あらすじ
流通vs銀行、家電vs光学機器、電気vsガス、フリーペーパーvs雑誌――成熟市場で「成長」を求める壮絶な戦いが始まった。予期せぬ競争相手の出現、破壊される収益構造など、進化するビジネスモデル戦争の本質を説く。
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Posted by ブクログ
BCG内田氏の著書。
コンビニ対銀行、トイレタリー対化粧品など
これまで交わる事の無かった異業種同士による
ビジネスモデルの戦いが始まっている状況に関して
どのように戦うべきか。
異なる事業構造を持つ法人が
異なるルール(競争ルールをあえて変えて)で、
同じ顧客、市場を奪い合う競争に関して論じており、
大変おもしろい。
敵を知り、己を知れば、百戦して危うからず
さすが、BCGという演繹的な展開で吸い込まれます。
--以下ネタバレ--
■異業種競争とは
・これまでの競争ルールが通用せしない
→これまでの競合なら、打つ手が想定できた。
異業種は、既存企業の創造を超えた戦い方を仕掛ける
・成功している企業ほど失うものは大きい
→販売ルートや生産ラインなど、莫大な投資による
資産を持った、既存企業は、失うことを怖がっていては
コンパクトな対応が可能な異業種の新規参入には勝てない。
■なぜ、今?
1.経済の成熟化
→市場の成熟化により、自社市場の拡大が見込めず
新規参入を余儀なくされる
→既存市場の新しい製品開発も、既存事業の市場開発も
どちらも異業種となる選択肢
2.ITの発展
→小売店の存在価値の希薄化
ITにより、小売店独自が保持していた製品情報・ノウハウ
などの情報格差がなくなってきている。これにより、ITと小売の異業種が発生
■異業種格闘技の分析
1.事業連鎖
→どこで異業種格闘が起こるか、想定される競争相手、
自社のチャンスなどを把握
2.ビジネスモデルの深堀→具体的な戦略の検討
1.より大きな(詳細な)バリューチェンを描く
自社をめぐる狭い範囲のバリューチェーンではなく
大きな変化を捉え、何をユーザが望んでいるか把握する。
それぞれのバリューチェーンで何が起こるか
①置き換え:ある要素が別の要素に置き換わる
(フィルム→SD、カメラ→デジカメ→携帯電話)
②省略 ③束ねる ④選択肢の広がり
2.どんな方法で戦いをしかけられるかを把握する
ビジネスモデルとは:顧客に価値を提供するときの手段と儲けの仕組み
(1)ビジネスモデルの構成要素
①顧客に提供する価値 ②儲けの仕組み
③競争優位性の特徴
(2)競合の儲けの仕組みを理解するのは重要
①コスト構造の違い②事業目的の違いから理解する。
①は、既存企業は既に多額の投資実績がある為、圧倒的に不利。
②は、顧客から見れば同じサービスでも、
企業によって事業目的は違い、戦い方は変わる。
例:マイクロソフトのオフィスとググールのフリーウェア
異業種格闘は、予期せぬ相手が、商慣習と全く違う
ルールで戦いを仕掛けられる。
業界ではなく、もっと広く括りで、かつ顧客起点で捉えておく
(1)What(何の価値を顧客に提供?)
→異業種は、顧客への提供する価値は同じでも手段が違うケースがおおい。
①同じ価値を同じ手段で提供→事業構造の違いから発生。
②同じ価値を異なる手段で提供→技術やビジネスモデルの違いから発生
③異なる価値を提供
→時間、空間、財布を奪い合う(一見競争していないように見えてガチンコ)
(2)Who(競争相手は誰か)
→他事業、ベンチャー、業界異端児
失うものがなければ怖いものはない。
競合が、どのような経験・経営資源かを理解し、備える
(3)Where(どのフィールドで戦う?)
