【感想・ネタバレ】母親ウエスタンのレビュー

あらすじ

いつも行く食堂で出会った女の名は、広美といった。気づけば死んだ妻に代わり、子供たちの面倒を見てくれるようになっていた広美。しかしまたある日突然、彼女は家族の前から消えてしまう。身体一つで、別の町へと去って行ったのだ――。家族から次の家族へ、全国をさすらう女。彼女は一体誰で、何が目的なのか? 痛快で爽快な、誰も読んだことのない女一代記。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

変わったお話でした。
母親のいないいくつもの家庭で母親のような振る舞いをして子どもたちを助けてあげる広美のお話。
エピローグがいいです。タイトルの回収をしてくれているようで気持ちよかったです。ここで銃を置くのか次の街に行くのか。誰も知らない。

0
2025年06月19日

ネタバレ 購入済み

引き込まれる

原田ひ香さんの作品を最近、読む様になりましたが、過去と現在を行き来しながらの展開で時間も忘れて1日で読み終えてしました。

0
2022年11月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

今まで読んだことのある、ひ香さんの作品と毛並みが違った。
母親がいない父子家庭に入り込んでは母親役をし、時間が経つといなくなり、また別の父子家庭へと渡り歩く広美。

なんと奇特な人だろう、何者なんだと不思議だった。
途中までは優しい目で見ていたが(読んでいたが)、
広美を母親と信じて育ってきた子どもたち、広美が突然姿を消したことにより捨てられたと傷つく子どもたちが現れたあたりから、
実はこの人は罪深いのではないかという気持ちがムクムク。
大人になっても「母親」を求める子どもたち、その不安定さが気の毒だった。

広美自身の問題が明らかになってもその気持は消えなかったが、
とは言っても、広美のお陰である一時期でも幸せに暮らせたという一面も否定できないのはもちろんだった。

結局広美は何がしたかったんだろう。
終わり方も、広美らしくないように思えた。
でも、嫌いじゃないです、この作品。
「おそれいりましてございます」

0
2025年09月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

各地を放浪して、子供がいなくなったさみしさを紛らわせる女性の物語。
こんなに簡単に誰かの家に入れるのかと思うとびっくりするけど。
登場人物が多くて「え?この子は以前の話に出てきた!?」と確認しながら読みました。
虐待する男性を殺したんじゃないかという描写があったけど、殺すのはわかるんだけど、その後子供を施設に預けて出て行っちゃったんだ…と思うと複雑。
逮捕されたときや、真実がわかってしまったときのことを考えてのことだったのかなぁ。

0
2023年02月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ラスト、祐理と暮らすことにならなくてよかった。グッときたのは夜逃げの時に秋夫を誉めてあげてたシーン。淡々と飄々と進んできた物語なのに、あそこはなんか温度が高かったな。
あおいが少しずつ成長する感じもよかった。就活で煮詰まってる時、適当にガス抜きしてくれた広美。

映画にしたら面白いと思うたしかに。主演はだれにしよう、登場人物多すぎだな、子役もたくさんいるし。
親子ってほんと厄介だとつくづく思わされはしたけど、嫌な読後感ではない。それが原田ひ香の良さだろう。
ジャケットは単行本の方がずっといい。

0
2022年02月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読んでいて面白くはあったんですけど、個人的にあまり好きになれない作品でした。

広美さんという方が、母親のいない家庭を渡り歩き、子どもたちの世話をするお話なのですが、その家に住んでいる男の人と度々男女の関係になったり、すごく献身的に世話をしていたと思ったら急にいなくなって、また次の家庭の母親になったりするのは少し無責任だと思いました。

わたし自身ずっと母子家庭で、父親がいる家庭というものを知らないのが当たり前なので、一度も欲しいと思ったことはありませんが、
もし一時期でも父親がいたとしたら、そしてその期間に楽しい思い出があったとしたら、あの頃に戻りたいと未練が残ってしまうかもしれません。
実際、何年か経った広美さんの家に続々と、母親に対して未練がある子どもたち(もう大きくなってますが…)が集まったわけですし。

ですが、虐待する父親から身を挺してかばった広美さんは、本当に母親の鑑だと思いました。
血だらけで、頭がぱっくりと割れていて、片方の目が開かなくて…。それでも抱きしめていた子どもは傷ひとつなく、病院に着いた時も、子供を先に診てほしいってセリフはなかなか言えないです。
その後、虐待する父親が"事故死"になりましたが、その真相についても。
広美さんは本当に母親になりたくて、でもなれなくて、「母親ウエスタン」になったんだなぁって、おぼろげながら思いました。

0
2025年06月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

色々な土地で母親がいない親子の元を転々として、母親がわりをしている広美。
広美自身が自分の子供と引き離されたことで、本当は子供を愛したいという感情と、それぞれの子供たちの母親に愛されたいと思う感情とが合わさり、不思議と親子になっていく。
そして広美は去る。本当の親子ではないけれど、お互いの心が救われていた。
本当にありそうでなさそうなお話。

