あらすじ
発掘された古人骨を調べ、当時の人の様子を明らかにする「骨考古学」。その進展によって、日本列島の歴史は大きく書き換えられねばならないことがわかってきた。実は縄文人は南方からやってきたのではない。大陸から渡来した弥生人が縄文人を駆逐したというのも本当ではない。そもそも「弥生人顔」など存在しない―旧来の歴史学に根強く残る誤謬を科学的視点から検証。人々の生身の姿を復原し歴史をひもとく「身体史観」を提唱する。骨考古学の第一人者が、日本人の実像に迫る。
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Posted by ブクログ
日本列島の人間の歴史は、旧石器時代に始まり、案外長く、結構遠近感にあふれるダイナミックなものだった。用語の羅列性の中に埋没するのなく、事象現象の物語性に軸足を移してもらいたい。
弥生人の多様性と地域性は、渡来人を含めてもっと評価しなおさないといけない。弥生に人口爆発があり、戦国時代並みの戦乱の時代があった。複顔の際には軟部組織に関する情報は復元できない。弥生人は前期、中期、後期でひとつの地域でも差が大きい。
縄文人は身長のわりに手足が長い、下肢が発達、出鼻大鼻、えらの張った受口。広く東アジアの大陸部から吹き溜まりのようにして集まってきて列島に適応し独特のユニークな縄文人が生まれた。
前半面白い。前半だけなら星5つ。後半は考えてしまうところも多い。