あらすじ
第6回山本七平賞、第51回毎日出版文化賞、ダブル受賞に輝く名著、待望の復刊! 本書は、「日の没するところなし」と謳われた大英帝国の、誕生から衰亡までの過程をつぶさに検証した長編歴史評論である。ギボンの『ローマ帝国衰亡史』を挙げるまでもなく、歴史上、帝国が興隆し、衰亡の道をたどった過程を描いた歴史書は数限りない。その意味で、歴史とは「幾多の帝国の興隆と衰亡の歴史」といってもよいかもしれない。覇権国は、何をきっかけに歴史の檜舞台に駆け上がるのか。危機はどのような形で忍び寄るのか。そして、大国はいかにして主役の座を下りるのか。大英帝国の興隆に寄与した3つの戦争と、衰退の節目となった3つの戦争に着目しつつ、多彩な人物描写も交えて、克明に描いていく。大英帝国の栄光と苦難の歩みは、現代の世界を見通す上でも、きわめて有益な示唆を与えてくれる。国際情勢が激動する今こそ、ぜひとも読んでおきたい一冊である。
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Posted by ブクログ
表面的な受験世界史では知ることができない、外交と戦争の連続性を見ることができる。
そして覇権が大英帝国からアメリカに移っていく様も実に面白く、現代に繋がる歴史の流れを知るという意味では必読書と思われる。(明治維新から日露戦争、第二次大戦敗戦から冷戦時代まで、日本は英米との関連が実に深い。)
日本人は島国ゆえに外交オンチと言われ、外交と戦争を別物に切り離して反戦を叫ぶようになったわけだが、本書で国際政治の勉強の入り口になればと思う。
無味乾燥な歴史本ではなく、中西先生のドラマティックな筆致が冴え渡ります。
Posted by ブクログ
もはや「古典的」と言われてもいいかもしれない本。
しかしイギリス中心史観に慣れてきた我々には、何か説得力があったことは確か。これと北川稔氏の本とを、読み合わせると・・・両署の違い、そしてそれぞれが優れている点、欠けている点が良く分かる。以下別途