あらすじ
1954年、イギリスの名門パブリック・スクールで学ぶ14歳の気弱な少年ジョナサンは、同級生ばかりか教師にまでいじめられ、つらい日々を送っていた。しかしある時から、クラスで一目置かれる一匹狼のリチャードと仲良くなる。二人が親密になるにつれ、ジョナサンをいじめる悪童グループの仲間が一人、また一人と不可解な事件や事故に巻き込まれていく……彼らにいったい何が? 少年たちの歪んだ心を巧みに描いた幻の傑作。「復刊ドットコム」で絶大な支持を得た傑作サスペンス、待望の文庫化!
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Posted by ブクログ
大人になれば全てが良くなる。という言葉を信じられる子供なんているわけない。目の前の息苦しい思春期だけが人生の全てで、他に選択肢なんて無く、あらゆる感情がインフレし、恐ろしい事件がたくさん起こるのだが、刹那性と必死さ、純粋さが、サイコホラーやミステリーというより青春小説っぽい美しさがある。
やっぱりリチャードがとても魅力的なキャラクターだった。孤高だが一度気を許すと独占欲が強く、支配的、残酷、カリスマに溢れ、邪魔をするやつは自ら手を下すことなく破滅させる。しかし根底にはお母さんに置いて行かれたことが受け入れられない小さな子供のままの、依存先を求める消化不良の幼さが潜んでいる。ヤンデレの極地。ギャップ萌え。いわゆる「私にだけ優しい殺人鬼」。
リチャードとジョナサンはBLジャンルの「アルファとオメガ」みたいな関係。最近はアルファの凶悪な本能を、生涯付き合っていく病気のようにコントロールしなければならない、と奮闘する作品もあって、リチャードも、時代や状況が違えばなんらかのパーソナリティ障害と診断され、ケアできたのかも。
それで言うとジョナサンも大概、オメガ的な気性というか、リチャードはたしかに悪魔的だがジョナサンだって、リチャードを絆したり周囲の人たちに放っておかせないような魔性がある。優しくて自信がない男の子が、無防備な憧れや好意を向けてくれたらめちゃくちゃ庇護欲が湧く。タイミング的にも、慕っていた上級生が亡くなり、父親が去っていくことに怯え、安心して身を委ねられる相手を求めている。支配対象を求めるリチャードと悪い意味でベストマッチングしてしまう。
支配×受容、父親×母親という関係で、お互いの弱い部分をさらけ出して、パズルのピースがぴったりはまるように寄り添いあってる姿はとてもかわいい。あの瞬間が永遠に続けば良かったのに…。
リチャードは二人の仲を引き裂くやつらをジリジリと追い詰め、やがて終盤、怒涛の勢いで人が死ぬ。とても凄惨なのだが本当に1ページごとにバンバン死ぬので、駆け付けた警察が「なんだこの学校!?」ってびっくりするのが一周回ってシュール。
ニコラスは心霊的な事件だと証言したが、真実はリチャードが弱みにつけ込んで精神的に操って追い詰めてたってことだよね? 悲劇が重なったタイミングはたしかに見えざるものの力を感じるけど…。リチャードの死因は自殺? ジョナサンを殺してしまったショックで? ジョナサンが今際の際に責めたことが図星で、自家撞着してしまったから? 自分の中の狂気に抵抗しようとした? 彼の死はジョナサンの意図したことだった? それともリチャードの死だけは本当に超常的な力で? それともこれまでの全部の死が?
