【感想・ネタバレ】猟犬のレビュー

あらすじ

17年前の誘拐殺人事件で容疑者有罪の決め手となった証拠は偽造されていた。捜査を指揮した刑事ヴィスティングは責任を問われて停職処分を受ける。自分の知らないところで何が行なわれたのか? そして真犯人は誰なのか? 世間から白眼視されるなか、新聞記者の娘リーネに助けられながら、ヴィスティングはひとり真相を追う。しかしそのとき、新たな事件が起きていた……。北欧ミステリの最高峰「ガラスの鍵」賞をはじめ、マルティン・ベック賞、ゴールデン・リボルバー賞の三冠に輝いたノルウェーの傑作警察小説

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Posted by ブクログ

ネタバレ

北欧からのサスペンスで、珍しくノルウェーが舞台。文章が滑らかで読みやすく、適宜混ぜられる風景描写やキャラ付けも上手い。一人称の小説だが、面白いのは父と娘それぞれの視点で描かれ、警察官である父が追う17年前の事件にまつわる真相と、記者である娘が追う現在の殺人事件が、やがては(予想通りに)結びついていく構成になっていること。どちら側も丁寧に描いてあるので気持ちよく読める。しかも、北欧ものにしては珍しく?残酷描写も少ない。
そもそもこの訳者がうまいのかもしれない。特に北欧というか英語圏以外の小説の場合、登場人物の名前が憶えにくいので詳しい人物一覧が載っているのもありがたかった。
ただこれがシリーズの8作目というのは意外ながら、過去の作品を読んでなくても(国内出版されてない)違和感なく読めた。9作目も出版されてるようなのでこれも出してほしい。

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2015年10月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

おもしろかった。主人公のヴィスティングとその娘のリーネの視点から、17年前の事件と現在の事件いくつもの事件とが、予想を裏切りながら少しずつ収束していく。
ここんとこ、いい本に巡りあえるなぁ。

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2015年09月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

警部ヴィスティングのコールドケースカルテットを読み進める前に、一旦著者ヨルン・リーエル・ホルストの本邦初訳だった本作品を。
とはいえ本作もヴィスティングシリーズの第8作目とのこと。
『カタリーナ・コード』がシリーズ何作目なのかは手元の情報だけではわからないが、是非ここまでの、そして歯抜けがあるのであればその作品達も邦訳して欲しい作家の一人だ。

『カタリーナ・コード』に始まるコールドケースカルテットは過去の未解決事件をヴィスティングが解決していく展開が特徴的な4部作だが、本作は過去の解決済事件に端を発する物語。
17年前に少女誘拐、監禁、殺害、死体遺棄の罪で有罪となり服役していたハーグルンは、半年前に釈放され、当時の証拠は警察に捏造されたものだとの訴えを起こした。
当時の責任者は若き日のヴィスティング。
メディア慣れしているが故に、疑念に対して手のひらを返したように大々的に報じる新聞各社。
挙句の果てに副署長からは、当時の責任者ということで引責停職を命ぜられる。

あの証拠は捏造だったのか。
ハーグルンに科された罰は冤罪によるものだったのか。
過去の捜査資料をつぶさに見直し、捏造したとしたら誰が?、ハーグルンが犯人でない可能性はあるのか?を北欧ミステリらしく、しっとりと着実に紐解いていく。

あくがなく、懐が深く、終始冷静で内省的なヴィスティングがかっこ良く好感度大。
自分的にはノルウェー版ジミー・ペレスといったところ。
また、新聞社に勤める娘リーネを信頼し、ときに2人3脚のような形で事件と向き合っていく姿も微笑ましい。
リーネはどちらかというと行動派で、危なっかしいところもあるのだが、それを否定することなく、むしろ自分にはない資質的に捉えているところなんかも清々しい。

騒動の結末は、おぉそっちとそっちで落とすかという感じで意外とまではいかないものの、ありきたり感はなく最後まで楽しめた。
さて、コールドケースカルテットは『鍵穴』まで読んでいるので、次は『悪意』。

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2024年03月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

なかなか人の名前が頭に入らなくて、何度も話を戻って読み返しましたが、ストーリーは面白かったです。
犯人も予想がつかず、ぎりぎり最後までその点も興味を持って読めました。
また新しい作品が出たら、読みたいと思います!

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2015年04月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

この度新作が翻訳されたとのことなので、読み逃していたこちらを読んでみました。

典型的な北欧警察もので、目新しさはないものの充分に面白い。警察官の父と記者の娘が協力体制をとっていくのもいいが、ただ、ノルウェーの事件記者というのはここまで警察の捜査と同じ事をするのかとビックリ。
現場写真も新聞にバシバシ載せるようだし。

作者は元警察官ということで、停職中に捜査本部に忍び込む手口がリアルすぎる…。



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2020年02月25日

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