①局地戦
→H.I.Sの戦略。かなり小規模から、大規模へ。
→大手企業のおこぼれをもらう(セブン銀行)
②全面戦争
→シェア合戦、デファクト戦争
☆★P.112のロジックツリーは脱帽
■勝ち抜くための戦略
1.どこにチャンスや脅威があるか(事業連鎖の再構築)
2.敵、己、顧客を知る(競争環境の再認識)
3.事業連鎖の中でどう稼ぐか(ビジネスモデルの確率)
4.敵を自分の土俵に引きずり込む(新ルールの確率)
1.レイヤーマスター:バリューチェーンの一要素に特化。
中抜き、結合、代替、選択肢を増やす、機能・価値の追加など
※事業連鎖の要素ごとに顧客のニーズと不満を検討
→宝の山と同時に、脅威となる
2.顧客に軸足を置く。
・事業目的の違いを認識せずに戦っても、勝ち目はない
・競争相手の存在を見落としてないか。時間、空間、財布
→競争相手との違いから、顧客に提供する価値が明確化
・自社のバリューチェンのどこに敵が挑んできたのかを把握する
この仕組みを継続させるには、4が重要。
新しいビジネスモデルの誕生は、新しいルールの誕生を意味する。
相手を新しいルールに引きずりこむ
★①事業連鎖をしっかり描く②競争相手のビジネスモデルを理解する
③自社の強みと弱みを再認識。必要なら自社のビジネスモデルを再構築
Posted by ブクログ
『黒船はなぜ現れるのか』
『ビジネスモデルの違いが競争を無にする』
金のなる木を見つけた企業が、長続きしなくなった現代を描く本。戦略とかを学ぶ際に1番最初に読むべきかも。
Posted by ブクログ
今までライバル企業では無かった異業種が、いつライバルになるか分からない時代になった。
それらの分析と対応などのフレームワークについて書かれた良書。
Posted by ブクログ
メモ:・アナロジーを用いる・バリューチェーンを中心に広い視野を持つ(保つ)
・視点①顧客②素人③ゼロベース発想(現在の価値連鎖を崩してゼロから考える)・リーダーの重要性(最近ではファーストリテイリングなど)
Posted by ブクログ
これまでの業界内の会社同士で競争していたものが、ある日異業種企業の参入により業界図が塗りかえられる。 昨今世の中ではその様な異業種との競争にさらされるようになっている。 本書では、これまでの異業種の参入の事例を挙げ、異業種競争の脅威を解説しつつ、「事業連鎖」というキーワードの元、これからの企業が考えるべきビジネスプランの推奨を行っている。
実例としては、
・音楽メディア業界における変遷: レコード→CD→インターネット配信
・カメラの変遷: フィルムカメラ→デジタルカメラ。
などを挙げ、商品におけるバリューチェーンの変化、商流の変化などにより、業界構造の変化することを解説。
その中で、どの様に業界変化を読み取り、次なる手を打ってゆくかが重要となる。
本書の中で参考になった部分をあげておく。
異業種競争における戦い方はWhat,Who,Whereで分類される。
1) 何(What)を顧客に提供しているのか?
① 顧客に「同じ価値」を「同じ手段」で提供する。
② 顧客に「同じ価値」を「異なる手段」で提供する
③ 顧客に「異なる価値」を提供する。→ 時間・空間・財布を奪う
2) 誰(Who)が競争相手なのか?
① 他業界からの参入者
② ベンチャー企業の参入
③ 業界異端児
3)どこ(Where)で戦うのか?
① 局地戦
② 全面戦争
異業種格闘技を進めるための戦略構築手法は以下の通り。
Step1 どこにチャンスや脅威があるのか?→ 事業連鎖の再構築
Step2 敵を知り、己を知り、顧客を知る → 3Cの再認識
Step3 事業連鎖の中でどの様に稼ぐか? → ビジネスモデルの確立
Step4 敵を自分の土俵に引きずりこむ → 新しいルールの確立
環境の変化、技術の変化によりビジネス環境は刻々と変化している。 今までやってきたことが今後は通用しない可能性が大きい。 常に業界動向を注視し、既成概念にとらわれないものの考え方を持つ必要性を感じた。
Posted by ブクログ
「異業種格闘技」
企業間の競争がかつてのような「業界」内のものじゃなくなり、予想もしないような企業が競争相手として名乗りを上げてくるようになること。
簡単な文章で、わかりやすいフレームワークを用いていて、内容も理解しやすい。授業のいい復習になった。
Posted by ブクログ
異業種競争と言うのは以前からあった話です。映画館で映画を見る人が減っているのは、映画業界の競争によるものではなく、余暇の過ごし方のスタイルが変わってきたということでしょう。このように、成熟した社会では、競争相手は業界内にはなく、時間や空間や金や、もしかしたら情報など、さまざまな要素が競争のファクターになり、その相手は、全く予想もしなかった分野となるわけです。
したがって、レコード会社がipodなどの音楽配信が競争相手と言う例はあまりに業界が近すぎて、ある意味、少々つまらないと感じて読んでいました。しかしながら、そこに視点を当てることで、戦略を練ることができると言う、なかなか面白い展開になっていました。
どのように、この異業種競争に戦いを挑むのか?
