【感想・ネタバレ】霊応ゲームのレビュー

あらすじ

1954年、イギリスの名門パブリック・スクールで学ぶ14歳の気弱な少年ジョナサンは、同級生ばかりか教師にまでいじめられ、つらい日々を送っていた。しかしある時から、クラスで一目置かれる一匹狼のリチャードと仲良くなる。二人が親密になるにつれ、ジョナサンをいじめる悪童グループの仲間が一人、また一人と不可解な事件や事故に巻き込まれていく……彼らにいったい何が? 少年たちの歪んだ心を巧みに描いた幻の傑作。「復刊ドットコム」で絶大な支持を得た傑作サスペンス、待望の文庫化!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ジョナサンとリチャードの美しく怪しい関係性に心奪われ青春を感じるが、気がつけば1人また1人と心が壊されていく。独占欲の恐ろしさを巧みに描き、誰一人として幸せになれない結末は見事。

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2025年06月17日

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とても分厚いけれど、先が気になって分厚さは気にならないくらい面白かった。 ただ自分はカタカナの登場人物名がスッと入ってこなくて、誰だっけ..となりながら読んでました笑

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2025年01月15日

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再読だったけど、やっぱりこれはわたしにとって傑作だったな。
心優しいけれど気弱で、自分が虐げられる側であることを受け入れているジョナサン。眉目秀麗で誰とも馴れ合わない、けれども圧倒的なカリスマ性を持つ孤高の青年リチャード。全寮制の男子校という狭い世界でふたりが通じ合ってしまったその瞬間から一気に歯車が狂い始める恐ろしさ!すべてが木っ端微塵になるまで、もう誰にも止められない。
ずば抜けて切れる頭でなんでも思い通りにできてしまうリチャードの冷酷で残忍な容赦のなさが、どうしてかほんとうに魅力的に見えてしまう。読んでいるあいだ、リチャードの敵はわたしの敵だった。あんなに恐ろしい男の子だったのに、リチャードの思い通りになるとわたしも嬉しかった。
青年たちがめちゃくちゃに壊れていく様子がほんとうにすさまじくて、すばらしかった。とてもとてもよかった。

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2024年09月19日

Posted by ブクログ

良すぎだろ
ああ良すぎだろ
良すぎだろ
オタク心の俳句
ディオジョナっぽいと話題だったらしい一冊。確かにリチャードの異常な執着はもう、自分としては悪役(と言ってもいいのかな?)に求めるものの理想である。

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2022年06月07日

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・面白かった所
リチャードのジョナサンに対する執着
物語中盤からの歯車が狂い始めるところ
付箋回収
最後のモヤモヤもいろいろ考察のしがいがあって好きです

・こういう人にオススメ
当時「ジョジョの奇妙な冒険第1部のディオとジョナサンみたい」と騒がれていたのでこのお2人が好きな方はハマると思います
ンデレ・依存・双子・英国のパブリックスクール、この辺りが好きな方にもオススメです

何度も読み返したくなる作品です(*^^*)

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2020年07月20日

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ネタバレ

「きみに手出しするやつはだれだって、このぼくが殺してやるからな」

一日一度声に出して読みたい帯文。
もう冒頭から引き込まれまくり。
何より、登場人物の背景がそれぞれ詳述されていて、誰も彼も一筋縄ではいかない。
大人だろうと子供だろうと、容赦なく襲う理不尽と虚無、そして孤独。

そんなそれぞれの心のほころびに、リチャードとジョナサンの結びつきが入り込んでしまった。何たる悲劇。

リチャードがもっと魅力のない少年だったらよかったんだよね!!そうしたらきっと、ジョナサンもジェームズもここまで彼に入れ込まなかったと思うんだ(腐目線の感想)。

もう、リチャードがジョナサンにロックオンしてからの恐ろしさ。
リチャードは愛することと憎むことが一体となりすぎちゃったのかな。
愛されたい、憎みたい、甘えたい、壊したい、それらの異常な執着が相手を「庇護」するという形になってしまったのか……
ジョナサンをずっとずっと守りたいと、それだけは思っていたのではないか……
二人でこの世界を滅ぼして、楽園に行こうくらいは本気で思っていた気がする。

「力」は、召喚した少年たちが幼いがゆえに、さらに残酷になった。

それにしても残った少年たちのその後の人生を考えても、起こったことがあまりに悲惨過ぎ。
いや、圧巻の長編でした。

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2019年03月23日

購入済み

解説がありません!

