【感想・ネタバレ】津波の墓標のレビュー

あらすじ

大雪の中、野ざらしの遺体を一人見守る自衛官。娘の生死を巡って激しく口論する夫婦。幽霊が出ると噂のある川原に駆けつける遺族。娘の遺体に遺品の携帯電話を供えて祈る夫婦。土葬した遺体を掘り起こして火葬し、供養する僧侶……。釜石市の遺体安置所に焦点をあて、絶大な評価を得たドキュメンタリー『遺体』の著者が、同作では描けなかった小さな物語をすくいとったノンフィクションが本書です。マスコミが報道してこなかった震災の真実を、つぶさに取材してきた石井光太が、震災の果てに見出した希望とは……。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

今までに読んだ震災関係の本はおよそ“良い話”でしたが、本作は影の部分にもスポットが当てられている、という印象。火事場泥棒や、被災者によるボランティアスタッフへのセクハラなど、読んでいて嫌な気分になるところも多々。また、凄惨な現場の描写も読むのがとても辛い。

けれど、どれも目を背けてはいけない現実なんでしょうね。

そうした点で必読感はあるものの、本作の非常に残念な点は、報道する側の人間は時として被災者の意向に反して傷ついた現場の状況を写真に納めたりレポートしなくてはならないことを、「もっと酷いことをしてる(一般の)人がいる」と言い訳していたこと。

そこは罪悪感を持ちつつも、言い訳すること無く使命感を優先させて断行して欲しいところ。言い訳するくらいなら、そんな仕事止めちまえと思っちゃうわけで。

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2015年04月12日

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