あらすじ
一緒に壊れましょう。
王女フィオーナは、宰相アルヴァンの作り出す甘い牢獄に囚われていた。彼は己を国に留めるための条件として、フィオーナの身体を要求したのだ。国王が病に倒れた今、彼がいないと国は立ち行かない。初恋の彼からの脅迫に絶望しながらも、彼に身を捧げる決意をしたフィオーナ。アルヴァンはそんな彼女の純潔を奪い、愉悦の笑みを浮かべながら、毎夜のごとく抱き潰す。だがある日、フィオーナの婚約者候補として他国の王子が現れて――!?
感情タグBEST3
歪んだ愛のハッピーエンド
優しくて、純粋で、美しい王女が、狡猾にヒーローの歪んだ愛に捕らわれていく様子が丁寧に描写されていて素敵でした。
ストーリー的にも色々な展開があって、引き込まれます。
他のレビューにもありましたが、ヒーローの歪み具合とその結果が受け付けられない人もいるかもしれませんが、私的には彼の王女に対する執着と歪み具合は最高でした。
「歪んだ愛は美しい」と一番最後にありましたが、性描写も卑猥なのに、美しいです。
ドS系のヒーローが好きな方にお薦めかと。
Posted by ブクログ
富樫聖夜さんの作品がとても好きです。
『償いの調べ』もそうですが、主人公へ明かされる真実とは別の、最後のヒーローサイドでの想定の斜め上からの真実がもうたまりません。
あくまでも主人公の知って良い部分への線引きをきちんと行い、そこより先は絶対に明かそうとしないヒーローの真っ黒なところが大好きです。
また、『侯爵様と私の攻防』のような雰囲気の明るい話でも、ヒーローの巧みな策略が至る所で張り巡らされているのに読んでいてとてもワクワクします。
すごくいいんですが…
大筋のレビューは他の方が書いてらっしゃるからいいとして、アルヴァン敬語攻めで萌えたけどフィオーナに父親を殺させちゃうまでするのはなんか歪んだ愛とも違うかなーと個人的に思いました
彼がフィオーナを完全に愛してないならそれもありですが
ラスト子供も生まれてくる未来を語りながら一方でその彼女が父親殺しを知って人形になったら面白いと想像するアルヴァンはなんか
歪んでいるというよりフィオーナへの配慮が足りないなと思ってしまいました
あとCiel先生の挿し絵が他作品に比べすごいです笑
Posted by ブクログ
富樫聖夜さんのはあんまりはずれがないですが、これもソーニャ文庫らしいヒーローの歪みっぷりとCielさんのイラストもあってて面白かったです。
小国の王女フィオーナは優しいけど、女王には向いていない女の子。
宰相のアルヴァンは、容姿端麗、頭脳明晰で、非情なところもある完璧過ぎる男。
アルヴァンが国から出たいと留学を決め、留学の条件でフィオーナの家庭教師に付けられ、最初は反発してましたが、だんだん彼女に惹かれて、留学後国に戻って来ると約束。留学から帰って来たアルヴァンですが、フィオーナが自分を無視するのを嫌われていると感じ、だんだん歪んでいってます。
彼女を手に入れるためにフィオーナの父王に一服盛ったり、それで王が倒れると自分を宰相としておくことを餌に、フィオーナの身体を手に入れちゃいます。フィオーナの父王は国よりもフィオーナに執着していると言っていますが、やっぱりアルヴァンの方が執着してると思います。
アルヴァンの学友のエリオス殿下もよく似た性格ですが、彼の方が明るい感じ。
二人が同じ国で王と宰相となっていたら、無敵ですね。世界征服しそうです。
エリオス殿下のお話もスピンオフで読んでみたいです。
彼の好きになる子はどんな子なのかと。気になります。