【感想・ネタバレ】霖雨のレビュー

あらすじ

天領の豊後日田で、私塾・咸宜園(かんぎえん)を主宰する広瀬淡窓(たんそう)と、家業を継いだ弟・久兵衛。画期的な教育方針を打ち出す淡窓へも、商人としてひたむきに生きる久兵衛へも、お上の執拗な嫌がらせが続く。大塩平八郎の乱が起きるなど、時代の大きなうねりの中で、権力の横暴に耐え、清冽な生き方を貫こうとする広瀬兄弟。理不尽なことが身に降りかかろうとも、諦めず、凛として生きることの大切さを切々と訴えた歴史長編。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

モヤモヤしてた気持ちをすっきりさせる読書として、ストイックに自分を鍛える登場人物が出てくる小説を読むってのがある。ダラダラしてたりウジウジしてたりする自分に対してカツを入れる処方薬みたいなもんなんだけど。
典型的なのはスペンサーシリーズ。ミステリー要素とかアクションも素晴らしいが、それらは全てカツ本(?)を引き立てる要素にすぎないというと言い過ぎか…

葉室麟の小説も、読後自分がすっきりしてるのが分かる。スペンサーシリーズとはまた違ったすっきりの仕方。スペンサーシリーズのそれよりももっと日本人にマッチしたストイックさと言えばいいか。無理なく心地よさが沁みてくる感じ。

本作もそういう葉室小説の要素はたっぷり詰まっていて、読めばすっきり心が洗われる。毎日のしんどさ苦労を頑張ってしのぎ、積み重ねることでじっくりじわじわと前に進む。雨の日を耐えて日々精進すれば、晴れの日が来る。そういう心意気を読んですっきりしないわけがない。

ただ、重要な登場人物である佳一郎・千世ってのが戴けない。彼らがいるから物語に波乱万丈さが加わることは十分わかっていても、どうもすっきりしない二人なので、こいつらさえいなければもっと清涼感あるのになぁ…とか思ってしまうのである。

ここまで言うたら、これはもう読者の勝手すぎるおせっかいになってしまうんだけども

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2016年10月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

大塩平八郎の乱は知っていたけれど、それはあくまで歴史上の事実で、勉強で覚えただけでした。
その時代や、同じ時代の九州にある咸宜園が中心に描かれることで、リアルな人の心を見ることができました。
乱を起こした当人にとっては、それが義であるが、外側から見るとただの狂である。ということ。
千世の視点からも見ることができたので、女性の生き方や今の女性とも通じる部分、いろいろな感じ方ができました。
淡窓という実際に存在したけれども、よく知らなかった人を知ることができたのはとてもよかったです。

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2016年01月28日

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