【感想・ネタバレ】普通に働けのレビュー

あらすじ

ニッポンのジレンマ、働き方のジレンマ―― 日本の雇用・労働をめぐる議論は、エリートかワーキングプアを対象としたものに偏りがちである。そこには「普通の人」の「普通の働き方」が見落とされており、ブラック企業論争やノマド論争で可視化されたのは、私たちの「普通に働きたい」というこじれた感情であった。しかし、「普通の人」とは誰か?「普通の働き方」とは何か?そもそも私たちは「普通」ということが、実はよく分かっていないのだ。本書は豊富にデータを揃えながら「意識の高い」系言説のウソを暴き、私たちノンエリートのための働き方を考察する。

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Posted by ブクログ

日本は労働者について語る場合、極端な例を持ち出しすぎる。例えば、スティーブ・ジョブズやビル・ゲイツ、ホリエモンや勝間和代、最近では「今でしょ!」先生。彼らの挫折や成功、実力を解説して、日本の若者に向けて「起業せよ!ノマドせよ!MBA!」と吠えまくることは勇ましい。そして、若者はスーパーエリートの同価値観を持って、就職に挑む。

普通に就活をして、普通の企業に入って、コツコツと努力を重ねて、ステップアップする。そんな働き方が普通であり、多くの若者が目指すべきなのに、それが尊重されない。下手すりゃ「この社畜め」と罵られる。

いや、そうじゃない。ほとんどの労働者は「普通に働いている」のだ。1%にも満たない特殊な才能の持ち主を見本にするのはやめよう。

タイトルの「普通に働け」、この言葉の重さを日本の労働者は噛みしめるべきだ。

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2014年03月31日

Posted by ブクログ

若い世代の「働き方」に関する言説はあふれているものの、ここまで様々な通説に対してクリティカルになるような本はないだろう。そもそもタイトルは『普通に働け』だが「普通に働く」こと自体が難しくなっていると最初に論じられ、そしてそのような状況下で「新しい働き方」幻想を振りまく論客を言説研究やデータによって撃破していく姿は見物だ(特にロスジェネよりさらに下の世代の置かれた現状の分析についての分析が優れている)。「新しい働き方」言説を正しく葬り去るために是非とも読まれるべきであろう。

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2013年10月14日

Posted by ブクログ

 『普通に働け』っていうタイトルがまず、秀逸。
短いのに、インパクトがある。サブタイトルもなし。
長くて明らかに狙ったようなタイトルが多い新書の中で、これは良い。
脳内にガツンと響いた。
そして、割と骨太の本だった。

 普通の定義が読んでいても難しかったけれど、大企業でも外資系にも勤めていない、天才でも秀才でもない人たちが世の中には大半いて、その人たちが世の中を動かしているということ。
 一部の信憑性の薄いデータや都合のいい部分だけをピックアップした、絶望感を煽るもの、反対に奇跡的な成功を夢見させるもの、センセーショナルな話題性を作るための結論ありきの記事に踊らされない(論じられている元のデータを確かめる)こと。
 天才も秀才も成功者も、謙虚さを失わずに陰で惜しみない努力を重ねており、努力できるのも才能だということ。

 なるほどなぁ、と思う。
情報に翻弄され、一喜一憂することがある。でも、その情報は一元的に都合のいいように切り取られた断片に過ぎないかもしれないし、それで絶望する必要は無いけれど、一部の天才たちが起こした奇跡に自分を無理に寄せることも出来ないのだ。
今できることをしよう、ということが「普通の人」の幸せなのだろうな。

 第三章からが特に面白い。
第四章の鹿毛康司氏との対談、海老原嗣生氏の解説まで、なるほどなぁが詰まっていた。

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2017年06月29日

Posted by ブクログ

○人材コンサルタント等の常見氏の著作。
○様々なビジネス本、自己啓発本がある中で、今こそ「普通に働くこと」の重要性、必要性をまとめたもの。
○普通に働くのが一番大事!!

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2014年03月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

個人的に、常見さんのような方は好きで、この本を購入。
やっぱり偉そうに何か論じるような人ではなく、しっかりと僕たち若者ともリアルで接してるし、本気でいろいろ考えてるし、ネット系にも強いし、面白い。

でも、この本はだいぶ真面目な本だった。本人もそう書いてるけど。

たしかに最近は若者の就活を各メディアはいろんなように報じるし、若者はかわいそうとかいうし、成功したベンチャー社長を取材して若者はこういうの目指せ的な雰囲気出すし、本当にふつーの人はなんか困る世界で、そこんところを常見さんらしく語ってくれている。

また今後の常見さんの本に期待します。

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2013年10月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

タイトルに惹かれて、衝動買い。
「グローバル人材」だとか、「スペシャリスト」だとかに惑わされず、また、「作業」ではなく「仕事」にしっかり取り組むことが大切だと主張している。
これについては、とっても同感。
若手にいきなり「即戦力で働け」っていっても、どこかで「修行」した経歴(経験)がないとそんなことできる人はなかなかいない。
大学が「就職予備校」として明示的に機能していない現在、社会人になってから修行を始めるのであれば、3年ほど集中して修行に取り組むくらいじゃないと、身につくものは中々増えないんじゃないかな。
目の前で行っている「作業」の本質的な意味を理解できれば、「仕事」になると思うけど、正解なんて誰も教えてくれないから、どこまでやればいいかも自分で決めるしかない。ただ、「期待に応える」っていうラインがあるくらいかな。。。
対象読者は主に20代。40代以上の人が読む場合は、できるだけ引いた目線で読んだ方がいいのではないかな。
最後tの章のトークがある意味一番面白かった。

