【感想・ネタバレ】[新装版]運命を開く―人間学講話のレビュー

あらすじ

シリーズ70万部突破の「人間学講話」第二集。
政財官界の指南役が記した「最高の教養書」が新装版で登場!

【著者紹介】
安岡正篤(やすおか・まさひろ)
1898(明治31)年、大阪市生まれ。
大阪府立四条畷中学、第一高等学校を経て、1922(大正11)年、東京帝国大学法学部政治学科卒業。東洋政治哲学・人物学を専攻。
同年秋に東洋思想研究所、1927(昭和2)年に(財)金〓(けい)学院、1931(昭和6)年に日本農士学校を設立。
東洋思想の研究と人物の育成に従事。
戦後、1949(昭和24)年に師友会を設立。
広く国民各層の啓発・教化につとめ1983(昭和58)年12月鬼籍に入る。

【目次より】
◆活人 活学
□現代に生きる「野狐禅」―不昧因果の教え
□家康と康煕帝―守成の原理について
□漢帝のマネー哲学―金を負む者は負ける
◆「人間」を創る
□「人間」を創る―親と師は何をなすべきか
□父親はどうあるべきか―細川幽斎と西園寺公望
□「道徳」の美学
□東洋哲学からみた宗教と道徳
◆運命を展く
□中年の危機―樹に学ぶ人生の五衰
□大成を妨げるもの―“専門化”の陥し穴
□夢から醒めよ―邯鄲の夢
□運命を展く―人間はどこまでやれるか
◆養生と養心
□養生と養心―易学からみた心と体の健康法
□「敏忙」健康法

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Posted by ブクログ

子どもの教育や人としての生き方として大切なことについての叙述が多く、子を持つ親としてひらめきの多い書となりました。

また本書の後半で述べられている陰陽相待性理論、いわゆる酸とアルカリについての話はとても面白く、読めば確かにその通りなのですが、そこまで明確にして意識をすることがなかったので、なるほどと膝を打つほどでした。

中村哲さんの書を以前に読み、本書で安岡正篤氏が語っていることと近しいことが幾つも出てきました。
生きた時代も専門とすることも違う二人が同じようなことを語っている。無論、中村哲さんが安岡さんの書を読んでいた可能性はありますが…。本書から幾つか引用してみます。

つまらない人間も「世界のため、人類のため」などと言います。あれは寝言と変わらない。寝言よりももっとわるい。何も内容がない。自分自身のためにも、親兄弟のためにも、ろくなことができない人間が、どうして世界のために、人類のために、なんて大口きけるか。それよりも、自分がおるその場を照らす。これは絶対に必要なことで、またできることだ。真実なことだ。片隅を照らす!(p.206)

現代文明の一つの危険は、この自然を犠牲にして、技巧に走ったこと、その禍を今も深刻に受けております。(p.173)



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2025年05月02日

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