【感想・ネタバレ】火山入門 日本誕生から破局噴火までのレビュー

あらすじ

日本人なら知っておきたい!

日本人は古来、火山の恩恵を享受するとともに、度重なる災害に脅かされてきた。列島誕生、地形形成、気候変動とのかかわりから、東日本大震災をはるかに超える被害をもたらす超巨大噴火の可能性まで。110もの活火山が存在する“火山列島・日本”に暮らすうえで知っておきたい「足もと」の驚異を、碩学が丁寧かつわかりやすく解説する。

[内容]
第1章 こうして火山が日本を作ってきた
第2章 日本を脅かしてきた噴火と火山災害
第3章 どんな大噴火がこれから日本を襲うのか
第4章 危ない火山は意外に近くにある
第5章 火山とともに生きていく

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「日本の火山は大噴火を各世紀に4~6回繰り返してきているのに、この100年ほどは『異常に』静か」だと、本書の前書きは述べている。
そして現代の私たちは、「異常に静か」なこの100年のほうが当たり前な状態だと思い込んでしまっている。
だが、本書をよく読むと、この100年でも、記憶に新しい御岳山や雲仙のほかにも、人的被害をもたらした火山の噴火があったことがわかる(主に第2章で挙げられている、伊豆諸島や十勝岳、また火山ガスの事例)。そしてそれらについて、地元の方々は別として、一般的には教わってないし、火山の噴火のニュースなどでも振り返って述べられることは少ないように思う。
日本はもっと火山を含めた「地学」の勉強に力を入れるべきではないか。学者だけでなく、また火山付近の住民の方々だけでなく、一般人にとっても必須科目にすべきだと思う。日本に住んでいる以上、火山の噴火や地震からは逃れることはできず、1時間後には自然災害に遭っているかもしれない、むしろそれが当たり前のことなのだという自覚と覚悟を持つべきなのだと思う。
以前読んだ「人が死なない防災」にも書いてあったが、自然災害で何かしらの被害があると、マスコミはすぐ行政の責任を騒ぎ立てるが(むろん行政が何もしなくてもいいわけではないが)、行政の対策を期待しすぎるあまり、私たち一般人は、自分がすべきことを考えなくなってしまっていないか。さらには、自然災害が起こることそれ自体が、行政の無策のように責め立てることすら見られる。私たちは自然をコントロールすることはできないという原点に立ち返る必要があると思う。私は関東の人間なので、富士山、箱根、浅間山が噴火した時にはどう行動すべきなのか、いま一度考えておきたいと思った。

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2015年10月21日

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