【感想・ネタバレ】顔のない男のレビュー

あらすじ

彼は一体、何者だったのだろう?

惨殺死体で発見された空木は交友関係が皆無の〈顔のない男〉だった。彼が残したノートを調べる二人の刑事は新たな事件に遭遇する

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 「空木精作」という男が殺害される。「空木」は,親の遺産で生活をしている生活感のない男。動機も,凶器も見つからない。原田と又吉という刑事は,ひょんなことから空木が残したノートを見つける。ノートは,空木が調査していた事件について書いているように思われた。それぞれの短篇の中で少しずつ「空木精作」の正体が描かれる。島海恭司は,「空木」を訪ね,栄光商事が輸入した違法オイルで妹が死亡したとして,「空木」に,「持田」がどこいるか,突き止めるのを手伝ってほしいという。「空木」は,自分こそが持田であり,自分の生活を確保するために,「持田」を名乗っている者を殺害する必要があると考え,殺害の計画を立て,進めていく。「持田」を名乗っていた者の正体は,諸岡課長だった。諸岡課長と通じていた高橋は,「空木」を殺害する。なかなか意外性のある真相であり,個々の短篇のデキ,全体の構成も秀逸。なかなかの作品。★4で。
○ 真実情報
 付き合っていた女を殺害した男が,嫌疑を免れるために,自分がその女から詐欺に遭い,その女性の身元を探そうとしていると見せかけるという話。この話では,「栄光商事」という休眠会社が出てくる。
○ 隠語研究
 関口美佐枝というコンピュータ会社に勤めるOLが殺害された事件。犯人は妹で,フリーターの妹が姉の保険証でクレジットカードを作り,借金を重ねたため,秘密を守るために姉を殺害したというもの。関口美佐枝は,昔,栄光商事で働いていたことがあったという。
○ 堕天使考
 薬物中毒の症状がある如月恵梨香が,「空木」の死体の第一発見者である高橋千太郎を殺害してしまう。天使の絵をめぐる話。如月恵梨香は,栄光商事の持田社長の愛人だったという。
○ 変貌要因
 栄光商事の事務所に出入りしていた柳田壱輔の母親が,自殺に見える形で死んでいたが,鍵が存在しない。自殺か,他殺か,死因が特定されていないので,保険金が支払われない。柳田が,妻を殺して保険金を得ようとしたという話。
○ 赤色凶器
 島海恭司が,バイクを盗もうとした岡本晋を殺害してしまう。岡本晋は,栄光商事の従業員だった。ここで,空木が書いたノートは調査ではなく,殺人の計画なのでは…という疑いが生じる。
○ 遠景接写
 恒松という配置薬の営業マンから,持田一家の過去を聞く。持田は,一家心中から逃げ出していたという。又吉は,「空木」が本当に追っていたのは栄光商事ではなく「持田」ではないのかという疑問を抱く。
○ 仮面幻戯
 栄光商事の譲渡手続きを行った雪山という行政書士がメインとなる話。原田は,雪山が「持田」とつながりがあると考えており,雪山を泳がせるが,雪山が殺害される。又吉は,原田の捜査状況を諸岡課長に告げる。又吉は拉致をされるが,拉致をしたのは原田ではなく諸岡。諸岡こそが,「持田」として栄光商事で違法オイルを輸入していた。原田は,諸岡と又吉以外の捜査一課全員に,推理を語っており,捜査一課の協力を得て,諸岡を逮捕する。

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2015年12月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

お話は、殺された空木の目線、ベテラン刑事原口の目線、若手刑事又吉の目線など様々な人物の目線で進んでいきます。

あの事件はこの事件と関係があり、またある事件はこう繋がり…。結末もさることながら、様々に張り巡らされた伏線の数々にただただ驚くばかりでした。

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2014年03月15日

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