さらに、その戦略と求められるリーダーシップを述べています。
競争相手は、モノではない。時間を奪うもの、空間を奪うもの、財布を奪うものである。これは重要なことだと再認識。
最後にフランスの文学者、マルセル・プルーストの言葉があったのがいいですね。
「本当の発見の旅とは、新しい土地を探すことではなく、新しい目で見ることだ」
でも、取り上げている例は、そんなに新しい目で見ているとは思えなかったりしますが・・・。しかしながら、まずは読んで損はしない本。
Posted by ブクログ
顧客、カスタマーとクライアントそれぞれにとって本質的な価値はリクルートやJSと全く同じでは?!事業目的を何と置くのか?
→応募数ならリクルート、採用数ならJSになってしまう、、、さらに対JSで言えばコスト優位性もない
広い視点で業界を見直すこと、業界を消費者目線で見直すためにも事業連鎖を考えることが重要
ビジネスモデルの構成要素は、顧客に提供する価値、儲けの仕組み、競争優位性の持続
競争相手の儲けの仕組みをきちんと把握するためには、コスト構造、事業目的の違いを認識する
何を顧客に提供し、競争相手は誰で、どこで戦うのかの3つのアプローチ
競争相手は誰かをはっきりさせることは、顧客に提供している価値は何かをはっきりさせること
異業種格闘技の戦略構築手法として、
1.どこにチャンスや脅威があるか
2.敵を知り、己を知り、顧客を知る
3.事業連鎖のなかでどう稼ぐか
4.敵を自分の土俵に引きずり込む、新しいルールの確立
Posted by ブクログ
分かりやすく異業種の参入障壁(企業の異業種間競争)を書いている。
国内に目を向けると確かに元来の業種という垣根を超えて、イチ企業がコングロマリット化しているように感じる。同時に、他業種からの参入競争に打ち負かされた既存の企業は、厳しいビジネス環境を強いられているのは言うまでもない。
10年〜20年という期間で大きく企業や経済、社会は変化している以上、「断捨離の気概」とそれを英断するリーダーシップが必要。
面白い。
Posted by ブクログ
社会環境が大きく変化し、ビジネスのスピードも急速に早まっている現代、競争の形自体も非常に複雑になってきています。同じ業界内に閉じて競争関係を見ていては、いつの間にか足元をすくわれてしまうことも少なくありません。10年以上前から業際化、という言葉は使われてきましたが、近年はより顕著になっているのです。その一つの結果が、iTunesなどのコンテンツ配信サービスが普及したことによる、音楽業界(とくにCD関連)の衰退です。
では、どうやってこれだけ複雑な競争環境で生き残っていくか。そのためにはビジネスモデルの創造的破壊を行い、そして新しい可能性を開いていくことが必要になります。この「異業種競争戦略」には、そのためのフレームワークが整理されており、経営戦略・事業戦略を考えるためのベースとすることができます。
以下、解釈と要約です。
○異業種間競争とは
異業種間競争とは
・異なる事業構造をもつ企業が
・異なるルールで
・同じ顧客や市場を奪い合う競争
と定義されます。競争の最大のポイントは“バリューチェーン”と“ビジネスモデル”。この2つをどのようにデザインするかがかぎになります。
○バリューチェーンの再構築
まず、異業種間競争を戦っていくには、対象の市場でのバリューチェーンの再定義が必要となります。生産から消費までの一連の流れ、ライフサイクルをデザインしなおすのです。もともとあるバリューチェーンの構造に変化を加えることで、自分の強みを活かして戦える環境を作ってしまうことが目的です。そのためには
・省略 : プロセス・ステップを減らす
・束ねる : プロセス・ステップをまとめてしまう