最高でした。これぞ求めていたものです。2人の結末も私はこれも一つの解だと思いました。

さて、注意として電子書籍には愛溢れる解説部が入っていません。本編だけ読めればいいという方には関係ない部分ですがなかなかおもしろい解説なので読みたい方は文庫版を買うことをおすすめします

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2018年11月09日

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次から次へと訪れる不幸の嵐に目を背けたくなりながらも、続きが気になりどんどん読み進めてしまった作品でした。
リチャードたちが霊応盤を使うことでたくさんの不幸が訪れますが、一から不幸が作られたのではなく、元々あった人間関係の綻びや昔からの癖などが原因で不幸が起こっていくところが本作の魅力だと思います。

頭の回転が良く、誰も恐れない孤高の美少年という存在は、やはり魅力的です。私もジョナサンの立場だったらリチャードに惹かれてしまっただろうなぁと思います。
ただこの2人には、全寮制男子校が舞台の作品にありがちな、性的結びつきや恋愛関係は一切なく、新鮮でした。

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2016年10月30日

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ネタバレ

出会ってはいけない二人だった。
寄り添ってはいけない魂だった。

気弱で自信のないジョナサンと一匹狼でいつでも毅然としているリチャードが仲良くなっていじめっこを“めっ”する(滅する)感じのお話でした。
生徒からのいじめも読んでてつらかったが、先生のジョナサンへの当たりの強さも相当ひどい。だから、ざまあみろって思った。
まぁ、最後はジョナサンもリチャードも死ぬわけなのだが……きっとこれで良かったのだと思う、思いたい。片方だけ生き残っても苦しみしか残らない。
でも、二人とも良いキャラだったから霊応盤さえ無ければ違う関係を築けたのかなと思ったりもしたけど、どうなったにせよ破滅へ繋がりそう。
リチャードのようになりたいジョナサンと、ジョナサンを庇護したいリチャード、歪んだ共依存だ。
ジョナサンに関しては、誰とも親しくしないリチャードが自分にだけは微笑んで言葉をかけてくれることに優越感を持っていただろうな。

脳内お花畑人間なので、次の人生でもまた友人関係になって、今度はしわくちゃのお爺ちゃんになるまで寄り添っていてもらいたい。

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2016年10月05日

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ネタバレ

久し振りのたのしい読書
寄宿学校というだけで好物(笑)

友情と同性愛といじめと霊的なものがテーマかな
あとアイドリング憎しみ?

すこ楽しかったので
またあとで感想たします

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2016年06月02日

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かなり長いが、絶対に面白い!と思い購入。
読んでみると長さなんて気にならない。寝るのも食べるのも惜しんで一気に読んでしまった。
それくらい面白い。読むのを止められなくさせるような、読者を惹きつけるものがある。

前半のリチャードとジョナサンが友達になっていく過程は安心して楽しんで読めるのに対して後半は漂う狂気、悲劇の予感。これしかなかった。笑
だから読むのを止められなくなるのだけど。
何とか幸福な結末をと願っていたがやはり…といった感じ。
パブリックスクールという閉鎖された空間。少年というまさに自己形成期も相まってと言うのは簡単かもしれない。
それよりも感じられるのは人間の狂気である。「ずっと悪人」はいない。しかし誰だって狂気に駆られる。

それにしても、ああどうしてこうなったんだ……!

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2015年10月02日

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「英国のパブリック・スクール×史上最凶のヤンデレ」というネットの情報に、これは読まねばと手に取ったけれど、もうもう本当にやばかった…(ボキャ貧)。
600頁超があっという間。
読後の余韻がすごい。肌が粟立つ。
大矢博子さんの解説がこれまた素敵で。
散らかった自分の脳内をすっきりさせながら、高まるフレーズで反芻させてくださる…。

それにしても、ニコラスを想うと、途方に暮れてしまう。

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2015年09月13日

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おススメしてもらった本で、予備知識で読みました。
とても怖いと同時に風景の美しさが感じ取れる物語でした。
主人公二人が理解しあったシーンは本当にきれいで音まで聞こえてくるようでした。

