あらすじ
ベルリンのレジスタンスグループに無線機の部品を運び、ナチス高官の自宅に盗聴器を取りつけよ――。第二次世界大戦が勃発して約2年。チャーチル英国首相のタイピストから、エリザベス王女の警備役を経て、ついにスパイとしてベルリンへ送り込まれることとなったわたし、マギー・ホープ。そこで待ち受けていたのは、予想をはるかに上回る困難、そしてわたし自身の過去の問題だった――。読み手の予想を大胆に裏切り続ける、大展開に次ぐ大展開のストーリー! 赤毛の才媛マギーの活躍を描く、読み出したら止まらない、大好評シリーズ第3弾!/解説=大矢博子
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Posted by ブクログ
シリーズ第三弾。
ついに、スパイデビューを果たすことになったマギー。
そのミッションは、ベルリンにいるレジスタンスグループに無線機の部品を渡すことと、ナチス高官の自宅に盗聴器を取り付けること。
準備万端で単身ドイツに潜入したマギーですが・・。
他の方のレビューにもありますが、可愛い表紙とライトなタイトルにはそぐわない、ヘビーな内容となっております。
前作で、マギーの母親・クララがナチスの高官だったという事が明かされたのですが(という事は、マギーはイギリス人とドイツ人とのハーフという事ですね!)、本書では、そのクララの娘でマギーとは父親違いの妹となる、エリーゼの視点で語られるナチス支配下のドイツの様子がフィクションとはいえ、かなり考えさせられるものがありました。
ナチスのユダヤ人弾圧は有名ですが、本書で書かれていた“劣等人種”認定されてしまった子供たちへの所業(「T4作戦」と呼ばれていたそうです)には読んでいて胸が痛くなりましたね。
さて、マギーのスパイ活動ですが案の定というか相変わらずすぐ感情的になるわ、自己判断で勝手な行動するわと、まさにスパイにあるまじき行動の数々・・。
今回ベルリンでマギーと組まされたゴットリープがお気の毒で、彼の悲惨な末路はマギーのせいですよね。
とはいえ、イギリス側の責任者の方々は“結果オーライ”主義のようで、毎度のことながらマギーに甘い傾向です。
そして、生きていた元カレ・ジョンと再会したことで、後々恋愛面でも修羅場になったりと、公私ともに大変すぎて身も心もボロボロになったマギーでしたが、これを機に成長してくれることを期待します。
いつかエリーゼと再会できる日が来ると良いですね。