿勢は大切にしているところがとてもよいと思った。
Posted by ブクログ
本屋大賞の「中2男子に読ませたい!中2賞」を受賞した本とのことで、読んでみた。しかし、今の中2にこの内容を読み取れる子どもが何割いるのだろう?
つい先頃話題になった「AI vs 教科書が読めない子どもたち」にも通じるところがあるのではないだろうか?
独自性、発想力、言葉の奥を読む力、そういったモノがない人は仕事をAIに奪われてしまう。
逆にそういったコトはAIは今の所苦手だから、そこを磨け!ということなのだが、アクティブラーニングと言っても、読解力がなければ調べ学習もままならない。本書に書かれている示唆に富んだ文章も、「意味分かんねー」で終わってしまう。
今の学校教育は、掲げていることこそ時代に沿おうとしているのだろうが、それを実践する教師の育成、勉強の場がなさ過ぎだ。様々な問題が細分化されているのに、全て教師が対応しなければならないという、普通の企業では考えられない現状。
教育にお金を出さない国は先細りするだけだろう。しかし、今の政治家は自分達さえ甘い汁を吸えれば後の世代のことなど知ったこっちゃない…という感じなんでしょうよね。と、本書の感想から逸れて、愚痴になってしまった。2018.11.23
Posted by ブクログ
『友だち幻想』が注目された時に、合わせて紹介されていたのだと思う。
こちらのが先に読めたのだが、自分の中からは生まれない言葉や考え方が書かれていて、おもしろかった。
有名になった人たちのなかには、学校に行かなかったり、行っても一人で浮いていた人たちがたくさんいる。
だから、絶対に社会に入らなければいけない、ということはない。
これが救いになる人は一定数いると思う。
ただ、学校としては勧めにくい。
どうしても悩んでいる人には、いくつか教えを授けてあげたいけれど・・・。
Posted by ブクログ
共感できるところが多々あった。
群れるな!孤独にいけ!という本。
言いたいことをばーっと言われた感じはあるが、概ね自分が日頃思っていることに近かったように思う。
「親が本当にすべきことは子供に失敗させることだ」
子供に失敗させないようにする親がほとんどなのだから。
これは、今の年齢になるとそのとおりだなと思う。
(社会に出ると失敗だらけなのである)
Posted by ブクログ
山田玲司2冊目。なかなか面白い視点の漫画家。
フォトリーディング&高速リーディング。
下記に付箋を貼った箇所の要約をのせる:
43:自分の師匠を勝手に作る。坂本龍馬や手塚治虫など。
85:人生で自分が使えるエネルギーには限界がある。下らないことをしているのは浪費。下らない人、下らないテレビなどに時間を費やさない。
108:時代を動かすようなものははじめは少数派。体勢を追っていては時代に乗れない。時代を追うだけ。
115:ヴィレッジヴァンガード。面白い本や。
146:手塚治虫のヒット率は2割。報われない努力を嘆かない。
165:体勢にはまって自分の世界を閉じてしまった人々。結婚や就職で多くの人が閉じてしまう。
176:心理学者の河合隼雄は「引きこもりはさなぎ」といった。ひょっとしたら日本のリバイバルの原動力になるかも。引きこもりは日本だけの現象デアルし・・・(私見)。
220:人は自分を認めてくれる人を認めたがり、謙遜な人を褒める生き物。
Posted by ブクログ
そっち側の人間は少ない。そっち側の人間を支えているのは、実はそっち側じゃない人たち。そこに感謝しようと思う。
これを読むってだけでそっち側の人だねって本。
ただ群れをなすだけなら、その方が簡単だ。
Posted by ブクログ
協調のフリをした同調圧力、
三人寄れば場の空気‥
実在したヒーローを心の師とする、
親は、子供の“失敗”をどれだけ許せるか
人生の定置網、王道は大渋滞
人の話は聞かない
その反面、興味を持つ姿勢
ネットやテレビ、消費社会と距離をもつ
読書で作家と対話
文体はイマイチですが、率直な言葉が響きます。