英国パブリックスクール+ホラー。でもそれだけでは済まされない
感情で感情を殴るような激しさや学園ものならではの人間関係のもつれ、最後には大きな謎が残ります。

読みながら登場人物たちと同じ時間を過ごし、最後はぶん殴られ静かに幕が下りる、そんな体験をした気分です。

ストーリーテラーがあのキャラクターだったのか!という気づきがあって大変読みごたえがありました。

あれ説明してくれ!という部分があるので☆4かなぁ。

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2023年12月27日

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ネタバレ

友人におすすめ頂いた作品。

読み応えもあり面白かった。
一番初めに思ったのは『気弱』の認識の違い。このぐらいなら普通では…?と思ってしまった。

二人が知り合って親密度が上がるにつれ激しさを増すリチャードと困惑しながらも離れられないジョナサンの描写もさることながら、周りの人物の物語もおもしろい。

それぞれの人物が抱えている問題、ずるさ、葛藤、性格…。それぞれで起こる不幸の発動は二人が発端のようだが、その原因はそれぞれの人物にあるという収まりが良い。

オチまで何とか現実的な原因ではないかと推測していたが結局ソッチかーいっ!となった。むしろ好きな部類なのだが、現実的な原因が欲しかったと思ってしまった。

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2023年01月21日

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☆4.3

これはもうとにかく"念"が籠もりまくった作品だった。

名門パブリック・スクールで立場としては"弱い者"として日々を苦しく生きぬいているジョナサンと、カリスマ性あふれる"強い者"として自らの世界だけで生きるリチャードが出会ってしまったことがすべての始まり。
その関わりを持つことになったきっかけが、あのリチャードからの小さな親切だったという時点で、この先の悲劇から逃げることなど無理だっただろう。
ジョナサンの強い者への憧れがリチャードと噛み合っている間は、とても幸福な時間として感じられただろうに。

次第にリチャードの執着が増し独占欲を向けられ、それが支配とも呼べるものに変わってしまうと、リチャードはヤンデレというよりもはやヤンしかない。マジこわ。
そこに霊応ゲームの存在が背後にピタリとはりついて、囲われた狭く歪んだ箱庭に彼らを縛りつける。
こんなはずじゃなかったなんて言葉はもうなんの意味も持たないのだ。

彼らはたかが14歳。苦悩も煩いも世界の終わりのように感じたはず。
そのなかでやっと見つけた光が、光のままにあれたら良かったのに。

とにかく読み応え抜群で、歪んだ心と捩れる人間関係が濃密な、読んだらもう戻れないこと請け合いです。

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2023年02月13日

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どこでこの本のこと知ったんだろう、、?忘れた

絶版していたのが再販されたとか

登場人物描写がメリハリがあって読みやすかった。

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2022年01月31日

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トーマの心臓が好きなひとにおすすめ。耽美な美少年たちの寄宿学校生活だ!わりとハードだけど!
少年の繊細に震える感情、嫉妬、恋に似た激しい執着心、優越感と劣等感が見られます(ただしホラー)

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2019年05月08日

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ネタバレ

面白かった。でもモヤモヤする。読んだ後の後味は良くない。そこも含めて面白いんだけど…

題名の霊応ゲームは、この物語において重要な鍵になっているはずなんだけど、それについての深い言及がなかった。日本語に訳す前はThe wishing gameで、読んだ後はそっちのほうがしっくりくる。

主役がだれか分からなくなるぐらい、登場人物全員が濃いキャラクターやバックグラウンドを持っていた。みんな、心に秘密や後ろめたい気持ちを隠していて、それを暴かれるのを恐れている。最後のあたり読んでてあれっこれってニコラスが主人公?ってなった。

最後にジョナサンが願ったことって何だろう。
私は2人の友情が偽りや勘違いじゃないって信じたい。

私個人的にはリチャードとジョナサンがうまくいって欲しかったよ。実はこの話はニコラスの妄想って言うオチを期待したよ。リチャードやばいやつなのに、スーパーヤンデレマザコンサイコパスなのに、、、

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2019年05月03日

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ネタバレ

めっちゃ良かった。
買ってよかった。

あの終わりもただのバッドエンドではなく、メリーバッドエンドというやつなのかなぁ。と解釈。

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2018年10月27日

Posted by ブクログ

イギリスの全寮制の男子校を舞台としたホラー。閉塞的な生活の中での鬱屈、不満、いじめ、その中で育まれる友情…この思春期の同性同士の限りなく恋愛感情に近い憧れとか嫉妬は、確かにあると思う。
前半はいじめられっ子のジョナサンに孤高の美少年リチャードが手を差し伸べ、2人の仲が急接近していく。今まで自分がジョナサンの一番の親友だったのに…とやきもきするニコラスの気持ち、すごくわかる。ニコラスは最後の最後まで良い奴だった。リチャードがいじめっ子や意地悪な先生に一泡吹かせるシーンは胸のすく思いでした。しかし、後半になるにつれどんどん雲行きが怪しくなって行き、終盤破滅に向かって突き進んでいくリチャードが痛々しく、つらかった。どうにか救われてほしいと願ったけど、結局周りの大人たち含む全員が不幸になってしまった。これも、霊応ゲームで呼び寄せてしまった「何か」の呪いだったのだろうか。
なんとも悲しい物語だったけど、面白かった。

