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驚き
一気に読んでしまいました。ラスト、「ここで終わり⁈」と驚いてます。
最初は「怒り」をどのように扱うのかと不安でしたが、アンガーマネジメント(怒りのコントロール)が根本的な解決方法で描かれていて、それも驚きました。
人との分かち合い、相互理解、受容された感、そういうものが描かれていたんだと思います。
作中に出てくるペルーの太陽の神と月の神の会話や、動物の描き方が、この作品の背景を伺わせます。
人は良いこともする、
そして天使と悪魔の感情を持つ、、そんなことが、ファビアンの犬や、鳩を助けようとした子供ミゲールからも伺えるからです。
また、他者の不幸を見てニヤリとする感情も、受容し、また受容される対象として捉えられていることにも驚きました。更にその悪魔的な残酷さは他者への残酷さではなく、それが己に対するものであるという理解に驚きました。
飽くまでも善悪ではなく、自己と他者という分裂でもなく、非常に包括的な、これこそが世界平和であり、自己との融合といいますか、、、
対自然、対悪、対他者、、世界では自分とそれ以外という分け方が罷り通っていますが、そうじゃなくて、全てが自己で全てが世界で、「ただ好きなんだ」で良いではないかと、
そんなメッセージを感じました。
新しい考え方で、表現だと思います。
無理矢理許してやる、というのではなく、受容。
だから許容じゃない。
そしてそれは同時に自分への許しにもなっていて…
ただ、これができるのは相互理解に努められる友達がいるからで、1人では完結しえない。
まだまだ彼らには先があるから、終わりがない。
ので、ここで物語としておしまいなのでしょうね。