【感想・ネタバレ】半身のレビュー

あらすじ

門をいくつも抜け、曲がりくねった小径をたどった奥にある石の迷宮――ミルバンク監獄。1874年の秋、テムズ河畔にそびえるこの牢獄を慰問のために訪れたわたしは、不思議な女囚と出逢った。19歳のその娘シライナは、監獄じゅうの静けさをかき集めたよりも深い静寂をまとっていた。なぜこんな人が、こんなところに? すると、看守から聞かされた。あの女は霊媒なの。戸惑うわたしの前に、やがて、秘めやかに謎が零れ落ちてくる……。魔術的な筆さばきの物語が終局に至って突きつける、青天の霹靂のごとき結末。サマセット・モーム賞など多くの文学賞に輝く本書は、魔物のように妖しい魅力に富む、絶品のミステリ!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

1874年のロンドンが舞台なので、そういう時代がかったお話が苦手な人はいるかもしれませんが、私はわりと苦にならない雰囲気でした。
ただ、題材が守護霊だったりレズ(?)だったりして、だいぶ後半まで「これはミステリなの?」というギモンがあり、「創元推理文庫」から出てるからにはたぶんミステリだよね?と思いつつ読んでました(笑
他人とうまくやれない29才の老嬢という主人公に感情移入しすぎて、これまた緊張で心臓が痛くなるシーンがありましたが、感情移入したゆえにラストは切なかったです。
そんなのあんまりだよー・・・(涙
一番印象に残ったのが、主人公のお母さんのセリフ。
「よそのお宅にうかがったら、もっと自分から話題を見つけなさい。ご夫人方のお子様の健康を気遣うなり、皆様のご旅行のお話をうかがうなり、絵や刺繍の出来栄えを誉めるなり。なにもなければ奥様のドレスを話題に・・・」  
すごく勉強になりました。

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2014年04月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

シライナ・アン・ドーズが霊となって自宅に”脱獄”してくることをマーガレット・プライアと同じく本用に信じていた…
霊媒師であるシライナ・アン・ドーズはペテン師であった訳だが、最後まで信じられなかった…

シライナ・アン・ドーズの逃避行のために、マーガレット・プライアはある意味”半身”であったのかもしれない。

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2021年05月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

そ、そういうオチね(^_^;)
かなーり楽しく読んでたのが、ラストのネタバラシで一気に冷めてしもうた…。こういう雰囲気小説は最後まで雰囲気で押し通して欲しい派なんだよな〜

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2019年05月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

霊が絡んでくるので、どんな結末になるのかと思っていたら、やられました。こんなどんでん返しがあるとは。看守は予想がついたが、小間使いはノーマークでした。シライナの日記にも度々登場していたにも拘らず。この人の作品は初めて読みましたが、他のも読んでみたくなりました。というわけで「荊の城」も注文中。

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2013年02月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

主人公の人生酷すぎない?書いてる部分はまだ先を考えてるけど、時間が経って現実を受け止めたらもう耐えられないでしょ。一回未遂もしてる訳だし。
と思いながらも、最終章もあまりショックをうけないまま読み終えてしまった。この手のストーリーでハッピーエンドはそうないわな。

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2021年07月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 雰囲気や筆致は好きだったが、描写される箇所が少なく、もう少しこの世界観を色々なところにまで広げて欲しかった。
 話も面白かったけれど、如何せん派手ではなく、後半は一気に読んだが、ぐいぐい引き付けられて離れられないというほどでもなかった。肝の部分が終盤に集約されていて、それまではシライナと主人公の交流に重点がおかれている。その交流も、ときおり大きく進展はするものの、基本的には遅々としたもので、終盤の展開のためにここまで長い物語にする必要があったかはちょっと疑問。
 しかも結末が、そういうこれまでの展開を一気に投げ捨てるようなものだったから、腑に落ちる感覚はあれど、期待に沿うようなものではなかった。霊媒がある程度真実性を持って語られ続けていたのに、それがそうではないと終盤になって明かすのは、ちょっとアンフェアな気もするし...。
 不条理さは好みではないものの、面白くはあった。もう少し短ければ良かったと思う。これまでの描写が全部伏線で...ということにするには、色々な粉飾が多過ぎたし、膨らんだ前提部に反して、オチがあっさりし過ぎている。

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2020年10月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

3+

ゆっくりとゆっくりと毛糸玉で殴り続けておきながら、実は中に剃刀を仕込んでましたというような趣き。いやまあ何かあるのは匂わせているので通常驚かないのだが、毛糸玉殴りが長過ぎてうんざりさせられるのが効いていたか。

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2020年04月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「死をもちて赦されん」の後ろで見かけて。

残念ながらだまされることはなかった。
なんともいえないゴシック調と言うか、
ヴィクトリア朝と言うかの雰囲気の盛り上げ方はとてもうまいと思うし、
霊媒の女囚に魅かれていく様の描き方も上手だが、
恋愛小説またはホラー小説で終わることはないと疑い続けていたので。

なんの根拠もなく、
実は亡くなった父の遺産をほとんどを相続していた主人公が、
母親に命を狙われているかと思いこんでいたので、
結末はそれほど衝撃的ではなかった。

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2016年04月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

日記形式だけど主人公の心の描写が上手過ぎて、ねっとりとした感情が気持ち悪かった。もちろん同性愛云々ではなく。
せっかくのトリックも、集中できずに驚くところまでいかず。

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2014年10月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読み終わってひええと思わず呟く。
描写に容赦がないなぁ。
ヴィクトリア朝時代のおどろおどろしさもよく出てました。

ダイアナ・ウィン・ジョーンズの「牢の中の貴婦人」を思い出しました。
どちらも救いはないけれど、こちらの方がより深く沈み込むような…。

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2013年05月11日

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