霊応ゲームとは何だったのか? 大人でさえ自分の中の後悔や疑心、軽率さで身を滅ぼしてしまうのだから、繊細な年頃の子供たちなら尚更、超常的な何かを信じることでそれに後押しされ、狂気的な衝動がコントロールできなくなってしまったのだろうか、と考えている。日本でも、コックリさんで集団ヒステリーという事件を聞いたことがあるし、海外ではまさしくウィジャボードで同じように集団パニックになったという話もある。若い子供たちが集団で何かを信じるふりをすると、彼らの中では簡単に真実になってしまうのかも。リチャードは普通の人には備わっている、暴力や悪意のブレーキが無かったから、世界中の何もかも憎んでいた途方もない憎悪が自分自身に向けられ、信じられないような自殺の仕方ができたのかも。
大人もたくさん死ぬのだが、自業自得というと過激だが、事件が起こる前から不安定で、リチャードが引き金を引かずともいずれは心を蝕まれていただろうなという経緯がある。一方で子どもたちの死はどれもとても痛ましい。残忍ないじめっ子のジェームズでさえ。ジェームズをただの嫌な奴として終わらせず、家族との関係や、取り巻きたちとの彼らなりの友情、彼らがいなくなった時の孤独と不安、絵の才能など、年相応の描写されるのが意地悪い。
リチャードほど過激な人はまさかいないだろうが、友達を奪われる嫉妬や焦り、永遠を信じていた友情の裏切り、学校という狭い社会でのシビアなカースト、自我の肥大、憧れの人への同化欲求、作中の少年たちが苦しめられるさまざまな問題はたぶん多くの人に覚えがある。あんなに酷いことがたくさん起こったのに、誰しもが経験する青春のままならなさが、恐ろしさよりも同情を煽る。もうちょっとだけでも良い方向にどうにかならなかったかな…という悲しい読後感。みんな、リチャードも、まだ子どもだったのに…。
Posted by ブクログ
約10年前に読んだ強烈な読書体験を思い出して再読。
リチャードの歪んだ愛と執着心と憎悪にゾクゾクするほど惹きつけられる。
これでもかというくらいに負の連鎖が続いて読後感は悪いのに夢中になってしまった。
パブリックスクールという単語に惹かれる方はぜひ読んでほしい。
Posted by ブクログ
ジョナサンとリチャードの美しく怪しい関係性に心奪われ青春を感じるが、気がつけば1人また1人と心が壊されていく。独占欲の恐ろしさを巧みに描き、誰一人として幸せになれない結末は見事。
Posted by ブクログ
とても分厚いけれど、先が気になって分厚さは気にならないくらい面白かった。 ただ自分はカタカナの登場人物名がスッと入ってこなくて、誰だっけ..となりながら読んでました笑
Posted by ブクログ
再読だったけど、やっぱりこれはわたしにとって傑作だったな。
心優しいけれど気弱で、自分が虐げられる側であることを受け入れているジョナサン。眉目秀麗で誰とも馴れ合わない、けれども圧倒的なカリスマ性を持つ孤高の青年リチャード。全寮制の男子校という狭い世界でふたりが通じ合ってしまったその瞬間から一気に歯車が狂い始める恐ろしさ!すべてが木っ端微塵になるまで、もう誰にも止められない。
ずば抜けて切れる頭でなんでも思い通りにできてしまうリチャードの冷酷で残忍な容赦のなさが、どうしてかほんとうに魅力的に見えてしまう。読んでいるあいだ、リチャードの敵はわたしの敵だった。あんなに恐ろしい男の子だったのに、リチャードの思い通りになるとわたしも嬉しかった。
青年たちがめちゃくちゃに壊れていく様子がほんとうにすさまじくて、すばらしかった。とてもとてもよかった。
Posted by ブクログ
良すぎだろ
ああ良すぎだろ
良すぎだろ
オタク心の俳句
ディオジョナっぽいと話題だったらしい一冊。確かにリチャードの異常な執着はもう、自分としては悪役(と言ってもいいのかな?)に求めるものの理想である。
Posted by ブクログ
・面白かった所
リチャードのジョナサンに対する執着
物語中盤からの歯車が狂い始めるところ
付箋回収
最後のモヤモヤもいろいろ考察のしがいがあって好きです
・こういう人にオススメ
当時「ジョジョの奇妙な冒険第1部のディオとジョナサンみたい」と騒がれていたのでこのお2人が好きな方はハマると思います
ヤンデレ・依存・双子・英国のパブリックスクール、この辺りが好きな方にもオススメです
何度も読み返したくなる作品です(*^^*)
Posted by ブクログ
「きみに手出しするやつはだれだって、このぼくが殺してやるからな」
一日一度声に出して読みたい帯文。
もう冒頭から引き込まれまくり。
何より、登場人物の背景がそれぞれ詳述されていて、誰も彼も一筋縄ではいかない。
大人だろうと子供だろうと、容赦なく襲う理不尽と虚無、そして孤独。
そんなそれぞれの心のほころびに、リチャードとジョナサンの結びつきが入り込んでしまった。何たる悲劇。
リチャードがもっと魅力のない少年だったらよかったんだよね!!そうしたらきっと、ジョナサンもジェームズもここまで彼に入れ込まなかったと思うんだ(腐目線の感想)。
もう、リチャードがジョナサンにロックオンしてからの恐ろしさ。
リチャードは愛することと憎むことが一体となりすぎちゃったのかな。
愛されたい、憎みたい、甘えたい、壊したい、それらの異常な執着が相手を「庇護」するという形になってしまったのか……
ジョナサンをずっとずっと守りたいと、それだけは思っていたのではないか……
二人でこの世界を滅ぼして、楽園に行こうくらいは本気で思っていた気がする。
「力」は、召喚した少年たちが幼いがゆえに、さらに残酷になった。
それにしても残った少年たちのその後の人生を考えても、起こったことがあまりに悲惨過ぎ。
いや、圧巻の長編でした。
解説がありません!
