あらすじ
「今日までの世界を脱ぐのだ」
RADWIMPS野田洋次郎が綴った、時空を超えた記録。
待望の書き下ろし初書籍!
カリスマ的人気を誇るロックバンドRADWIMPSの全ての楽曲の作詞作曲を担当する野田洋次郎。
深い思索の末に辿り着いた恋愛観や死生観、音楽論、世界中で起こっている様々なニュースに対する考察、はたまた6月6日公開の映画『トイレのピエタ』での主演を決意するまでの胸の内などが、その楽曲を想起させる独自のテンポで綴られた、日記形式のエッセイ。
【著者コメント】 期せずして今年30歳を迎える自分。今、自分が何者なのか。何に怯え、何を喜びに生きているか。また、周りを見渡した時に生じる疑問、違和感、不条理を一つ一つ残しておこうと思いました。そうやっておぼろげではありますが、世界と 僕との距離、そして愛し合い方が分かってきたように思います。作詞とはまたまったく違う、脳内旅行体験をすることができました。 ――野田洋次郎
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Posted by ブクログ
野田さんを深く理解するためにもってこいの本。たくさんの共感と驚愕をくれる。とりあえず自分が気に入ってるセリフを紹介していく。「優れた才能を持った人ほど、過去の栄光をひた隠しにするものだよ。」これは、自分自身意識していることでもあった為、共感した。過去の栄光、いわゆる自慢を恥ずかしげもなくする人は何も持っていないのと同義だと改めて思う。「みんな仲良しなのである。大体同じ。平均をこよなく愛すのだ。大体の真ん中を」これは驚愕。痛いところをつかれた。無意識的にいわゆる一種の洗脳のように擦り付けられている日本の特徴。良いも悪いも。でも私はそれがすごく嫌だ。平均が同じがすごく嫌だ。個性が無いのなら生きてる意味がないじゃないか。心の内の消えかけていた火が再燃した。「入口の動機なんて、意外に覚えてないもんだ」何かにハマるとき、夢中になるとき大抵そうだなと思った。これも共感。入口に不純な動機があるとき確実に失敗する、本当に楽しめない。「あなたが短所の欄に書いていたこと、それを笑いながら平気で長所の欄に書き換えてくれる人がきっといる。」これは勇気の言葉。頭の片隅にずっと残しておきたい言葉。奮い立たされる、希望を見れる。このままでいいんだとこのままを愛せと。「演技はしたことある、「人間である」と言うこととほぼ同義でしょ、だってそれは」驚愕というか気付かされたというか、演技してたのを忘れてたというか当たり前になってたというか。演技をしてるから疲れるんだし、それは優しさでもあると思うから、でも確実に演技はしているんだ。そこは忘れないでおいたほうが多分いい。「自分のことが知りたければ誰かと話せ。意味不明だなと思う相手にどんどん会え。話が合わないやつとどんどん会え。自分の国のことを知りたければ外に出ろ。内側から見た自分の国なんて結局は内輪モメだ」自分の浅はかさに気付かされた。甘い、幼い。自分すらまだ知れていないのに楽にして誤魔化すな。世界は思ってるより大きいぞって鞭を入れられてる、重たい一歩を軽くしてくれる様な言葉。でも野田さんは無知は、強さだと言っていた。矛盾してるとも思ったけど、これから知れるという強さという意味もあるのかと思ったり。そもそも強さの定義が沢山あることにも気づいた。自分的には無知は攻めの強さがある。恐怖心がないから突き進む事ができる。無謀も承知だ。ただ、知識が多い人は弱いんじゃない。守りの強さがある。対応力や経験から予測できる、対応できる。これが新たに自分の中に生まれた真理。そうやって傷つけて傷ついて槍は削れて丸みを帯び盾は叩かれて頑丈になる。そして優しさにつながっていくんじゃないだろうか。そんな世界であって欲しい。「個性なんて言葉は信じてないけど、そういうものを欲するのならどれだけこの溢れる情報から身を守るか、隔離するかだ。理解されない、笑われる、バカにされる、悔しい、そういうものがもしあるのなら、それこそがあなたの財産だ。」生きる理由なんて無いとか簡単に言え無いくらい生まれてきた事が奇跡なのだ。だから、生まれてきたのなら何か自分というものを表現して死にたいと思うのでは無いか。ましてや何も持たない、感じないことも個性かも知れないが、そう考えてしまうものだと思っている。だから私は個性を意識してしまう。でもそんな単純なことではなかった、野田さんに平手打ちされた気分だ。意識しすぎて周りを気にして同調してる節もあるし、本末転倒では無いか。今では沢山の筋書きあり、もレールも敷かれている、多種多様の教科書がある。恵まれているけど恵まれていないとも言える。人生において正解が提示されることは勿体無い。野田さんが性行為のお手本を今では簡単に動画で学べるからありきたりの個性なしの行為になってしまう。もしお手本がなかったらどの様にして愛を伝え合うのだろうか。そこに人間の面白みがあるのでは無いかと言っていた。その通りだと思った。こうやって心に刺さった言葉を振り返ると、言葉って凄まじいと思わされる。言葉に人生を乗せ、重みを変える。言葉遣いで優しさや人柄が分かる。勘違いもされる。答えがないから深みがあるんだな、人生と同じで。そこをもう少し噛み締めて生きてこうって思えた。