あらすじ
京都にあるD**大学の文芸サークル「オンザロック」の一員で、小説家を目指している十沼京一は、元医院を改装した洋館「泥濘荘」で、仲間とともに気ままに下宿暮らしをしていた。だが、年末が迫ったある日の朝、メンバーの一人が館の望楼から縊死体となって発見される。それをきっかけに、サークルの面々は何者かに殺害されていく。犯人は「泥濘荘」の中にいるのか?暗号や密室、時刻表トリックなど、本格ミステリへの愛がふんだんに盛りこまれた、名探偵・森江春策初登場作にして本格ミステリファン必読の書。第1回鮎川哲也賞受賞作。
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Posted by ブクログ
昔、講談社文庫版で読んだときはあまり好きでは無かった気がするけど今回は楽しく読めた。登場人物が多いけど割りと分かりやすくて混乱することもなく物語に入り込めた。『名探偵・森江春策』を読んだので十沼が出るのが嬉しかった。しかし色んな殺害方法や動機やら隠された謎やらあって本当に面白いな~。ちゃんと順番に読んでいこうかな~。
Posted by ブクログ
京都の共同下宿を舞台に沢山の登場人物たちが、様々なトリックによって殺害されていく…。
京都が舞台なので個人的に地名や電車に馴染みがあって読んでいて楽しかったです。
事件が矢継ぎ早に起こるので、考える間もなく次の被害者が出てしまった…という感じ。
文中に一見すると本筋と関係無さそうな文章がところどころ出てきて、何度か読み直しました。
後半でこの章が手記ということが判明してからは読みやすかったです。
著者の作品を読むのは初めてなので、他の作品も読んでみたいと思いました。
というのも、トリックは流石だと思うし、どんどん読み進めることが出来たのですが、少しクセがあるなあと感じたので…。この感じが他作品でも同じなのかを確認したいと思っています。
Posted by ブクログ
デビュー作ということで著者の気合いと情熱が十分に伝わります。展開が速いので時系列がいまいち分かりずらかったですが、勢いに乗せられて一気に読みました。
大学のサークルの面々が居住する「泥濘荘」で事件が次々と起きるわけですが、登場人物たちをきちんと把握する前にみんなどんどん死んでしまいます。
密室や毒殺など殺害方法もバラエティに富んでますし、なんて忙しい犯人なんでしょう。
クローズドサークルではないので警察も介入しているのですが、怒涛の展開の前では警察の存在感が薄い。
いろいろと過剰な1冊ですが、このてんこ盛りな感じは嫌いじゃありません。個々のトリックも楽しかったです。
ネタバレ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
加宮が背中を刺されたまま電車に乗り、当初の計画通りに行動したというのが一番引っかかりました。
犯人を恐喝するパターンで、油断して逆に殺害されてしまうという展開は嫌いなのですが、十沼の狂気的なまでの推理作家への野望があってこそというのには納得。
十沼はじめちょっとどこか狂ったような人間が多い中、皮肉屋で一番厄介だと思っていた蟻川が最終的に一番まともだったというのはおもしろかったです。
Posted by ブクログ
第一部の沼視点の話が微妙な語り口だとは読んでいるときに思っていた。それが伏線になっていようとは驚きだった。
「十角館の殺人」を読んだ時と同じような印象を受けた。人によってはとっつきにくいとても凝った推理小説だなと思った。
シリーズものらいしいので他の本も読んでみたいと思った。
Posted by ブクログ
のっけから核心部分のざっくりした感想\(^o^)/ご注意を~
「そこ」に犯人はいないのか…と思ってしまったんですよね~(ざっくり)。「ここ」にはいても、「そこ」にいなければ、いくら見取り図があって被害者全員その屋敷の住人でも、館ものとは括りたくないなあ、って。ちょーっとアンフェアな印象すら抱いてしまった。
(ココとかソコとか変な表記すみません…ネタバレ防止です…。)
これほど色々なトリックが詰め込まれてて、そんな些事に突っかかるなんて、自分で言うのも何ですが偏屈極まりないですね。もうこれはマニアの業とあきらめています(笑)。
ただ、「自分の住んでる建物内でこうも立て続けに怪死が続いてるのに、だれも【俺はこんなとこ出ていくぜ!】ってならない不思議(笑)」とか、その辺のお約束な部分に関してはスルーできるのも、マニアの業だわね~と妙にしみじみしてしまいました。
だからこそ!上記で述べた部分は!何とかクリアして欲しかった!!←くどい
まとめるの忘れてた~\(^o^)/というわけで、またしても引用でっす
縛り首、毒殺、密室、連続殺人の恐怖!
古びたアパート「泥濘荘(ぬかるみそう)」へ転がり込んだミニ・コミ誌仲間の13人。格好の根城を得た喜びもつかの間、縛り首や毒死、密室とあらゆるやり方で、1人また1人と殺されてゆく──。残った仲間の誰が犯人なのか。友人たちを救おうとする名探偵・森江春策の推理は?第1回鮎川哲也賞を受賞した本格長編推理。