余談ですが、みうらじゅん氏、
ゆるキャラ、マイブームの名付け親だそうです。
Posted by ブクログ
この本を読んで救われる人はいると思います。
自分は周りとは違うんだって、思いながら悶々と悩んだりする人には。
あと、社会に出る前の学生の方に読んでもらいたい。こういう考え方もあることを知っておくと、視点が広がっていいのではないかと思います。
私は自分って何なんだろうって思ってた時にこの本に出会って、元気づけられました。さすがに出来そうにはないというところもありましたが、生かせることはあると思いました。
協調はしても同調しない。
人間になりたいです。
Posted by ブクログ
自分ちの新書の棚に
読みかけで突っ込んで忘れてたやつ
半分読んだ印があったけど
微かにしか覚えてないので
もっかいはじめから全部読んでみた
ぜんぜん覚えてなかったけど
結構おもしろかった
属せない属性で
病んでる人は読んでもいいと思う
取り替え可能な1パーツの自分としては
わかってんだけど
パーツがいないと世の中回らんしな
って
がんばってない言い訳をする
わりと属せない属性だったけど
いつのまにか
折り合いつけられるようになって
大人になるって怖いしスゲェと
思ってた
でもいまだにトモダチはいない
属せてない!
属せてないのに
才能は開花してない!
もともとないのかも!
星は3つ
Posted by ブクログ
才能というのものは“どこにも属せない感覚”のなかにこそある
という著者の考えから生まれた非属の才能。
何かに属することの安心感と属さないことによる特別感のようなもの。
属せない感覚は怖くもあり、そこからはみ出している楽しさみたいなものもあるよう思う。
読んでいると、その属せなさみたいなものに、それでいいんだと思える。
途中のテレビとかケータイとかに関する話はちょっとついていけなくて、押し付け感があったけれど、そこを除けば、面白くてまた読んでみたいと思えた本だった。
Posted by ブクログ
非属の才能、という題名に惹かれた
例えがうまくて説明が腑に落ちる
価値を何に見出すかという話で、
「ティファニーで朝食を、で最後にオードリーが選んだのは、恋人と自分にとって最高に価値のあるオモチャの指輪だった」
Posted by ブクログ
極端な本だなというのが第一印象です。でもどこか頷ける本でもあります。
「非属」正負どちらにも振れる言葉ではあります。自分はどこかに属しているし、大体は何かに属しています。会社、学校、地域、家族、どれかには大体属していて、いずれかの利になる所を探して報酬ないし見返りを得て生きている人が殆どです。
しかし世の中を動かす才能を持った一部の人は「非属の人」であるというのがこの本の一番の骨子です。
確かに日本の誇りと言われるような人はたまたま日本人で有ったというだけで、殆どの人とは全く関係の無いルートで頂点に立っています。みんなで足並みを揃えて生きていく事を推奨される社会の中で、何故か尊敬されるのは個性が有り独立独歩の人が多いです。
でも誰もが頂点に立てるわけでは無いので、殆どの異能の人は生きづらさを抱えて過ごしていく事になるわけです。流行に全く興味無く、並んで物を食べるの嫌い、流行ものに興味が無く、ブランドものにも興味無し。話題の観光地には寄り付かず人が来ない古い商店街を徘徊している、まさに非属な僕ら夫婦には残念ながらジョブズのような才気は存在しないようであります。
この本でとても心に響いたのは「和して属さず」という言葉。それ!まさにそれ!人の事は否定せず認め、でも自分はそれに流されず独自の道を進む。それが一番です。
Posted by ブクログ
『キラークエスチョン』でかなり揺さぶられたので、
同じ著者さんの新書をもう一冊手に取ってみた。
このタイトルは「才能というものは、"どこにも属せ
ない感覚"の中にこそある」という著者の山田さんの
考えからきているもの。
「学校嫌いは才能のサイン」という章で指摘される