0
2025年01月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

彼はすぐに忘れた
望月健介
妻を癌で亡くし、三人の子供が残された。

多恵子
健介の妻。生まれて初めて受けた役所の定期検診で膵臓に癌が見つかり、半年後にあっけなく死んだ。中学からの同級生。

広美
食堂「いろは」で働く。健介の五つ下。

桃子
健介の長女。

良介
健介の長男。

直介
健介の末っ子

森崎あおい
祐理とは同じ大学の二年生と三年生で、経済学部に所属している。同じ英語劇部に入っていて、そこで知り合った。

加藤祐理
あおいにつけられている。苦学生。奨学金をもらいながら、わずかな実家の仕送りとアルバイトでがんばっている。「ルージュ」に通っている。

小谷理美
祐理の元彼女。地元の専門学校を卒業し、介護士として上京。

美弥
あおいの大学の友達。

望月道夫
健介の父親。東北の病院で死んだ。健介が中学の時に出て行った。


電話は一度しかかかってこなかった
津田島
「卑弥呼」に通う。牧場主。

広美

斎藤紅美子
「卑弥呼」のママ。

たーさん
土建屋の社長。高橋。

幸太郎
津田島の息子。

日村
津田島の牧場で住み込みで働いている。

エリナ
津田島が農協の役員に連れていかれたロシア人ばかりをあつめたクラブで出会った。光太郎を産んで姿を消した。

朝倉
市役所勤務。妻子持ち。

中田
菓子屋に勤めている。

雅恵
「卑弥呼」のホステス。夫の暴力で内地から子供を抱えて逃げてきた。

坂下広美
「ルージュ」のママ。

優子
帯広の喫茶店に勤めている女。


免許証を盗み見た
新藤幾太
秋鮭漁の船に乗っている。

愛海
幾太の娘。

広美
幾太の車と接触事故を起こした。

丈朗
幾太の友人で同じ船に乗っている。

よし子
愛海の母親。

祐理

あおい

秋夫
弁当屋の新しいバイト。宮城県出身。二十三歳。

美奈子
秋夫が連れてきた女の子。十七歳。

康江
よし子の同級生で今も同じ町に住んでいる友達。

夜明けにロックを歌った
佐野秋夫

広美

夏菜
秋夫の妹。

晴彦
秋夫の弟。

行男
秋夫の父親。

関口
いかつい顔の男。

勝俣美奈子


耳栓をおいていった
牧瀬弥太郎
児童福祉司。東京の私立大学の心理学科を卒業後、東京北東部の児童相談所に五年勤めた。母親が救急車を呼ぶ騒ぎを起こし、地元に戻ろうと考え始めた。水面市の児童福祉司に欠員があり、試験を受け合格した。

悠木理恵
牧瀬に水面市の児童相談所の案内をしていた。四十代のベテラン児童福祉司。

内藤孝夫
腕のいい料理人だけど体が丈夫ではない。

美月
孝夫の娘。

柄本
もともと一般の市役所職員だった男。児相に異動して三年目。

貴恵
弥太郎の母親。

安井由紀子
弥太郎が水面に戻る一年ほど前まで付き合ってた。大学の同級生で、私立女子高校の教員をしている。

祐理
東京都の教員採用試験の一次に受かった。

あおい

美弥

飯田元
二年前に事故死。エリート商社マンで、息子と二人、高級住宅地の一軒家に住んでいた。

前田麻衣
前任の福祉司。

飯田保
飯田元の息子。都立の児童養護施設に入所している。

保の母親
元の暴力に耐えかねて保が幼い頃に家を出、行方不明のまま。

西村俊夫
飯田家を担当したいた児童福祉司。

坂下誠之助

エピローグ
健介



0
2024年11月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

けっこう面白かった。ストーリーは、主人公「広美」の行動や思いを、過去と現在で交互に展開させながら進んでいく形式。
過去では、「母親のいない子供(たち)」の世話をするために、好きでもないその子供(たち)の父親と付き合い、そして数ヶ月、数年たって別れていく「広美」を、その父親の観点から描いている。また現在では、「世話してもらった子供たち」のうちの1人で、苦学しながら教員か公務員を目指す「祐理」とその恋人「あおい」が、「昔をあまり覚えていない広美」に対して抱く、深い思いや感情を描いている。
「広美」が何故、縁もゆかりもない「子供たち」を母親代わりに世話をするのか?はあまり重要ではない。小説の最後の方でその理由が分かるが、けっこう平凡で、ある意味期待外れだった。
それより、世話の必要なくなったとたん、「広美」は彼ら父子から離れていく。子供たちは「広美」がいなくなることに納得していないが、父親たちの方は何故か「広美が何時かは自分達の前から姿を消す」ことが分かっていた。勿論、何故自分達の前に表れ、何故突然に自分達の前から姿を消すのかは分からないにしても。
読んでいると思うことは、「広美」にとっては「子供を世話すること」が大事で決して「その子供が好きなわけでも、ましてやその子の父親が好きなわけでもない」ということ。だから、子供たちが大きくなって「広美」に会いに来た時、本当の母親かと聞かれても「いいえ」と簡単に完全に否定する。そして感謝する彼らに「助けてもらったのはこちら」と彼らの感謝も拒否する。この「広美」の行為と思いは、何だろう?自分の実の子供に対する贖罪とか、子と無理やり離された不条理に対する彼女なりの抵抗とかは、何か安易だ。
よく分からないが彼女は「世話する子供」がいないと自分自身を生きられないのかもしれない。
最後の最後、「世話の必要のない」大人についていった「広美」は何かを吹っ切れたのかもしれない。

0
2024年01月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

不遇の子どもがいると聞けば、どんな手を使おうともその父子家庭に入り込み、赤の他人の子どものために最善を尽くす女。そして自分の去り時だと思うと速やかに姿を消し、また次の家庭を探しては移る。

父子の父親のほうからはもう不要だと思われていたとしても、子のほうにとっては実の母親同然の存在。大人になった今も彼女のことを忘れられない子どもたちが、彼女を追いかける。

感情が読めないから彼女を理解しづらいけれど、母性とはこういうものなのでしょうか。不思議なタイトルに思い出すのは映画『シェーン』。「カムバック!」と言われたらそうしてもいいと思う。きっと、戻れる。

「借して」という誤字のせいでかなりテンションが下がってもったいない気がしたのは否めません。(^^;

0
2020年06月25日

「小説」ランキング