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2013年10月24日

Posted by ブクログ

ブラック企業だ、グローバルエリートだ、ノマドだ、的な働き方ブームの中に一石を投じる本。
最終的にはものすごく噛み砕くとマジメにコツコツやろう、という話やったと読んだが、通底するテーマとしては、どんな生き方をしたいんですか?って話があるのかと思う。あなたがなりたいのはエリートなの?って話。
そこそこ働いて、そこそこ幸せに暮らしていくには、それこそ普通に今与えられた仕事をコツコツやる、今自分の生きてる暮らしを楽しくしていくことじゃないの?って投げかけ。
そこそこ働いて、そこそこ幸せってのがこの先どうなるか、維持できるのかって問題はあると思うけど、極論に走る前にちょいちょい!って牽制するような内容でした。

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2013年10月18日

Posted by ブクログ

メディアに躍るのは極端な例と煽るような言説。正直、そういったものに辟易していたので、著者の主張がすんなり入ったのだと思う。特殊な例を除いて、普通に働いて生きることがどういったことか書いた本。四章はエステーで消臭力のCMをつくった方との対談。

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2020年10月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

普通に働くことがどこまでしんどくていいのかをもうちょっと書き込んでもらってもよかったのではないかなあと。読者は大学生だろうけれど、彼らはこういう本読むことあるのだろうか。

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2017年07月31日

Posted by ブクログ

そんなに皆すごくないよ、メディアに踊らされるな、ってことかな?
でも最後の対談は結局、華やかに見えて裏ではどろどろだよ、成功したかったら努力しろ頑張れみたいに受け取れた・・。
解説が分かりやすかった。
日本も欧米のように階層がわかれててもいいな。普通の人は普通の働き方でよい。

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2017年02月17日

Posted by ブクログ

普通の働き方とは何か?、普通とは何かを問う一冊。メモ。(1)キャリアは仕組まれた偶然で進んでいく。…試行錯誤と紆余曲折の繰り返しだ。…そう簡単ではないからこそ人生というものは面白い(2)いい仕事とは何か。それは愛される仕事であり、期待に応えることであり、目の前のことをやることなのだ。(3)企業戦士にとって人生は矛盾だらけである。…その矛盾と向き合うことこそ生きるということなのだ。

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2014年06月12日

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就活に悩む学生、そして転職や自分の成長のために辞めなきゃならないのかと悶々とする会社員の方々。必読!時間のない方は後半の対談だけでも膝を打つことうけあいである。

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2014年01月29日

Posted by ブクログ

ジム本とテーマを同じくした本。内容はあまり変わらないかな。
普通に仕事するの大事だぜってね。天才のマネする必要はないし、できないぜと。
いい仕事を積み重ねことが大事と。

どう思いながら仕事していくべきかと、心持ちのお話し。

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2013年11月20日

Posted by ブクログ

「働き方の話をするときに極端な事例を出すな」というのだけど「普通」ほど語りにくいものはない。凝集性がなく、最大公約数がとりにくいのが普通の働き方だと思うからだ。なので、極端な事例を批判できることはあっても、普通を深く論じることは困難なのではないかと思う。そうなるとこれからも「極端」がせり出してくるんだろうなーっていうのは容易に想像できる

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2013年11月11日

Posted by ブクログ

著者の主張には賛成できるが、これを一種の論文として読むには、いささか論拠が浅い印象を受ける。

「メディアを疑え」、「データやファクトに気を付けろ」という注意はまさにその通りなのだが、著者が主張は巷に溢れる言説のカウンターによって論証されている部分が多く、肝心の著者の主張の根拠がそもそもデータに裏付けされていなかったりする箇所がいくつもある。

また、そもそも論として、「普通の働き方」の定義が非常にあいまいである。

「ノマド」や「雑誌に載るようなビジネスマン」は特殊で、それ以外は「普通」だと言っているようにも感じれば、「中小企業に勤める人」が普通であるという印象も受ける。

「普通の働き方」という公式な定義は存在しないが、せめて著者の考える「普通」の定義付けはするべきである。
(そんなことをすればその定義に対する議論が出てきて、それをきれいに片付けることなどできないからあえて避けているようにも思えるし、おそらくその定義の中に著者は含まれない)

しかし、全体を通して著者の主張は間違ってはいないと思う。

各々が考える「普通」の中で、一生懸命働けばいい。

それが幸せかどうかはここでの議論の対象外である。

少なくとも、「メディアに煽られて無理な事に挑んで絶望するな、普通に頑張れ」というメッセージは、どんなビジネス書よりも日々の仕事の支えになるのではないだろうか。
(ただし、「プア充」のように「ほどほどで良い」という消極的な意味ではなく、あくまで努力することは推奨している)

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2013年11月10日

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