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2018年03月29日

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まったく萩尾望都の世界。これだけ人気があるのは翻訳が秀逸だからか。印象深い萌えセリフが盛りだくさん。楽しめました。

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2015年12月12日

Posted by ブクログ

後半は続きが気になって一気に読み進めてしまった。
なかなか面白かったし、
思春期特有の感情の起伏の激しさが尊く、そして恐ろしい。
登場人物それぞれ闇が深いなあ…

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2015年11月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

映画でも見てみたいと思える作品だった。
死んだ者も、辛うじて生きながらえた者も誰一人として幸せにならないバッドエンド。
唯一、ハワード校長と妻エリザベスだけはマシとも言える。

バッドエンドなのにそこまで気持ちが落ち込まなかった。何故なのだろうか。
本書はもちろん物語が進むにつれて破滅へとじりじり読者を誘う。
おそらく、悲しさよりも物語自体の展開の面白さが勝っていたのかもしれない。
600Pを超える久しぶりの長編にも関わらず、中だるみせずに読み終えることができたのは作者の凄さだなと。
書評の大矢さんも書かれていたが、
ジョナサンが教科書を忘れてさえいなければ...。
そもそも二人は交わることが無かったのである。
運命の悪戯とは、こういう小さなきっかけで大事件へと繋がるのである。
リチャードは一見悪の権化のように見えるが、彼のような子は現代に幾らでも存在している。
そして、ジョナサンも同様である。
本書に登場するキャラクター達は全員、傷や罪を負いながらも生きている人たちである。
これは私たち現代にも通ずるところである。
表面的に接している分には見えないが、壁の1枚をぺらりと捲るとそこにはそれぞれの地獄を抱えていたりする。

どこにでもいる少年たちの危うさを極限まで書き切った素晴らしい作品に会えて良かった。

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2025年09月17日

Posted by ブクログ

俗にいうサイコパスを題材にしたミステリ。貴志祐介の「悪の教典」を思い出す。平穏な学校生活。些細な出来事が、様々な悲劇が起こす呼び水になる。イギリスのパブリックスクールの雰囲気を味わうには世界が限定的で甘くない。殺伐としているかも。

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2023年12月21日

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1950年代に英国の全寮制パブリック・スクール、
カークストン・アベイ学園を見舞った奇怪な事件について、
真相を知ると称する者との面会が叶ったティム・ウェバー。
長時間のインタビューを録音し、記事にして、
ジャーナリストとして脚光を浴びたいと願うティムだったが……。

――ということで、
枠内の物語=来訪者が語ったこと=が、
三人称のあっちこっち移動しまくる視点で綴られた長編で、
非常に読みにくかった。
中身は20世紀半ばの厳格な規則に縛られた寄宿舎で起きた
悪質ないじめに端を発した、いくつかの異様な出来事について。
純真な被害者と、彼を庇う立場のクールな美少年が
報復のためにウィジャ盤を持ち出す話で、
タイトル The Wishing Game は、
この西洋版こっくりさんに由来。
それ自体は読みごたえがあるものの、
超常現象と思われた事柄に
後から科学的な説明が付されて解決するミステリかと思いきや、
オカルトのまま終わってしまったので拍子抜け。
また、繰り返しになるが、
短いスパンで視点がコロコロ切り替わるので読みづらいし、
セリフの末尾にも「!!」や「?!」が多くて、
全然耽美的な雰囲気ではなかったため、
期待を裏切られた気分。
14~15歳の男子って、あんなに子供コドモしてましたっけ?

