あらすじ
「なぜ日本のリーダーは小粒になったのか?」。十数年にわたって、日本は経済ばかりでなく、政治も社会も閉塞感から脱しきれないでいる。官僚機構をはじめとした制度疲労が叫ばれて久しいが、何も変わらない状態が続いている。この根本的な原因は、卓越したリーダーの不在にあるのではないか。かつては決断力があり、覚悟を持ったリーダーたちがいた。しかし、今はそういうリーダーは、ほとんどいなくなってしまっている。本書では、吉田茂、松下幸之助、小泉純一郎、柳井正、カルロス・ゴーンなど、戦後から現在に至るまでの傑出したリーダー、注目すべきリーダーを取り上げ、著者独自の視点で、その実像に迫る。そして、危機的な状況におかれている日本には、どんなリーダーが必要なのか、新しいリーダー像を考察する。
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Posted by ブクログ
田中角栄に対する見方が変わりました。
33本もの議員立法を成立させたのは彼だけ、というあたりに国会議員としての真骨頂があったともいえます。
なぜそんなにたくさんの議員立法を成し遂げることができたのか。
このくだりはビビッときました。
「官僚の書いた法案は細部まで100%詰めていて、口を挟む余地がない。だからみんなが反発を感じてしまう。
ところが田中が書いた法案は、与党も野党も役人も、みんなが意見を言うことができて、誰もが参加した気分になれるから成立するのだという」
なるほど、これには唸ってしまいました。
ついつい、誰にも後ろ指さされないように完璧なものをつくろうと努力をしてしまいますが、皆の英知を集める、という点では、田中角栄方式(?)の良さは明白ですね。
こうやって人を巻き込み、そして最後は自分の考える方向に導くことができれば、非常に良い成果に結びつくであろう、このスタイルは是非ともまねしなければと思ったのでした。
松下幸之助についても書かれています。
その中で松下幸之助の考える人材抜擢の基準は、運を持った人間であるかどうか。
ではどういう人間が運を持った人間なのか、非常に明快に記されています。
周りを明るくできる人間
周りのやる気を高めることができる人間
確かに言われてみればそうだ、と思えるのですが、いざこれが自分の力量でできているかどうか、という視点でみれば、非常に重たい言葉であることを感じます。
このレベルを目指さないといけません。
最後に、田原総一郎氏の考えるリーダーに必要なもの4つ。
①ビジョンを示すこと
②戦略を持っていること
③決断ができること
④責任をとること
あちこちでよく見聞きする言葉ですが、
重たい言葉ですね。
常に意識して、自分がどの程度できているか、セルフフィードバックをかけなければいけません。
Posted by ブクログ
過去・現在の政治家、経営者の行動・言動から、これからのりーダー像が分かりやすく書かれた本。最後に記載してある「リーダーに必要な4つの条件」が印象に残りました。