あらすじ
身体を見つめてきた解剖学者と世界を駆けまわる建築家が、現代日本の大問題、「死に方」について考える。
中高年男性の自殺率が世界でもトップレベルになった日本。
「死」が徹底的に排除された都市に住み、「死」について考えなくなった私たちは、
どのように「死」と向き合い、「その日」を迎えればいいのだろうか?
解剖学者と建築家という異色のコンビが、鴨長明の『方丈記』や、東京の歌舞伎座、
そして同じ学校で受けたキリスト教式の教育などをヒントに、ときにユーモアを交えながら、縦横無尽に語り合う。
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Posted by ブクログ
有名な二人の対談をまとめたもの。
主題は表題の通りだったようだが、ふたを開けてみるとやはり建築の話に寄り道することが多かった。隈研吾氏の作品や、栄光学園時代のお話などは興味深いものではあるが、「日本人はどう死ぬべきか」という内容にはあまり関係のないものだった。
特に4、5章は飛ばして読んでもそれほど問題にはならないだろうし、言ってしまえば1、6章を読めば両氏の考え方は概ね理解できる。
隈研吾氏が舞台の重要性を主張していたのには共感できた。自分という存在が死んだあとでも精神的な存在として残り続けることが出来る場所の大切さ、それは都市化と共に空き家問題が顕在化している現在の日本に必要なものなのだろうと思った。