最高でした。これぞ求めていたものです。2人の結末も私はこれも一つの解だと思いました。
さて、注意として電子書籍には愛溢れる解説部が入っていません。本編だけ読めればいいという方には関係ない部分ですがなかなかおもしろい解説なので読みたい方は文庫版を買うことをおすすめします
Posted by ブクログ
次から次へと訪れる不幸の嵐に目を背けたくなりながらも、続きが気になりどんどん読み進めてしまった作品でした。
リチャードたちが霊応盤を使うことでたくさんの不幸が訪れますが、一から不幸が作られたのではなく、元々あった人間関係の綻びや昔からの癖などが原因で不幸が起こっていくところが本作の魅力だと思います。
頭の回転が良く、誰も恐れない孤高の美少年という存在は、やはり魅力的です。私もジョナサンの立場だったらリチャードに惹かれてしまっただろうなぁと思います。
ただこの2人には、全寮制男子校が舞台の作品にありがちな、性的結びつきや恋愛関係は一切なく、新鮮でした。
Posted by ブクログ
出会ってはいけない二人だった。
寄り添ってはいけない魂だった。
気弱で自信のないジョナサンと一匹狼でいつでも毅然としているリチャードが仲良くなっていじめっこを“めっ”する(滅する)感じのお話でした。
生徒からのいじめも読んでてつらかったが、先生のジョナサンへの当たりの強さも相当ひどい。だから、ざまあみろって思った。
まぁ、最後はジョナサンもリチャードも死ぬわけなのだが……きっとこれで良かったのだと思う、思いたい。片方だけ生き残っても苦しみしか残らない。
でも、二人とも良いキャラだったから霊応盤さえ無ければ違う関係を築けたのかなと思ったりもしたけど、どうなったにせよ破滅へ繋がりそう。
リチャードのようになりたいジョナサンと、ジョナサンを庇護したいリチャード、歪んだ共依存だ。
ジョナサンに関しては、誰とも親しくしないリチャードが自分にだけは微笑んで言葉をかけてくれることに優越感を持っていただろうな。
脳内お花畑人間なので、次の人生でもまた友人関係になって、今度はしわくちゃのお爺ちゃんになるまで寄り添っていてもらいたい。
Posted by ブクログ
久し振りのたのしい読書
寄宿学校というだけで好物(笑)
友情と同性愛といじめと霊的なものがテーマかな
あとアイドリング憎しみ?
すこ楽しかったので
またあとで感想たします
Posted by ブクログ
一気読み。
BLを求めて安易に手にとって読んでみたけど、おぉ、、、と途中から雲行き怪しくなってきて最終的にはオロオロとした気持ちで読み終えました。
リチャードがとっても惹かれるキャラで好きなのだけど、、、ああいうキャラでハピエドで終わる作品求む
ミステリー?ホラー?サスペンス?オカルト?
ブロマンス?
