【感想・ネタバレ】本を読む女のレビュー

あらすじ

万亀は本を読むのが好きなだけの平凡な女の子。しかし突然の父の死と戦争の始まりによって、彼女の人生は否応なく時代の流れに巻き込まれてしまう。進学、就職、結婚という人生の岐路において、常に夢や希望を現実に押しつぶされつつも、読書を心の支えに懸命に自分の人生を生き抜いた万亀。著者自身の母親をモデルに、一人の文学少女の半生と昭和という時代を描いた力作長編小説。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

林真理子の作品は、わりと新しいものしか読んだことがなかったので、
こういうものを書く人なんだ・・・と意外だった。

環境はまったく違うのだけど、万亀に重なる部分もあって、
悉く自分に置き換えて読んでしまって辛かった。
本ばっかり読んで怒られるとか、女で学歴が高いのはダメだとか、
背が高くて大女と呼ばるとか、年上だから結婚がダメになるとか。。。

万亀が成績が良いせいで、友人たちから「自分たちとは世界が違う」みたいなことを言われるところ、ぞっとした。
私は彼女ほど賢かったわけではないけど、昔同じようなことを言われてものすごく傷ついたから。

本好きな女の幼少期から30歳くらいまでを描いた作品。
その人生はなかなか厳しいものではあるけど、
最後の部分で救われた。

特に楽しい話じゃないけど、読んでよかったかな。

0
2012年06月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 たくましさ、いじらしさ、健気さとか。色んな言葉が似合う本。
 全部が生き生きしてて、苦しくなる。一番心に残ってるのは「しみじみとした絶望」って言葉。見た瞬間、泣きそうになった。
 万亀がとっても魅力的なキャラだからかな。等身大なのに、強くてかっこよくて、女の子の憧れの先輩って感じ。

 戦争とかあの時代に焦点を当ててる。「自分は万亀に比べたら恵まれてる」って最初は思ってた。だけど、「親に縛られてる」「男は嫌なのに、大切に思ってしまう矛盾」とか、私の悩みとそんなに変わらない。
 きっと万亀の時代に生まれていても、きっと私の悩みはそんなに変わらないだろう、って考える。
 それは本を読むから、ずっと自分は自分で、幸せでって思ってられるのかな。最後、いつも本は幸せを連れて来る気がして、今が幸せだと思える。

0
2022年09月17日

「小説」ランキング