あらすじ
レッドソックスの不動のクローザーとして活躍する著者。2013年シーズンは、見事ワールドチャンピオンとなり、胴上げ投手にもなった。39歳となった今シーズンも、活躍を続けている。本書では、著者が年齢を重ねながら進化し続ける理由を明らかにする。著者は「不安やプレッシャーは悪いものではない」という。「不安があるからこそ、準備を怠りなくと思うことができる。不安に押し潰されるのではなく、不安こそが自分を動かすエネルギーとなりえるのだ」と断言する。著者の毎日は、マッサージなどの身体のケアを他のどの選手よりも入念に行い、ストイックな生活をおくる日々だ。それは「ケアを怠ることで怪我をするなどして、後悔したくない」という一心だ。そしてその先にあるのは、マウンドに上るまでの覚悟だ。著者は、毎日小さな目標を立てて球場に向かう。雑草魂を糧にいかに壁に挑み克服してきたかを明らかにする。運命を切り拓きたい人は必読の一冊。
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Posted by ブクログ
○メジャーリーグのボストン・レッドソックスで活躍する上原投手の著作。
○今までの野球人生を振り返りながら、日本球界とメジャーリーグ、先発と中継ぎなどの野球を中心とした解説を行いつつ、ストッパーとして不可欠な「覚悟」について、書いた作品。
○上原投手本人の苦労なども隠さずに書かれており、素直に、その人柄を感じ取ることができた。
○その他、野球の観点だけでなく、メンタル面についても興味深かった。
○口述筆記の作品(と思われる)なので、本人の語り口や印象とは違う点が、少し残念。
Posted by ブクログ
ジャイアンツからメジャーリーグに渡った上原投手の、野球に対する思い、試合への覚悟が書かれている。
これを読んで上原選手への見方が変わった。今までのイメージがあくまでメディアの脚色がついたものだということに気がついた。
熱い想いが伝わってくる、いい一冊でした。
Posted by ブクログ
序章
クローザーの出来は勝利に直結する。プレッシャーは大きい。それに立ち向かう勇気をくれるのは覚悟である。その覚悟を決めるためにどのような行動をしてきたのかを述べた。しっかり準備すれば覚悟は決まる。
おわりに
もっと野球がしたい。それが私の原動力だ。だからレベルを上げなければならない。年齢は重なり肉体は衰えるかもしれないが、技術、メンタルは向上できる。限界をつくればそれで成長は終わる。しかし、限界を決めなければ前に進んでいける。だから、毎日悔いの残らないように準備を行い、覚悟を決めてマウンドに上がるのだ。
Posted by ブクログ
上原浩治の背番号19には彼なりの想いがある。
19歳の頃、彼は浪人生だった。氏はこの一年が一番苦しかったと言う。苦しかったときを忘れないように背番号19にこだわっているそうだ。苦しみがあったからこそ、今の上原がある。
順風満帆のときには人は人を褒め称える。
壁にぶつかって苦しんでいるときは見向きもしない。
それは仕方がないことなのかもしれない。
苦しんでも雑草のように耐えて、復活する氏をファンは応援しているのだと本書を読んで感じた。
覚悟とは苦しくても前に進むことだ。
Posted by ブクログ
プロ野球・MLBを通じて輝かしいキャリアを築いた上原浩治が、自らの野球人生を振り返りながら語る“覚悟”の本質。本書は、華やかな実績の陰にある、地道で愚直な努力の積み重ねを、静かに、しかし力強く伝えてくれる一冊です。
とりわけ印象に残るのは、「当たり前のことを徹底してやりきる」ことの重要性を、上原が繰り返し語っている点。体調管理、練習、自己分析――どれも派手ではありませんが、調子の良し悪しに関わらず継続する姿勢こそ、プロとしての矜持だと説きます。なかでも、スランプ時にも“やるべきことをやめない”姿勢には、説得力と重みがあります。
怪我やポジション変更、メジャーでの重圧など、上原の歩みは順風満帆ではありません。しかし、どの局面でも自らのルーティンを貫いた彼の姿勢から、「覚悟」とは特別な精神論ではなく、日々の「継続」と「平常心」に宿るものだと気づかされます。
反骨心や雑草魂といった上原の代名詞に触れつつも、本書の根底にあるのは、ルーティンをやりきることが覚悟を生み、積み重ねた過程が結果を呼び、結果が出なければ冷静に見直すという、極めて実直なプロセスです。
本書は、派手さより誠実さ、結果より過程に価値を置く、真のプロフェッショナリズムの書。ビジネスパーソンにもアスリートにも、努力するすべての人に静かに寄り添う一冊です。