魅力的な作品でした。
Posted by ブクログ
海外文学を読むのに時間がかかる私が一気に読めた
それだけですでにこの作品がめちゃくちゃ面白いとわかる
読みと得たときの感想、「すげぇ…」だった
終盤のすさまじいスピード感、怒涛の展開、ああこれはホラーだったんだと
リチャードの描かれ方の変わり方がおもしろくて、
なるほどこれはブロマンス→ブロマンスの枠を超え始めたな→ホラーになってきたな とあからさまな変遷を辿っていて笑ってしまった。
終盤リチャードはとんでもない執着心や独占欲の化身的な描かれ方をしていたけど、彼の生い立ちや年齢からしてそれほどモンスター的な異常性があるとも思えず、なんとも言えない気持ち。
思春期の執着心や独占欲なんてよくあることだし、それを表に出すか出さないか、諦めてしまうか貫くかの違いでしかなく、リチャードはその性質から貫くことしかできなかったのではないかと感じた。
時間をかけて慎重にゆっくりと育んでいけばワンチャンあっただろ絶対
ジョナサンもなぁ、自分からひっついていってたくせに後になってそんな急にリチャードを責め立てたり他の子とコソコソしてリチャードを苛つかせるようなことしないで、みんなもうちょっと落ち着いて話し合ってだな…などと思ったりもしたが、
年齢的にも何かに極端に傾倒したり思い込んだり感情的になるような年頃だし、パブリックスクールという閉鎖的な空間だとそうなってしまっても仕方ないのかな…とかもやもや
結局リチャードやジョナサンを死においやった力がなんだったのかよくわからなかったけど、そこがホラー要素なんかな。
リチャードもジョナサンも含め、良い子達はたくさんいたのに誰も救われなくてぴえんだったけど、それも含めてとにかくすごい作品だったなぁ
Posted by ブクログ
何気なくネットで買ったら分厚くて驚いた。百鬼夜行シリーズかと思った。
寄宿学校ものって良いですよね。自分とは縁遠い世界、思春期の少年少女!
閉ざされた世界ならではの、生徒、教師の鬱屈した思い、いじめ、友情とも恋愛感情とも思える湿度高めな関係性…
思ってたより恐ろしいところまで描かれてた。
物語が進むにつれて事実が明らかにされ、続きが気になるものだから、さくさく読めた。長いけど。
Posted by ブクログ
おススメしてもらった本で、予備知識で読みました。
とても怖いと同時に風景の美しさが感じ取れる物語でした。
主人公二人が理解しあったシーンは本当にきれいで音まで聞こえてくるようでした。
英国パブリックスクール+ホラー。でもそれだけでは済まされない
感情で感情を殴るような激しさや学園ものならではの人間関係のもつれ、最後には大きな謎が残ります。
読みながら登場人物たちと同じ時間を過ごし、最後はぶん殴られ静かに幕が下りる、そんな体験をした気分です。
ストーリーテラーがあのキャラクターだったのか!という気づきがあって大変読みごたえがありました。
あれ説明してくれ!という部分があるので☆4かなぁ。
Posted by ブクログ
友人におすすめ頂いた作品。
読み応えもあり面白かった。
一番初めに思ったのは『気弱』の認識の違い。このぐらいなら普通では…?と思ってしまった。
二人が知り合って親密度が上がるにつれ激しさを増すリチャードと困惑しながらも離れられないジョナサンの描写もさることながら、周りの人物の物語もおもしろい。
それぞれの人物が抱えている問題、ずるさ、葛藤、性格…。それぞれで起こる不幸の発動は二人が発端のようだが、その原因はそれぞれの人物にあるという収まりが良い。
オチまで何とか現実的な原因ではないかと推測していたが結局ソッチかーいっ!となった。むしろ好きな部類なのだが、現実的な原因が欲しかったと思ってしまった。
Posted by ブクログ
☆4.3
これはもうとにかく"念"が籠もりまくった作品だった。
名門パブリック・スクールで立場としては"弱い者"として日々を苦しく生きぬいているジョナサンと、カリスマ性あふれる"強い者"として自らの世界だけで生きるリチャードが出会ってしまったことがすべての始まり。
その関わりを持つことになったきっかけが、あのリチャードからの小さな親切だったという時点で、この先の悲劇から逃げることなど無理だっただろう。
ジョナサンの強い者への憧れがリチャードと噛み合っている間は、とても幸福な時間として感じられただろうに。
次第にリチャードの執着が増し独占欲を向けられ、それが支配とも呼べるものに変わってしまうと、リチャードはヤンデレというよりもはやヤンしかない。マジこわ。
そこに霊応ゲームの存在が背後にピタリとはりついて、囲われた狭く歪んだ箱庭に彼らを縛りつける。
こんなはずじゃなかったなんて言葉はもうなんの意味も持たないのだ。
彼らはたかが14歳。苦悩も煩いも世界の終わりのように感じたはず。
そのなかでやっと見つけた光が、光のままにあれたら良かったのに。
とにかく読み応え抜群で、歪んだ心と捩れる人間関係が濃密な、読んだらもう戻れないこと請け合いです。
Posted by ブクログ
トーマの心臓が好きなひとにおすすめ。耽美な美少年たちの寄宿学校生活だ!わりとハードだけど!