までもなく、確かに思い当たるふしはいくらでもあるし、
子供の未来は「親が子供の失敗をどれだけ許せるかで
決まる」という指摘はやっぱり鋭い。
多数派が導き出すのは「あのとき、ああしたからうまく
いった。だから今回もうまくいくに違いない」という成功
体験に支配された群れの論理にすぎないという指摘
は、組織に属した人間なら少なからず感じたことがある
と思う。
ただ、この本では話が進むにつれて、山田さんのボル
テージがどんどん上がっていって、最後には「引きこもり」
の大肯定大会の様相を呈してくる。
『キラークエスチョン』では、最後の最後にどかんと
大きな衝撃がやって来たから、揺さぶられて印象も
強く残ったけれど、一冊の中でこれだけハイテンションで
引っ張られると、こちらとしても少しキツくなってくる。
「群れる人ほど孤独になりやすい」など、説得力のある
指摘がいくつもあっただけに、もう少し感情を抑えて
もらってもよかったと思う。
考えてみると、この『非属の才能』は、『キラークエス
チョン』より前に書かれた一冊。ということは、著者の
山田さんがこの本を書いた後に進化して、名著『キラー
クエスチョン』を生みだしたということなのかもしれない。
Posted by ブクログ
前評判の割にいまいちだった.
個性の大切さ(?)みたいなことは分かるのだが,どうも「遠吠え」と言うか「言い訳」に聞こえてしまう.
才能が開花するかどうか確率論的なところもあるだろうし,画一的には語れないだろう.
ちょっと期待が大きすぎたからかな.
Posted by ブクログ
人と違っているのは素晴らしいこと、大いに結構だと思います。実際、作者もそれを苦に悩んでいる人を対象に、って書いてる訳だし、これを読んで助けられる人もきっといると思うし。人との付き合い方とか、新しいジャンルへの向き合い方とか、読んでて身につまされる思いがした部分も多々ありました。ただ、断定口調の多さがかなり気になってしまったのと、こういうタイプの書物において、作者側からゴシック体にされるの、イマイチ好きじゃないっす。教科書ならまだ分かるんだけど。そんな感じ。
Posted by ブクログ
マンガ家の山田玲司氏が書く、「みんなと同じじゃなくても、いいじゃないか」というテーマの本。
山田玲司氏のマンガは、あまり絵は上手くないし、話しも割りとベタなことが多い。でも、確かに、自分の頭で考えて、自分の意思で描いているという感覚が伝わってくる。
彼のマンガは、思想がメインで、そこに絵が付いたような作品で、だから、ストーリーや文章自体が面白く、そして、マンガの巻末に書かれたあと書きの文章は、マンガそのものよりも面白いことが多い。
この本も、語られていることはベタなことなのだけれど、とても共感出来る話しばかりだ。確実に、今悩んでいる子供たちの何割かを救い得る内容だと思う。
教室という閉じた世界に一日中、何年もの間いなければならない子供たちは、その異常な空間にいかに存在すべきかという「ポジショニング」が最重要課題になってしまっている。(p.22)
村上春樹氏は夜明けに執筆するらしい。まだ暗いうちにコーヒーとサンドイッチなどの食事をすませ、ゆっくりと明るくなっていく時間帯に彼は物語世界のなかを旋回しているというわけだ。そして、昼には仕事を終え、スポーツをしたりジャズを楽しんだりするという。僕は、彼のライフスタイルに非属の才能を感じずにいられない。(p.94)
本当にテレビとネットとケータイなしで、消費社会から距離を置いて引きこもることができれば、かなりの希望があるだろう。そうやって、嫌でも自分と向き合わざるを得ない状況を作れば、いずれ、俗世で感じていた違和感の正体や「自分のすべきこと」が少しずつ見えてくる。(p.192)
才能のためには時間が必要だ
この本を手に取ってみたいと思う人に伝えたい。
「自分が面白いと思うことは自分の思うままとことんやろう」
この言葉に少しでも共感するような人はこの本を読まなくていい。時間っていうのは大事だ。