あらすじ
風ヶ丘高校の旧体育館で、放送部部長の少年が何者かに刺殺された。放課直後で激しい雨が降り、現場は密室状態だった!?早めに授業が終わり現場体育館にいた唯一の人物、女子卓球部の部長の犯行だと、警察は決めてかかるが……。死体発見現場にいあわせた卓球部員・柚乃は、嫌疑をかけられた部長のために、学内随一の天才と呼ばれている裏染天馬に真相の解明を頼んだ。内緒で校内に暮らしているという、アニメオタクの駄目人間に――。しかしなぜ彼は校内に住んでいるのだろう?“平成のエラリー・クイーン”が単行本版より大幅改稿で読者に挑戦!第22回鮎川哲也賞受賞作。/解説=辻 真先
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謎解きに挑戦したけど惨敗!
まったく解けませんでした。面白かった!
読み終わった後、もやもやした疑問点をコメントしてます。
重箱の隅をつっついて遊んでます。
◆傘は濡れて、乾いて、濡れて
・最終的に下手側の男子トイレに傘が閉じられて、水浸しになっていた。
上手にある時は、濡れていない。
『犯人はこの傘で朝、登校してきてる』
湿り気を帯びた傘が5分以上ポスターの上にあった時、ポスターに影響はないのか。
『この傘はいつ乾いたんでしょう?』
『濡れたままの』傘を朝に使って、放課後には乾いているものだろうか。
・犯人が朝に別の傘を使って登校?
普段はビニール傘で登校していた。備品室にあるような無個性のもの。
黒の高級傘は朝は使わず乾いていた? それは置き傘だった? 生徒会備品室に隠していた?
・学校に傘乾燥機があったから乾かした。
・几帳面な犯人が朝に使った傘の水滴をタオルなどで拭った。
・昇降口に半日置いて、自然乾燥で乾いた。
◆昇降口に傘と靴があった?
・ビニール袋に入れた白いシューズは、犯人の靴? 備品の運動靴?
朝に履いてきた濡れた靴をビニールに包んで持ち運んで、犯行後に上手の裏口から脱出するつもりだった?
だから、傘とセットにして上手に置いていた?
外履きの靴の汚れが証拠になるからビニール袋で保護した?
・仮に外履きの靴と傘が昇降口にある場合、濡れないように持ち歩くには、
第一校舎(昇降口)
↓
わたり廊下
↓
第二校舎
↓
渡り廊下
↓
第三校舎
↓
渡り廊下
↓
旧体育館
このルートになるから、黒い傘とビニール袋(靴)を持つ人は目立ちそう。
5限と6限の間の休み時間に運んでおくことも考えたが、早くに終わった6限授業よりも人目につきそうだ。
◆6限授業が早く終わることを予知できたのか?
2年D組が早く終わることで先回り、待ち伏せが可能になった。
3年の朝島は約束の時間に来るだろう(放課後、直行で来た03:03)
早く授業が終わらない場合、『ほぼ同じタイミングで、旧体育館に入ることになったのでは?』
『犯人は優秀だったので、6限目の教員がいつも早くに授業を切り上げるため、計画に組み込んでいたのかも』
犯人もトリックもわからなくて悔しかった!
それでも楽しめるのがいいね。
Posted by ブクログ
サクサク読めて面白かった。
動機に関しては、「そんな事ぐらいで殺人を犯す?」とは思ったけれど、そこに至るまでは一気読みしました。最後の最後に「おお、そうくるか」というところまで楽しかった。
普段はダメ人間なのに実は...というのは、金田一少年の事件簿のはじめちゃんが頭に過ぎりました。
途中で差し込まれる読者への挑戦状もワクワク。
私は挑戦をスルリと抜けて、すぐに解決編をよんでしまったけど、解決編を読んでから再読するのも、またアリかもしれない。
シリーズ物なので、続きも読んでみたい。
肩の力を抜きながら、でも読み応えのある作品を読みたい時にオススメです
Posted by ブクログ
舞台は 嵐ヶ丘高校。ある放課後、校内の 旧体育館 で放送部部長の 朝島友樹 が殺された。広くて見通しが悪い旧体育館での犯行は一瞬で行われ、決定的な目撃者はおらず、警察も動機すらつかめないまま捜査は難航する。高校一年の“奇才” 裏染天馬が調査に乗り出す。天馬は、現場の状況(当日は大雨、遺留品の傘・DVD・鍵)、部活動や生徒たちの行動時間、証言を丁寧に洗い出していく。ラストの詰将棋は天馬の才能が爆発した。が、この作品は動機が若干弱いかな?そしてトリックが地味でミステリの形式としてはオーソドックスだった。④
Posted by ブクログ
「殺人を彩るにふさわしい異様も、狂気も、怪奇も、猟奇もここにはない」
上の通り。なんだか気の抜けるタイトルだな〜と思いながら読み進めていると影の薄い登場人物がわんさか出てきて『月光ゲーム』を思い出した。著者もあきらめ気味の「読者への挑戦状」を読んでも、ページを戻るようなことはせず、解決編に進んでしまった(苦笑) 解決編では著者のロジックに対する情熱がヒシヒシと伝わってきて火傷しそうだった。傘を起点にしたあまりにも鮮やかなロジックを披露した本作に対して、人間が描けていないというのは褒め言葉だろう。江戸川乱歩賞だったらおそらく選ばれない。これを受賞させた鮎川哲也賞はやはり素晴らしい賞だと再認識した。
読んでいてフーダニットの楽しさを思い出したが、何気に密室の出来もいいと思う。
人間の行動が必ずしも論理的でなく、偶然性を内包する限り、一点の曇りもない完璧なロジックを構築するなんて不可能なのではないか?その気になればいくらでもイチャモンがつけられるのでは?と本格推理の限界も感じた一作。折りたたみ傘はケアして欲しかったけどね。
Posted by ブクログ
なんでこの本を読もうと思ったのか忘れちゃいましたが、家にあって目についたので読んでみました。ちなみに作者は初めましてでしたね(地雷グリコも未読。。。)
個人的にはなんだか久しぶりの、オーソドックスな密室殺人事件。結果的には、様々な偶然と犯人の臨機応変な対応でできてしまった密室という事だったけど、しっかりと消去法でロジカルに犯人に辿りつきましたね。多少のあれはあれど、そんなに無理矢理でもなく推理はすっと入ってきて爽快でした。
そして、この作品のハイライトは、エピローグを読んでからのプロローグの再読。なにやら、分かりづらいプロローグだったけど、最後に読んだら完全に分かる仕組みね、そういう事だったのねー。作者にやられちゃいましたね。