・置き換える : プロセス・ステップをまとめてしまう
・選択肢の広がり : プロセス・ステップの選択肢を増やす
・追加する : 新たなプロセス・ステップを作る
という5つの方策が取れます。
○ビジネスモデルの再検証
バリューチェーンをふまえたうえで、ビジネスモデルの再検証を行います。そのためには自社と競合について、以下の点について調べ・比較することが必要になります。そして相手の弱い部分に自分の強みをぶつけに行くことが必要です。
・顧客への提供価値:
- 同じ価値×同じ手段
- コスト構造の違い
- 事業目的の違い
- 同じ価値×異なる手段
- 技術の違い
- 提供プロセスの違い
- リアル/サイバーの違い
- 所有/利用の違い
- 異なる価値×異なる手段
- 時間を奪う : 顧客の時間を占有する
- 空間を奪う : 顧客がいる場を占有する
- 財布を奪う : 顧客が使うお金を占有する
・競合関係の把握:
- 他業界からの参入者
- ベンチャーの存在
- 業界の異端児・イノベーター
・戦う場所・戦い方のスタイルの把握:
- 局地戦
- スモールスタート
- コバンザメ戦法
- アキレス腱を突く
- 全面戦争
- シェア競争
- デファクト・スタンダード
- 市場リプレース
○ビジネスモデルの確立
ビジネスモデルを再検証した上で、あたらなビジネスモデルを確立していくことが必要です。そのためにはまず、顧客に提供する価値を定義し、そして儲けの仕組みを確立することが必要です。顧客に提供する価値、とは「顧客が何をしたいか」を突き詰めた結果から得られる、最終的に顧客が得たいと思っている価値、を捉えることが必要です。
儲けの仕組みとしては、大きくは4つのパターンがあります。
・トールゲート(料金所) :
利用量に応じて課金する仕組み。
だれもが利用するサービスや商品に有効。
・イネーブラー(撒きえ) :
自分のサービスに誘引する仕組みです。
フリーミアムが該当するでしょう。
・エンラージメント(拡張) ;
一度取り込んだ顧客とのビジネスを広げる仕組み。
プレミアムサービスを用意しているパターンが該当します。
・ブロックプレイ(妨害) :
競合の商品を選択しないように仕向ける仕組みです。
顧客の選択肢を自社に向ける、囲い込み戦略です。
○新しいビジネスのルールを確立する
確立したビジネスモデルは、競争優位性を発揮し、維持していくことが必要です。しかし、ビジネスは相手のルールに従っていたのではなかなか競争優位性を発揮することはできません。そこで取るべきアクションは、ビジネスのルール自体を新しく作ってしまうことです。そのためには
・潜在ニーズを顕在化させて、ルールにしてしまう
⇒ 顧客に新しい価値観・常識を作る
・顧客の問題を解決して、ルールにしてしまう
⇒ 顧客の目を新たな解決方法に向けさせる
・顧客を細分化して、ルールを作る
⇒ よりニッチなニーズを押さえてローカルルールを作る
という3つのアプローチがあります。
○実現にはリーダーシップが求められる
バリューチェーンを再定義し、新たなビジネスモデルを構築して、異業種競争に挑んでいくにはリーダーシップは必要不可欠です。そのためには「道を示す」こと、つまり
・ゴールを示し
・戦い方・進め方を明らかにし
・広い視野をもって将来を見据る
ということがまず必要です。
その上で
・実行力
・スピード
・柔軟な思考力
・変化対応力
をもって成果、つまり競争に勝つことが求められるのです。
では、そのために必要なリーダーの素養とは何でしょうか。この本では、
・先見性
・勇気
・現場力
