あらすじ
昭和20年代――。終戦まもない日本で、懸命に生きる一人の少女がいた。沢田麻紀、17歳。職業は“バスガール”。バスの車掌を務める少女のことである。ひたむきに仕事に打ち込む中で、様々な人と出会っていく。戦争の傷跡が色濃く残る時代、前を向き生きていく、感動の物語。
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戦後の街
でも主人公の頑張りは、今と何も変わらない。
懐かしい街並みにほっこりしながらも、厳しい時代があったことを身近に感じられて、日本を立ち直した全ての人に感謝したい気持ちになりました。
最後はちょっと泣いたな…
もう少し続きが読みたい。一巻だけなのがもったいないです。
Posted by ブクログ
昭和20年代の戦後、バスガールの少女を主人公にした連作短編集。どうもかつてはこういった「バスもの」「職業もの」の伝統があったと思われるが、本作はその伝統にのっとって、現代にも通じるメッセージを描こうとしている。かつての・・・おそらく東京オリンピック以前までの日本映画や小説には、「有りがたうさん」「暁の合唱」などバスガールやバス運転手を主人公にした映画や小説が定番として存在していたようだ(谷口千吉「吹けよ春風」ではタクシー運転手が狂言回しとなっている)。それにしても昭和30年代までの日本映画を観たあと、そのまま読んで違和感を感じないような作品を現在描け、なおかつ同時代性をも感じさせるのは、ただならないことである。考証の緻密さという意味だけではなく、人間の生活を含めた空気をいま「再話」しているのだろう。