あらすじ
成人式以来、着物には縁がなかったマリコさんが、いつしか着物を好きで好きでたまらなくなってしまった。着物友だちと「細雪ごっこ」をしたり、展示会に出かけたり……。時には失敗もして恥をかきつつ、身も心も着物にのめり込んでいったマリコさんの七転び八起きのストーリー。着物を愛するあなたも、まだこれからの人も、魔力を秘めた着物の世界に足を踏み出すと人生変わります!※新潮文庫版に掲載の写真は、電子版には収録しておりません。
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Posted by ブクログ
これまで私が着物に対して持っていたイメージは、
1)高そう
2)着るのがめんどくさそう
3)胸が苦しそう
4)友人の結婚式なんかで着物など着ていったらごちそうが食べられない・・・
でした。事実、大学の卒業式に袴を着たものの着崩れしてさんざんだったので、「二度と着物は着るまい」と思っていた。結婚の時の持参の着物も用意しなかったぐらい。
ところが、この本でそれらのマイナスイメージをふっとばして、「もう一回着てみてもいいなあ」などと思うほどになりました。着物ならではの色・柄・小物などのコーディネートの楽しみ方、展示会の賢い見方、わかりにくい着物の常識などが、わかりやすく書かれてあるのです。
面白いのは林さんの着物友達、中野翠さんの着物の着こなしについて。
<引用>
この柄にはこの帯といった店のアドバイスを、彼女独特のセンスで崩してしまう。それにロンドンで買ったアンティックのバッグをさげ、私と一緒に旅行した韓国で買ったレース編みショールを肩に羽織ったりする。「志ま亀」独特の古典模様が、そうすると最新のデザインに変わるから不思議だ。
こういう着こなしが可能ならば、着物の着こなしも楽しそうだなあ、って思う。その代わり、かなりセンスが良くないとただの悪趣味になってしまいますが。
しかし....やっぱり着物は高い。いくら本書に影響されて「着物に挑戦!」なんて思ってもそうそう簡単には手が出せない。
よーく考えてみたら、日本の伝統ファッションが、こんなに高くてどうするんだろう。チャイナドレスやアオザイがよっぽど安い。