をもった、諸葛孔明のような聡明さと、関羽やち張飛のような行動力・突破力が必要としています。同様のことは、野中郁次郎氏は「知的体育会系」「フロネティック・リーダー」といった表現をしています。激しい競争にさらされている現在、考え・動けるリーダーでなければ、もはや成果を得て、競争に勝つことは難しくなっているのです。
Posted by ブクログ
競争は、同業だけとは限らず、今まで競合するとは考えられなかった相手の競争が今後ますます多くなることを、具体的な事例によって紹介されている。
特に、事業連鎖は興味深い。単に、自社のバリューチェーンだけでなく、もっと広い視野で考えないと、川上または川下で再編が行われた場合、自社が取り残される危険性がある。逆もあり。
今日勝って良かったではなく、明日さらには二年後、十年後も勝つためには、新しい目が必要。
好奇心を持って、町へ出よう。
Posted by ブクログ
事業のバリューチェーンを固定的に捉え、決まった競争相手だけを意識していれば良い時代ではない。
事業を連鎖的に捉え、競争相手を広く捉えて戦略を設計する必要がある。
その手法は‥
Posted by ブクログ
【より大きなバリューチェーンを描く】
業界全体と自社、それに関連するバリューチェーンなど事業連鎖を意識する。
【消費者起点で事業連鎖を考える】
ニーズを起点としてバリューチェーンを右から見る。本当に無くてはならないものが大切で、手段は問わない。
【バリューチェーン構成要素の変化】
1:置き換え
ある要素が別の要素に取って代わる。
ex.フィルム→メモリーカード
2:省略
ex.デジカメ登場→現像取り次ぎ店不要
3:束ねる
ex.インスタントカメラ→フィルム+カメラ
4:選択肢の広がり
ex.パソコンやテレビで写真を見る。
5:追加
ex.携帯カメラで写真を撮ってその場で送信。
【事業連鎖のビジネスモデル】
1:顧客に提供する価値
誰に何をどのように
2:儲けの仕組み
コスト構造の違い/事業目的の違い
3:競争優位性の持続
【業界融合】
まったく異なる業界と融合してしまうケース。
ex.パソコンで音楽を聴く人が増えてきた。
コピー機とプリンターが融合。
【従来の価値と新しい価値】
これまでと異なる新しい手段を用いる事で、従来の手段と比べて、どのような特徴ある価値を提供できるか。
1:両者がほとんど同じ価値の場合
顧客が新しい手段に移行するインセンティブなし→価格競争
コスト競争力が無い場合負け必須。
2:プラスαの価値
以前のものに比べ価値向上が明らか
3:特徴的な価値
基本的価値以外に新たな価値を生み出す
真の競争相手を明確にする事は「顧客に提供している価値は何か」をはっきりさせることでもある。
「本当の発見の旅とは、新しい土地を探す事ではなく、新しい目で見る事だ」
Posted by ブクログ
内田さんは分かりやすい本を書かれるなぁといつも思う。
ポーターの5フォース分析の中の新規参入者を異業種にまで拡大した。
例
カメラメーカー戦いがデジカメの開発によって家電メーカーという新しい競争者を生む。(もしくは将来車の開発も自動車メーカーだけでなく家電メーカーが参入するなど)
セブン銀行という引き出し手数料で利益をあげる新しい"銀行"の出現
レコード業界とiTunes、有料のマイクロソフトと無料のグーグル
このようなこれまでその業界と関連のなかった業界が新たに参入するということは珍しくないがこれを"異業種格闘技"と定義し、それらの特徴を具体的をあげながら分析。
自分がこれから働く時に内田さんのように
事象の現状認識、事象の構造分析、未来予想を簡潔にまとめあげるようにすることは必須だと思う。聞いた時にハラに落ちるような提案をしたい。
メモ
バリューチェーンから見た異業種格闘技の発生ポイント
コスト構造の違い、事業目的の違いから分析
価値と手段の違い(同じ or 違う)
誰との戦い?局地戦と全面戦?