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2021年03月04日

Posted by ブクログ

前半は「トーマの心臓」で後半「オーメン」だった様な気がする。著者が男性で、訳者も男性なのでこんな感じになるのだろうか?女性だともうちょっと繊細な感じになったのかも。これだけの分量の本なので、もう少し比重を少年たちの心の方に割いてほしかった。例えば、最後主人公たちが何を語り、どんなふうに死んだのかをもっと詳細に。でも、あれか、そこはオカルトだから詳しく書けなかったか。どちらも中途半端になってしまったかな。

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2017年09月05日

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ネタバレ

フォロワーさんが買われていたのを見て、自分もと購入。
(この小説の登場人物、しょっちゅう会話の最中で怒鳴るよね)

「誰しも、脛に傷があるよね」という前提が、悲劇のドミノ倒しを生んだ感がある。
アラン先生の件は、今ではそんなに非難されることではなかったよなー……と思った。

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2017年02月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

なんか…思ってたよりあっさり終わった感じ。

リチャードが何かしらの異能を使っていたかどうかは定かではないけれど、子供の器に有り余る憎悪と、それにあてられた心優しく弱いジョナサンという心許してもいい(かもしれない)相手、多感な年頃故に言葉に・形にすることで信じてしまう力が相まって、本当は偶然で済むことを、大人達の秘密を巻き込んでの大事になった、という感じかなぁ。
大人たちはまぁ自業自得なんだけど、死んだ少年たちはリチャードの、ジョナサンへ対する力の誇示であっただけのような気がして、美しく賢い少年というのは残虐性を持ち得て絵になるというか、ん~…。
「霊応ゲーム」という子供特有のお遊びを題材にした、一人の孤独で頭のいい子供の大量殺人、という流れでもいいんだけど。

もし、本当に、ジョナサンとリチャードがたかがゲーム、されど信じる力で「何か」を生み出し、または呼び出し、その力をもって嗜虐の限りを尽くしていたとしたら。など、リチャードの不可解な死に様に納得いく説明がなかったので。もしかしたら契約違反をしたのかなーとちょっと思いました。
例えば、力を貸す代わりに、ジョナサンには「ゲームのことを口外せぬこと」、リチャードには「ジョナサンを手放さぬこと」…ニコラスにはなんだろうな、彼は契約を破っていないのかも。
彼らだけに見えた、仮に悪魔と呼ぶとして、それはリチャードの母親の形をしていたのかもしれないし、ジョナサンにはリチャードの憎悪の象徴に見えていたかもしれないし。恐れや信仰故の正常でない人間心理のデパートのような一冊でした。

全くの余談ですが、片仮名の名前が全く覚えられないので、なんとなく肩書きみたいなものと紐づけして覚えつつ読み進めるのですが、リチャードは王様の名前(イングランド王?)、ジョナサンはカモメの子だなーと思ってたら、かもめのジョナサンの作者てリチャードさんて言うんですね。へー。勉強になった。読む前に知っておきたかった…

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2016年02月13日

Posted by ブクログ

繊細で儚く、揺らぎやすい、不安定で脆く、だからこそ鋭く攻撃的
そういう少年の姿は非常に心に迫るものがあった
最後、なんだと〜〜!こわ!ってなった

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2016年01月30日

Posted by ブクログ

120ページほど読み進めて思ったのは、「この本は疲弊する」だった。
誰しもが持っている、あなたとわたし、「二人」という関係。歪み、淀んだそれらは澱のようにパブリック・スクールという閉じた世界に降り積み、やがて臨界点を超える。
結局のところ、「二人」という関係など存在しなかった、それはあくまでも「孤独たち」でしかなかったのだと突き付け、物語は終わる。
読み終えて数時間経つけれど、疲労感が消えない。

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2015年08月17日

Posted by ブクログ

な…なんだこれ。
某所で話題だったので、にやにやできるかな、と期待して読んでみましたが……こ、これは予想外だ…!
いや、前半のほうはまあ、良いんですよ。閉鎖的な環境、悩みと不安、あからさまなまでに素直で純粋な少年たち、いじめ、友情。ちょっと物足りないような気もしつつ、(いじめっこにはもうちょっと頑張れよ、と思ってしまった)ここからどう展開するか…いや、どこまでいくのか、とハラハラワクワクしながらページを進めていくと……まさかのミステリ展開!確かにプロローグで提示された謎は気になってはいたけれど…!と読んでいったらあろうことかの怪奇ホラー展開!ええーっ!死体多すぎーっ!なんじゃこれーっ!あーそういえば確かにこういうタイトルだったわ!…とまあ、予想していたのとは違う方向に楽しんでしまいました。
しかしもちろん当初期待していたにやにや分も摂取できたので、とりあえず私は満足です。
あと解説がものすごくぶっちゃけていて笑った。「孤高の不良美少年と、真面目で心優しい少年。鉄板である。」「ヤンデレ」……うん、私もそう思いました。おすすめ作品があまりにもわかりやすいラインナップで、思わず無言で頷きました。

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2015年10月18日

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