少年の繊細に震える感情、嫉妬、恋に似た激しい執着心、優越感と劣等感が見られます(ただしホラー)
Posted by ブクログ
面白かった。でもモヤモヤする。読んだ後の後味は良くない。そこも含めて面白いんだけど…
題名の霊応ゲームは、この物語において重要な鍵になっているはずなんだけど、それについての深い言及がなかった。日本語に訳す前はThe wishing gameで、読んだ後はそっちのほうがしっくりくる。
主役がだれか分からなくなるぐらい、登場人物全員が濃いキャラクターやバックグラウンドを持っていた。みんな、心に秘密や後ろめたい気持ちを隠していて、それを暴かれるのを恐れている。最後のあたり読んでてあれっこれってニコラスが主人公?ってなった。
最後にジョナサンが願ったことって何だろう。
私は2人の友情が偽りや勘違いじゃないって信じたい。
私個人的にはリチャードとジョナサンがうまくいって欲しかったよ。実はこの話はニコラスの妄想って言うオチを期待したよ。リチャードやばいやつなのに、スーパーヤンデレマザコンサイコパスなのに、、、
Posted by ブクログ
イギリスの全寮制の男子校を舞台としたホラー。閉塞的な生活の中での鬱屈、不満、いじめ、その中で育まれる友情…この思春期の同性同士の限りなく恋愛感情に近い憧れとか嫉妬は、確かにあると思う。
前半はいじめられっ子のジョナサンに孤高の美少年リチャードが手を差し伸べ、2人の仲が急接近していく。今まで自分がジョナサンの一番の親友だったのに…とやきもきするニコラスの気持ち、すごくわかる。ニコラスは最後の最後まで良い奴だった。リチャードがいじめっ子や意地悪な先生に一泡吹かせるシーンは胸のすく思いでした。しかし、後半になるにつれどんどん雲行きが怪しくなって行き、終盤破滅に向かって突き進んでいくリチャードが痛々しく、つらかった。どうにか救われてほしいと願ったけど、結局周りの大人たち含む全員が不幸になってしまった。これも、霊応ゲームで呼び寄せてしまった「何か」の呪いだったのだろうか。
なんとも悲しい物語だったけど、面白かった。
Posted by ブクログ
数年前に読んで登場人物を覚えきれなくなって混乱し、途中で断念してしまった本だったのでリベンジしました。
読書経験が増えたからか特に苦労することもなくスムーズに読み終えることができ一安心。
結局霊応ゲームとは具体的にどういったもので、何が少年たちを殺してしまったかは迷言されなかったのが残念でしたが、10代の少年たちの歪んだ依存や独占欲は生々しくて読み応えがありました。
展開も間延びしないので、ページ数が苦にならずスラスラ読めました。
Posted by ブクログ
映画でも見てみたいと思える作品だった。
死んだ者も、辛うじて生きながらえた者も誰一人として幸せにならないバッドエンド。
唯一、ハワード校長と妻エリザベスだけはマシとも言える。
バッドエンドなのにそこまで気持ちが落ち込まなかった。何故なのだろうか。
本書はもちろん物語が進むにつれて破滅へとじりじり読者を誘う。
おそらく、悲しさよりも物語自体の展開の面白さが勝っていたのかもしれない。
600Pを超える久しぶりの長編にも関わらず、中だるみせずに読み終えることができたのは作者の凄さだなと。
書評の大矢さんも書かれていたが、
ジョナサンが教科書を忘れてさえいなければ...。
そもそも二人は交わることが無かったのである。
運命の悪戯とは、こういう小さなきっかけで大事件へと繋がるのである。
リチャードは一見悪の権化のように見えるが、彼のような子は現代に幾らでも存在している。
そして、ジョナサンも同様である。
本書に登場するキャラクター達は全員、傷や罪を負いながらも生きている人たちである。
これは私たち現代にも通ずるところである。
表面的に接している分には見えないが、壁の1枚をぺらりと捲るとそこにはそれぞれの地獄を抱えていたりする。
どこにでもいる少年たちの危うさを極限まで書き切った素晴らしい作品に会えて良かった。
Posted by ブクログ
俗にいうサイコパスを題材にしたミステリ。貴志祐介の「悪の教典」を思い出す。平穏な学校生活。些細な出来事が、様々な悲劇が起こす呼び水になる。イギリスのパブリックスクールの雰囲気を味わうには世界が限定的で甘くない。殺伐としているかも。
