あらすじ
深夜二時四十六分。海沿いの小さな町を見下ろす杉の木のてっぺんから、「想像」という電波を使って「あなたの想像力の中」だけで聴こえるという、ラジオ番組のオンエアを始めたDJアーク。その理由は―東日本大震災を背景に、生者と死者の新たな関係を描き出しベストセラーとなった著者代表作。 野間文芸新人賞受賞。
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Posted by ブクログ
東日本大震災がもとになった話だった。最初はただのラジオ番組を聞くみたいな感じなのかと思ったら、死者の人たちのラジオだった。死者が届けたい想いと生者が想っていること、通じることはないかもしれないけど、想像することはできる。死んだ人は生きている人に想像されることで死者として存在できるのなら、生き残った人は想像しながら、よりよい未来を作らないといけないな。
Posted by ブクログ
東日本大震災を背景に「想像」という電波から流れるパーソナリティDJアークの言葉や想いを通して死者と生者の絆や関係性を描いた作品。前情報なしで読み始めて正直全く意味がわからなくてなんだコレと思いながら読み進め第一章の最後で「!!!」とぶん殴られたような衝撃と共に涙腺が崩壊。
毎日のように流れる震災や戦争や虐殺など失われた多くの命のニュースに心を痛めながらも時間と共に記憶は薄れてしまうけど亡くなった人のことを今を生きる人たちが想像しながら語り継ぐ事は魂の浄化に繋がるんだな。
直接的に関わることがなかったとしても「想像」という電波にのせて彼らのことを思い出し語りかけることできっとどこかに誰かに私の声が届いていてほしい。なんてな。
Posted by ブクログ
さらっとした文体で軽快に語られる、最初は全然状況が掴めない。なんなら章ごとにいきなり登場人物が変わる。その人たちが生きてるのか死んでるのか、はたまたどちらでもないのかも分からない。読むのにも想像力がいる作品。震災文学テーマのレポート書くために読んでみたけど、言語化するのが難しいな。沢山書けそうではあるけど。
あぁ、この人達死んでるんだって気付いてから彼らの「会いたい」って気持ち感じるととても苦しくなる。また会いたいね、いつ会えるかなって書いてた第4章は切なくて苦しくて、でもその会話はあったかくて綺麗だった。
現世とあの世の存在とは。被災者とボランティアの関係性。突如訪れた人生の終わり、やり切れない思いで留まる魂。もしかしたら本当にあったのかもしれない震災の話。いろんな切り口の死生観が感じれたのも良かった
Posted by ブクログ
アーク
芥川冬助。想像ラジオのDJ。たとえ上手のおしゃべり屋。三十八歳。海沿いの小さな町に生まれ育った。米屋の次男。中二からラジオにかじりつく。三流大学に入って東京に出る。エレキギターを買ってバンドに加入。メジャーデビュー出来ずに裏方として小さい音楽事務所に入る。十数年マネージメントをし、実家に帰る。
Posted by ブクログ
導入はとても良く、すんなりDJアークのラジオとして話に入り込めてラジオトークも面白かったのだが、ボランティアに来た人間が私にもラジオっぽいものが聞こえる〜というその人達のやりとりだったか、テンポが悪く感じた。後書きを読むに、現代の人が過去の被災者らにもっと寄り添っても良いんだよ、というメッセージを込めたらしいが、少し分かりにくかった。
その後、リスナー達との中継や、DJアークの家族とのやりとりなど、重い内容ではあるもののユーモアがあり面白かった。
「そうそう、ふたつでひとつ。だから生きている僕は亡くなった君のことをしじゅう思いながら人生を送っていくし、亡くなっている君は生きている僕からの呼びかけをもとに存在して、僕を通して考える。そして一緒に未来を作る。死者を抱きしめるどころか、死者と生者が抱きしめあっていくんだ。さて、僕は狂っているのかな?〜」p147