あらすじ
都会のナメクジは絶滅の一途(?)という噂の真偽を確かめるべく自ら発見マップを作成し、また全国の知り合いに呼びかけて観測情報を募る。歩きはノロノロだがキャベツはバリバリと頬張り食欲は旺盛だ。意外にも記憶力は強いらしい。二億年ずっと生活スタイルを変えずに生き残ってきたナメクジの生き方に学ぶ。
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Posted by ブクログ
周囲にドン引きされつつも、ナメクジを飼育していた私。
生態を知りたくてナメクジの本を探しても、害虫扱いで退治の仕方ばっかり…人間って冷たい!なんて切ない思いをしていたところで、出会った一冊。
愛に溢れ、のんびりとした温かさも救いでした。
変人を見るような冷ややかな目を向けられておりましたが、励まされました。
生き物好きで良かった!
Posted by ブクログ
チェック項目11箇所。カタツムリには上下に一対ずつの触覚がある、上が長めの大触角、下が短めの小触覚、ナメクジも同じだ、暗闇の中で餌を探したり、植木鉢や倒れた樹木の下にある巣に戻ったりするときに、大切な役割を果たすのだ。人間とナメクジの身体の器官は、似ている点が多い、大きく異なるのは生殖器官の備え方にある、人間は一般的に雌雄異体で、男性は男性器を、女性は女性器を備えている、ナメクジは雌雄同体、自家受精する仲間が一部にいる、多くは他のナメクジと交合する、繁殖する上で、他と交雑した方がより生命力の強い種を残すことができるからなのだろう。食塩と、砂糖や小麦粉、外見は似ている、ナメクジが食塩によって大きな打撃を受けるのは、粘液で溶けた食塩の浸透圧がきわめて高いためなのだろうか。「中生代の温かく湿気の多い時代、約二億年前に、ナメクジはアジア方面から北米方面に移動した」(ナメクジの野外ガイド)。人間の世界では、住む家や家庭を失った人をホームレスという、生活面の退化現象としてとらえる、軟体動物の世界では、家である殻を捨てることを総じて研究者たちは「ナメクジ化」おちう、これは進化の一つの形態なのである。小惑星衝突が引き金で起こる自然災害や、食料不足、疾病などの複合的な要因によって恐竜は絶滅したのであろう、より大きく、より速く、より強く、を目指したエネルギー多消費型のライフスタイルが皮肉にも恐竜を絶滅に導いたのである。ナメクジのような少食の草食動物には、植物の生長を助ける働きがあるというのだ、加えてナメクジの排泄物は、土地を肥沃にして植物の生長を促すという働きもあるのである。ナメクジは一度嫌いな食べもののにおいを記憶すると、一ヶ月ぐらいは覚えていて、そのにおいのする食べものを避ける行動を示す、他方で、脳が破壊されても再生する。ナメクジの立場から一連の作品を吟味してみると、「汚い」「気味悪い」「嫌われもの」という通俗的な三K扱いをする表現が目につく。九州地方ではカタツムリも「ナメクジ」と呼び、二つを区別するために「ツウノアルナメクジ」と言っていた。地方によっては民間療法に用いられることもあった。