あらすじ
人の評価が常に気になる。どこかで今以上の何かを期待している。すぐに成果がでないと不安。無駄なことはしたくない。――こんな感情に人は、「依存の心理」が垣間見える。どこか不安で自分に自信を持てないのは、「心の自立」ができていないのでは?本書では、ありのままの自分という存在に自信が持てるようになることで、その自信が心の支えになるとアドバイス。自分自身を認め、本当の心の自立をすることで、逆境に折れない生き方を学ぶ。他人にどう思われるかではなく、自分がどう思うかを大切にすれば、不安はなくなる。
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Posted by ブクログ
一言結論:
多くの日本人の根底にある心理状態の仕組みと原因が論じられた良本。自分を分析するためぜひ一読を!
感想:
人が幸福に生きていくことができない。その理由を、「母なるもの」である心の支えの欠如から社会的に起きがちな状況と絡めてよく考え抜かれ説明されています。こういった本を読んで自分の置かれた状況を冷静に分析するところからスタートする必要があると思います。
この本は、その支えがないのに頑張っている多くの人に自分の凄さを認めるよう促していますし、第二の誕生という言葉で生き方を変えることもできるという解決策まで提示していて非常に前向きです。
個人的にはすごく役立つと思うのですが、この本で対象になっているような方々が果たしてこの本に出会い、小難しい論理を自分ごととして受け止めきるかどうかは残念ながら若干疑問です。間口を広くする大切さも痛感します。
著者は本の中で幾度か心の支えとして信仰や神の存在に触れています。無条件で愛してくれる「母なるもの」が実際の母親でも現実的でないなら、むしろ神の存在は前向きに生きる上で最も現実的ということになるのは理解できます。
ヨハネの第一の手紙4章10節
「私たちが神を愛したというより,神が私たちを愛し,私たちの罪を償う犠牲としてご自分の子を遣わしてくださったのです。これこそが愛です。」
いずれにせよ疲れた日本人にはこういう本がもっと必要だと思わせてくれる良い本でした。