みずからのルールに引っ張り出す。
Posted by ブクログ
IT技術の向上と市場の成熟により今までの同業種どうしの競争だけでなく、異業種との競争により戦い方のルールまで変わってしまう。企業の大小や情報量も大事ではないとまでは言わないがこれからは知識ではなく、知恵と決断の速さが優位性を決めてしまう。
Posted by ブクログ
ビジネスモデルについて考えさせられる本。Freeと同じような論点の本です。Freeは文章が読みにくいと私自身は感じましたが、こちらは著者が日本人のため読みやすいです。
Posted by ブクログ
異業種競争。
そう言われてみれば、確かにそういう時代になっているなーと。
もうフィルムカメラやレコードはほとんど使う事が無いし。
本も家電も本屋や電気店で調べた後、ネットで購入することが多いし。
異業種間競争やリアルvsバーチャルの構造は今後も続くのかなーと思ったりします。ただ、個人的にはインターネットの次の技術革新に期待したいなーと思います。
Posted by ブクログ
業界という枠組みを超えた闘い、異業種格闘技における競争構造を事業連鎖で読み解いた一冊。日本経済の成熟化による新市場への進出(デジカメ業界でのSONY、PANASONIC(家電)vsNIKON、CANON(カメラ))や情報革命の進展(IT技術による置換、ex.携帯カメラ)がその要員。顧客への提供価値、儲けの仕組み、競争優位の持続というビジネスモデルの3要素を確立し、ルールを作れ、というのが本書の主張。コスト構造の違いは分かるが、事業目的の違いは盲点。MSとgoogleの違い。前社はアプリケーションソフトを売りたい。後者はオマケに対する戦い方の違いは勉強になる。事業目的の違いを理解せずに機能競争を仕掛けても勝ち目のない戦い。戦いを仕掛けるべきではないという筆者のコメントが頭に残った。
Posted by ブクログ
■概要
最近読んだ本の1冊です。
レビューはまた改めて。
■仕事に役立つ点
<あし>
■概要
元ボストンコンサルティング日本代表が記した、競争戦略に関する書籍。
近年業界の枠組みを超えた”異業種格闘技”が激しさを増すなか、従来のバリューチェーンに留まらず、周辺事業を含めた「事業連鎖」で読み解くことで、構造を解明し、来るべき競争に備える方法を具体的に示している。モデルが平易で理解しやすく、事例豊富で納得感がある。
■仕事に活かせる点
帯はずばり、「あなたの事業に明日はあるか?」。既存事業に胡坐をかいていて、気がつけばお客様は競合(というより他の周辺事業)に奪われていることもめずらしくない昨今。競合は何を考えているのか。自社は何を志向し得るのか。答えはないが、考える糸口を得ることができた。
(千)
・・・・・・・・・
■仕事に活かせる点
バリューチェンだけでなく、事業連鎖で見るという点は、なるほどな、と思いました。
マーケットというのは、どのように自社の商品、サービスを捉えるかということにかかっているというのは、従来のマーケティングの考え方ですが、顧客の視点から事業の連鎖を捉え、その中で業界の変化や競合企業を考える、という視点は新鮮でした。
レコード針メーカーの例や、フィルムメーカーの例(イラスト)は参考になるので一度見てみてください。
非常にわかり易く整理されています。
将来の顧客は誰か?将来の競合は誰か?そんなことを考える切欠になりますね。
(はっせー)
Posted by ブクログ
異業種格闘技とは異なる業種の企業が異なるルールで顧客を奪い合うこと。例として富士フィルム・ソニー・カシオなどのデジカメ参入。生き残っていくにはリーダーシップが必要。今後異業種格闘技は必然。現状分析にはよい本だと思います。
Posted by ブクログ
とても読みやすい。さらっと、つまることなく読める。
社会が成熟すればするほど、異業種間の競争は増える。
著者は、異業種間競争を異業種格闘技と呼んでいる。
以下、抜粋となるが、ドキッとさせられた。
『(音楽業界における事業連鎖において)絶対になくてはならないのは「ミュージシャン」と「消費者」だけ。そのあいだにある要素は手段であり、レコードでもCDでも音楽配信でも何でもよいのです。』
己が提供している製品やサービスのみならず、バリューチェーンの川上と川下、消費者が何を欲しているのか?をより強く意識せねばならないことに気づかせてくれる。
Posted by ブクログ
講義『競争戦略研究』の参考文献。2009年の本なので、まだスマホ以前の競争環境のため、事例は少し古いが、異なる業種・ビジネスモデル同士が同じマーケットで競争するという、この本の要諦は今でも有用だと思います。
Posted by ブクログ
さまざまな分野で技術革新によりバリューチェーンに変化が起こっている。
変化やパラダイムシフトを見逃さずに時代に合わせた経営をすること。
経営は、常に新しいものを目指さないとならないので結構疲れるものだ。
サービス業の場合、本質は人と人とのコミュニケーションの良し悪しだから心を大事にするという普遍性がある。
Posted by ブクログ
コンビニがATMをやる、電機メーカーが音楽配信する、フィルムメーカーがデジカメを作る、検索エンジンの会社がアプリケーションソフトを提供するなど、異業種からの殴り込みを分析した本
バリューチェーン(活動のつながり)の概念を拡張した、事業連鎖(業界のつながり)という枠組みで、異業種競争を類型化すると、パターン化できる。機能を置き換える/束ねる/省略する/広げる など
(バリューチェーンと事業連鎖って使い分けが難しくない?あるいは、混同して使っている人いない?)
