【感想・ネタバレ】[新訳]ローマ帝国衰亡史・下<普及版>のレビュー

あらすじ

1776年に発売されるや、たちまち希代の名著としての地位を確立したギボンの『ローマ帝国衰亡史』。「国家の衰亡、文明の衰退は必然なのか」という人類永遠のテーマを考えるうえで、この書の存在を欠かすことはできない。本書ではこの歴史的名著を抄訳し、時代ごとの解説を付している。2000年に単行本として発刊以来、毎年刷りを重ね支持を得た、この翻訳書をルビを増やし解説も加筆修正して、装いも新たに新書<普及版>として刊行。下巻(第VIII章~終章)では、ユリアヌス帝の登場からローマの滅亡までの歴史を眺望する。人間の歴史を淡々と、しかしながら卓越した文章力で描ききる本書は、愛・悲しみ・歓喜・不安・嫉妬・憎悪・恨み・苛立ち……といった人間の感情・情動から、歴史がつくられていくことを伝えることに成功している。そして人間の行動の背後にある「歴史の法則」を読み取るのは、読者諸氏に委ねられている。

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Posted by ブクログ

以前から興味があったギボンによるローマ帝国衰亡史。
上下巻で約700ページほど。アウグストゥスによる帝政ローマ開始から、東ローマ帝国の滅亡までを綴っている。よって、共和政時代の話は出てこない。

基本的に歴史書として、時代を追って各皇帝の事績や当時の帝国の情勢などが綴られているのだが、著者(ギボン)によるローマ帝国衰退の要因分析なども随所に見られる。読み物として面白く、すぐに読み終えた。

ローマ帝国は、広大な領土を有して400年以上もヨーロッパに君臨した。途中何度も内戦や周辺異民族の襲来に苦しめられながらも、英雄達の登場によって何とか体制を維持してきた。

本書を読めば分かるが、五賢帝など平穏時を除き、ローマ帝国皇帝の中に、平穏に寿命を全うできた者はほとんどいない。戦場で命を落とす、部下や仲間に裏切られて命を落とすなど、悲惨な最期を迎えた皇帝が多いのだ。

皇帝は権力の象徴だが、同時に間違いなく死に近い地位だったのではないだろうか。そんな激動の時代の中、無力な皇帝達の一方で、自らの命を賭して行動した勇敢な皇帝達がいたことには、敬服せざるを得ない。

また、歴代皇帝の事績を通して、有事の際にどのように行動するべきか、強大な敵とどう対決するか、異分子にはどのように対応するかなど、行動の指針を学べるのではないだろうか。

歴史本に抵抗感が無いなら、文句なしに推薦できる本。

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2016年04月30日

Posted by ブクログ

 本書は、カエサル以降の帝政ローマから始まるが、パックスロマーナと呼ばれたローマの最盛期にはほとんど触れず、斜陽期のローマについて叙述する。滅びの美学、これがこの本のテーマである。 斜陽期に入ったローマ。その中では、カエサルが作り出し、アウグスツスが固めた帝政も、その位に付く人のレベル低下のため混乱を極める。それでも数百年、東ローマについては千年も永らえた理由は、何代かに1人、優秀な皇帝が出現したからだろう。瀕死の状態のローマが、彗星のごとく現れたスター皇帝により回復する。ローマの底時からを感じるとともに、スター皇帝たちの人智を超える能力に驚愕する。とはいえ、彼ら超人的皇帝たちも、時代を経るととも徐々に少なく小粒になってゆく。衰退と回復を繰り返すローマのリズムも、この回復が完全ではなく徐々に弱ってゆく。それでも、盛者必衰の大原則に抗う皇帝たちの姿には感動した。

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2018年10月23日

Posted by ブクログ

全10冊はとても読んでられん!ということで購入.
それでも人の名前が紛らわしくて読むのがしんどかった.

あと地図である程度地理関係を把握していないとわけわかりません.
それでもローマの歴史を勉強するよいきっかけにはなったかな?

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2012年06月24日

Posted by ブクログ

国が衰退するときは内憂外患の状態で、内憂の方に力を注がねばならないようになって来ると泥沼に嵌るがごとく衰退の一途を辿るものなのだと思います。
ディオクレチアヌスやコンスタンティヌス等の実力者が現れ、一時力を取り戻すが、彼らの取り入れた制度は、取り入れた当事者であり優秀な運用者でもあった彼らを失った後は新たな内憂の元になってしまうのが皮肉である。
後半のイスラム教に関する記述が普段なじみのないものの為、興味深かったです。

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2011年01月04日

Posted by ブクログ

こちらのほうが塩野さんの文庫本で出てないので
内容知らずおもしろかった。

現代みたいな考古学や歴史学が発達していない時代の
ギボンの考察は当時は斬新だったろうなと思う。はい。

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2011年08月26日

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