Posted by ブクログ
1950年代に英国の全寮制パブリック・スクール、
カークストン・アベイ学園を見舞った奇怪な事件について、
真相を知ると称する者との面会が叶ったティム・ウェバー。
長時間のインタビューを録音し、記事にして、
ジャーナリストとして脚光を浴びたいと願うティムだったが……。
――ということで、
枠内の物語=来訪者が語ったこと=が、
三人称のあっちこっち移動しまくる視点で綴られた長編で、
非常に読みにくかった。
中身は20世紀半ばの厳格な規則に縛られた寄宿舎で起きた
悪質ないじめに端を発した、いくつかの異様な出来事について。
純真な被害者と、彼を庇う立場のクールな美少年が
報復のためにウィジャ盤を持ち出す話で、
タイトル The Wishing Game は、
この西洋版こっくりさんに由来。
それ自体は読みごたえがあるものの、
超常現象と思われた事柄に
後から科学的な説明が付されて解決するミステリかと思いきや、
オカルトのまま終わってしまったので拍子抜け。
また、繰り返しになるが、
短いスパンで視点がコロコロ切り替わるので読みづらいし、
セリフの末尾にも「!!」や「?!」が多くて、
全然耽美的な雰囲気ではなかったため、
期待を裏切られた気分。
14~15歳の男子って、あんなに子供コドモしてましたっけ?
Posted by ブクログ
前半は「トーマの心臓」で後半「オーメン」だった様な気がする。著者が男性で、訳者も男性なのでこんな感じになるのだろうか?女性だともうちょっと繊細な感じになったのかも。これだけの分量の本なので、もう少し比重を少年たちの心の方に割いてほしかった。例えば、最後主人公たちが何を語り、どんなふうに死んだのかをもっと詳細に。でも、あれか、そこはオカルトだから詳しく書けなかったか。どちらも中途半端になってしまったかな。
Posted by ブクログ
フォロワーさんが買われていたのを見て、自分もと購入。
(この小説の登場人物、しょっちゅう会話の最中で怒鳴るよね)
「誰しも、脛に傷があるよね」という前提が、悲劇のドミノ倒しを生んだ感がある。
アラン先生の件は、今ではそんなに非難されることではなかったよなー……と思った。
Posted by ブクログ
なんか…思ってたよりあっさり終わった感じ。
リチャードが何かしらの異能を使っていたかどうかは定かではないけれど、子供の器に有り余る憎悪と、それにあてられた心優しく弱いジョナサンという心許してもいい(かもしれない)相手、多感な年頃故に言葉に・形にすることで信じてしまう力が相まって、本当は偶然で済むことを、大人達の秘密を巻き込んでの大事になった、という感じかなぁ。
大人たちはまぁ自業自得なんだけど、死んだ少年たちはリチャードの、ジョナサンへ対する力の誇示であっただけのような気がして、美しく賢い少年というのは残虐性を持ち得て絵になるというか、ん~…。
「霊応ゲーム」という子供特有のお遊びを題材にした、一人の孤独で頭のいい子供の大量殺人、という流れでもいいんだけど。
もし、本当に、ジョナサンとリチャードがたかがゲーム、されど信じる力で「何か」を生み出し、または呼び出し、その力をもって嗜虐の限りを尽くしていたとしたら。など、リチャードの不可解な死に様に納得いく説明がなかったので。もしかしたら契約違反をしたのかなーとちょっと思いました。
例えば、力を貸す代わりに、ジョナサンには「ゲームのことを口外せぬこと」、リチャードには「ジョナサンを手放さぬこと」…ニコラスにはなんだろうな、彼は契約を破っていないのかも。
彼らだけに見えた、仮に悪魔と呼ぶとして、それはリチャードの母親の形をしていたのかもしれないし、ジョナサンにはリチャードの憎悪の象徴に見えていたかもしれないし。恐れや信仰故の正常でない人間心理のデパートのような一冊でした。
全くの余談ですが、片仮名の名前が全く覚えられないので、なんとなく肩書きみたいなものと紐づけして覚えつつ読み進めるのですが、リチャードは王様の名前(イングランド王?)、ジョナサンはカモメの子だなーと思ってたら、かもめのジョナサンの作者てリチャードさんて言うんですね。へー。勉強になった。読む前に知っておきたかった…