異業種からの殴りこみは、そもそも事業目的、戦い方が異なり、自らの強みを打ち消すようなやり方も少なくない。グーグルにおけるアプリケーションソフトの位置づけなど
とまあ、わかりやすく体系化されて説明されている訳だが、
実際ここにある企業達は、おそらくこんなフレームワークで事業を考えているわけではないわけで、多くの失敗企業を含めた膨大なトライ&エラーに立脚していると思う。
こういった枠組みがあると、スピード・精度が高まるということなのかな?
まぁ、経営戦略を信じる立場としてはそうあって欲しい。
で、生き残れる企業というのは、こうした異業種への殴り込みあるいは、殴り込まれることを日常的に考えることが出来る企業だと思うわけ。
これは、凄く難しいことだと思っていて、何故なら、今取り組んでいる主力事業でどう利益を作っていくか、そのためにどう高度化していくかというのを日々考えつつ、それを壊すこと、捨てること、別の業界に殴りこむことを考えるってのはかなりしんどいはず。
子会社なり、研究所なりで意図的に組織を分けるか、良い技術を目利きして、買収するか、市場から短期的な利益を求められがちな企業にとっては実に難しい
このあたりがイノベーションのジレンマということなんでしょう。
Posted by ブクログ
出た頃に読んだつもりだったけど、実は未読だった本。
新しいことを書いているようで、既存の戦略論を別の視点から解説してある本。
競争戦略といっても、ポーター的競争戦略を前提として書かれている。
だから、業界というものを前提としており、また、バリューチェーンを分解していくと異業種競争のようなものが上手く解説できるといった内容。
RBVやコンピタンス的な視点からみれば割りとすんなり説明できる気がしなくもない。
けど、内田さんの本は読みやすい。すげー当たり前のようなことを「そうだったのか!」と思わせちゃう書きぶりはやっぱコンサルタントだなあ。
具体的なケースに落とし込んで解説もしてあるので
戦略論を学んだばっかりとか、久しぶりに戦略論の本読もうかなあという人にはちょうど良いと思う。
解説もちょうど良い温度だと思います。
Posted by ブクログ
タイトルのとおり、競争戦略を同業界・業種に限らず「異業種から参入してくる脅威に対して、どうそれを察知・把握し、どう戦略を立てるべきか」を説いている。
従来のバリューチェーンではなく、事業連鎖“ビジネスチェーン”とでも言うべき新しい概念で自社の競争環境を広く見ている点が面白い。
内容も銀行、カメラ、旅行、音楽業界などからセブン銀行、HIS、Appleといった日常でも馴染みのある企業を取り上げながらその業界で何が起こったかの事例と共にわかりやすくまとめられているため非常に読みやすい。
著者曰く、経済の成熟と情報通信技術の発達により各企業が業界を超えて他の領域に進出し“異業種競争”が頻発しているとあるが、まさしく視野を広く持ちながら自事業を見つめることができなければ競争優位は保てない。競争戦略の入門として若手が読むには程よい内容。
■学んだこと
・なぜ事業連鎖か
①業界内外の変化を見落とさないため
②消費者が何に対してお金を払っているのかを確かめるため
・ビジネスモデルの構成要素
①顧客に提供する価値
②儲けのしくみ
③競争優位性の持続
・戦略を考える5つの切り口
①省略・・・中抜きをする
②束ねる・・・結合する
③置き換え・・・代替する
④選択肢の広がり・・・選択肢を増やす
⑤追加・・・新しい機能や価値を付け加える
・「本当の発見の旅とは、新しい土地を探すことではなく、新しい目で見ることだ」 マルセル・プルースト
Posted by ブクログ
テクノロジーの発達によって、今までは必要だった流通経路やツールが不必要になり、多くの業界がビジネスモデルの再構築をしなければいけない時がきてる。これまでだと絶対に競合しなかった、業界、企業が競合するようになっている。手段や商品、過去の成功にとらわれることなく、消費者は何を欲しているのか、何に時間とお金を使っているのかという視点を持つことが重要になってくる。